日本のデジタル化の遅れを取り戻したい。双子のエンジニアによるエンジニアマッチングプラットフォーム「ISSUE」開発の裏側
エンジニアマッチングプラットフォーム「ISSUE」は2022年に事業を開始し、今年で3年目を迎えました。
『企業のエンジニア不足を解消し日本全体のDX化促進に貢献する』という想いで作られたISSUEは、初期費用・求人掲載費用・スカウト料金が無料、約3,000名以上の優秀な副業エンジニアリソースをスポットで獲得することができるサービスです。
今回は、「ISSUE」に込めた想いや創業秘話についてResource株式会社創業メンバーの寒河江京我氏、寒河江陽氏に話を聞きました。
2030年にはIT人材79万人不足の懸念。寒河江氏の独自マッチングサービス立ち上げの背景
日本のIT人材不足は日に日に深刻化しており、経済産業省によると2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると言われています。そして、このままいくと2025年以降、日本のGDPは予測よりも毎年12兆円も低くなると予想されており、各企業ではIT人材の争奪戦が行われています。
寒河江氏自身もフリーランス時代に企業側のエンジニア人材獲得の需要の高さと、エンジニア側の良質な案件の獲得の難しさを体感しています。
私自身5年間フリーランスのエンジニアとしてベンチャー企業の開発業務を行なっていました。その中で、企業側から「優秀なITエンジニアを紹介してほしい」という相談が多く、知り合いのエンジニアを紹介していました。知り合いのエンジニアも、「スキルはあるが良い案件になかなか巡り会えない」、「フルタイムではなくスポットで働きたい」という現状があり、企業とエンジニアをマッチングさせることは需要があると感じました。(寒河江京我)
自身の体験と社会的な課題から、企業とエンジニアを繋ぐプラットフォームを作ろうと決意した寒河江氏。一方で、既存のマッチングプラットフォームと同じようにはしたくないという思いもあり、企業とエンジニアの直接契約で最短マッチング、適正単価の良質な案件、請求書発行などの事務的コスト不要のプラットフォーム完結型サービスを立ち上げることにしました。
双子間での衝突も経て立ち上げたプラットフォーム
0からプラットフォームの立ち上げを始めた寒河江兄弟ですが、
会社代表としてまずは売上を上げていくためにスピード感を持って開発をすすめたい兄(寒河江京我氏)と、モダンな言語で新規性を持たせつつしっかりとした品質を担保しながら他のプラットフォームとの差別化を深めたい弟(寒河江陽氏)で度々衝突することがありました。
ISSUEに対する想いが強いがあまりに、お互いの開発の進め方で合わない場面が何回かありました。妥協したくないからこその衝突だったので、しっかり膝詰めで話し合い、まずはプラットフォームを立ち上げを最優先とし開発を進め、企業やエンジニアに実際に試してもらいながらユーザビリティを高めていくことにしました。その他にもプラットフォームサービスとして成立させるためには、優秀なエンジニア人材の登録と適正単価で発注して頂ける企業の案件を集めることが大変でした。(寒河江京我)
プラットフォーム立ち上げ当初、まず先にエンジニア人材を集めるか、それともエンジニアを探している企業を集めるか、兄(寒河江京我)と揉めたことを覚えています。まずはエンジニアを獲得することを最優先とし、ひたすらDMを送ったり、リファラルなどありとあらゆる手段を使いました。同時に、自身もフリーランスエンジニアとして企業のトラフィックやサービスの機能改善案件を対応するなど、プレイヤーとしても動きながら過ごした立ち上げ時はとにかくがむしゃらに働いていました。(寒河江陽氏)
「エンジニア単価診断」のSNSバズりを契機に、ISSUE登録エンジニアが急増
また、当然ISSUEに登録するエンジニアも企業も0からのスタートであったため、まずは簡易的なLPを作成し、ISSUEに登録してくれるエンジニアをX(旧:twitter)などのSNSを利用し、1人また1人と少しずつ人材を集めていきました。
そして80人のエンジニアがISSUEに登録してくれました。ただ、このペースだとサービス拡大に時間がかかるため、これまでのエンジニア経験を活かした集客方法を考えました。
それが「エンジニア単価診断」(https://i-ssue.com/surveys/b2cca0dc-7870-6c91-19e9-d97218416e91)です。
エンジニアとして適正な時給はいくらなのかがたった30秒で結果が分かるサービスで、これまではっきりしていなかったエンジニアの単価相場を、エンジニア出身の寒河江兄弟だからこそ分かるリアルな時給テーブルを作成しました。
この診断サービスがSNSでバズることができ、これがきっかけでISSUEへの登録数を伸ばすことができました。
また、これまで〇〇人のエンジニアが単価診断サービスを利用して頂き、このデータを元に「3,000人に聞いたwebエンジニアの業務委託単価相場」も公開しました。
ISSUEのフィードバックから見るエンジニアの実情と期待
実際にISSUEを利用して頂いたエンジニアからは、「自分が持っているスキルとマッチする案件が少ない」といったフィードバックがあったものの、現在はISSUEで案件を募集して頂ける企業も増え、徐々に改善しています。
それよりも「1タスク単位で参画できるコンセプトが良い!」といった声の方が多かったことが嬉しかったです。まだまだ改善する点はあるかと思いますが、エンジニア目線を忘れず、そして企業のエンジニア不足を解消できるようより良いプラットフォームを運営していきます。(寒河江京我)
ISSUE在籍エンジニアの年齢層は、20代後半から30代前半が多く在籍しています。
現在は30代が最も多いので経験豊富なエンジニアが多く
またスキル割合としてはNext.jsやNuxt.jsのようなモダンなプログラミング言語が多いです。RubyやPHPといった言語も扱っています。
目指すは「日本のMicrosoft」!
