自己資本だからこそできた、ユーザーファーストにこだわった開発。Lステップの「逆張り」の成長戦略とは

株式会社Maneql（マネクル）はLINEマーケティングツール「Lステップ」を販売するベンチャー企業です。LステップはLINE公式アカウントを機能拡張したマーケティングツールで、個人事業主、中小企業の方々を中心に多くの方々にご利用いただき、課金アカウント数は25000を超えます。（※）

※2023年9月時点、自社調べ

このLステップがこの規模に成長するまで多くの企業では考えられない、逆張りとも言える戦略がありました。本ストーリーでは、ベンチャー企業である株式会社Maneqlが、今の規模に成長するまでの裏側をお伝えします。

株式会社Maneqlとは

株式会社Maneqlは大阪府堺市のベンチャー企業です。元々は、起業支援やマーケティング支援を行う会社として誕生しました。この事業が大きく変わる契機となったのはLINE社によるLINE公式アカウント（当時はLINE＠）のAPI開放。これにより連携したシステムを外部の企業が開発できるようになりました。この時から間もなくしてLステップが生まれたのです。

自己資本だからこそできた逆張りの戦略

一般のSaaS系システムは外部の投資家による支援を受け、得た豊富な資金を広告やマーケティングに投下して世の中に広めていくケースが多いと思います。しかし、外部の資本が入っている場合、開発する機能や開発スケジュールには投資家の意見が強く反映されることが多いことでしょう。

これに対してLステップは、開発当初から外部の資本を入れていません。これは、自分たちが作りたい機能を作ることができる自由を享受する一方で、限られた資金の中で様々な工夫をしながら販促活動をしていく必要がありました。

リリース当時、Lステップがもつ機能はLINEメッセージのステップ配信のみでした。

そこでまず私たちは、つながりのあったプロのマーケターたちに成果に繋がるLステップの効果的な使い方を伝え、実際にビジネスで結果を出してもらう戦略を取りました。これにより、Lステップを気に入ったマーケターが知人に紹介してくれるようになったのです。同時に、マーケターたちから様々な要望を吸い上げました。セミナーにお申し込みした友だちと顧客情報を紐づけて管理したいという要望に対しては、回答フォーム機能を実装し、友だちごとに参照できる機能を実装しました。また、セミナーお申込み後にリマインドメッセージを送信する手間を減らしたいという要望には、リマインダ配信機能を作ることで、作業負荷を減らすことに繋げました。

このように、実際のユーザーが現場で求める機能や困っていることを拾い上げ、Lステップに実装し続けることにより、機能が充実し、ユーザーの満足度を高めることができたと考えています。

Lステップコンサルタントという新たな職業の方々が自走

さらにLステップが大きく広まる契機となった出来事があります。

この数年の間にプログラミングを学び、副業やフリーランスとして独立を目指す方が増えてきています。しかし、数ヶ月間プログラミングを学び、実際にクライアントが要望するシステムを作れるようになって独立できる方はそれほど多くはありません。

これに対し、既存のパーツの組み合わせによりノーコードで機能を実現できるLステップは、自分でゼロからプログラムを書くのに比べて難易度は非常に低くなります。そして、クライアントに満足してもらえて、収入を得られる。この噂が広まり、ビジネスでLINEを活用したい方々にLステップの導入支援を請け負う「Lステップコンサルタント」という新たな職業が生まれました。

Lステップコンサルタントの方々へ弊社から全く報酬をお支払いしていません。にもかかわらず、自主的にLステップを営業してくれるようになったのです。さらに、Lステップコンサルタントたちから出てきた要望も拾い上げ、Lステップに反映させました。これらの甲斐あって、より多くのお客様にLステップを使っていただけるようになりました。

しかし、Lステップコンサルタントの中には対応が不十分でお客様の要望を満たすことができず、問題となることも起きました。その対応としてLステップの正規代理店制度を作り、一定以上の品質を担保できる正規のコンサルタントを育成することにしたのです。今では200名を超える正規代理店が生まれ、Lステップを広めるお手伝いをしていただいています。