現在、Resourceではシステム開発やプロダクト開発支援での知見や、エンジニアマッチングサービスでのエンジニアデータベース、そしてプラットフォームを保有していることで新しいビジネスが生み出しやすい環境があります。
これらのリソースを有効活用し、5年後10年後にはシステム開発やプロダクト開発の際になくてはならないSaaSサービスを生み出したいと考えています。
例えば、システムやプロダクトを開発する際に仕様書や設計書、シーケンス図などをスプレッドシートや作図ツールなどを使用して管理している場合が多いです。
特にスプレッドシートで管理する場合、データが紐付けされてないため、変更箇所を手動で修正していく必要があり、これでは工数がかかってしまいます。
そこで、エンジニアが使いやすいシステムやプロダクト開発に特化した管理ツールを作ることで、手動で修正していた手間を省くことができ、より円滑な開発を進めることが出来ると考えています。
Microsoft社の“Office365”のようなビジネスシーンに欠かせないサブスクリプションサービスを生み出し、エンジニアにとって欠かせないサービスを作っていきたいと考えています。
日本のデジタル競争力向上のための取り組み
現在弊社ではエンジニアマッチングサービス「ISSUE」と、新規事業立ち上げにおけるシステム開発支援やチーム事業といったISSUEのエンジニア人材のリソースと知見を元に事業を展開しています。日本のデジタル競争力は遅れていると日々感じていて、
実際に昨年発表された「世界デジタル競争力ランキング2022(IMD)」では日本は前年よりも1ランクダウンの63ヵ国中29位という結果でした。4年連続で順位を落としています。このままでは諸外国に遅れをとるだけではなく、日本自体のGDPに大きな影響を及ぼしますし、少子高齢化が確定している日本において、デジタル活用の向上は至上命題
だと思っています。これはIT人材が足りないということだけではなく、政府や企業のITリテラシーを上げることも重要だと感じています。
新しいサービスを生み出すとともに、自社メディアを立ち上げ、ITやDX分野に関するエンジニアや企業にとって有益になるTIPSを公開していくことで、ITリテラシー向上の一助になれたらと思っています。(寒河江京我)
今回はエンジニアマッチングプラットフォーム「ISSUE」について、寒河江京我氏と寒河江陽氏からお話を聞きました。
「ISSUE」を通じて、エンジニアと企業がスムーズに出会い、協力し合って価値を創造し、日本のIT人材のスキル底上げや日本のデジタル化の遅れを取り戻したいと語る寒河江兄弟の熱い言葉が印象的でした。ありがとうございました。
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【エンジニアマッチングプラットフォームISSUE】
初期費用・求人掲載費用・スカウト料金が無料で1タスク単位から開発を発注できるEXPERT DX プラットフォームサービス。
約2,900名のユーザーは有名企業に勤めている副業エンジニア方も多く、経験のあるエンジニアリソースをスポットで獲得可能。1タスク単位で募集を出せるため、採用に至る際のミスマッチも防ぐこと可能に。
また、エンジニアは興味のあるイシューに単価と実装時間を書くだけで応募可能。
すぐに企業から返事が届き、さまざまなプロダクトに参加できます。実施した仕事はポートフォリオとして蓄積されるため、新たなお仕事を獲得できる仕組みができます。
▼法人様 登録ページ
https://i-ssue.com/companies/signup
▼エンジニア様 登録ページ
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