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「個」が重視される時代だからこそ、夫婦カウンセリングのプロセスを本にした意味。『夫は、妻は、わかってない 夫婦リカバリーの作法』の出版ストーリー

著者: 株式会社日本ビジネスプレス

株式会社日本ビジネスプレスは、『夫は、妻は、わかってない 夫婦リカバリーの作法』を発売しました。著者の安東秀海先生は、夫婦関係を専門のカウンセリングを行う『life design labo』を開設。2000組以上のカウンセリングに携わってきました。今回は本書の企画背景や制作秘話を編集チームが語ります。

「夫に早くあの世に逝ってほしい妻」WEB記事から書籍化されるまで

 安東先⽣の夫婦リカバリー企画はもともと、コンテンツプラットフォーム「シンクロナス」のWEB配信コンテンツとしてスタートしました。その中でも「夫は育児にほとんど参加せず、夫婦のコミュニケーションもできない。そんな状況に長年、孤独を感じている」「夫に、早くあの世に逝ってほしいと思っている」という妻からの相談と、それに対する安東先生のカウンセリング記事が多くの反響を呼び、それをもとに本書が⽣まれました。近年では結婚しない選択や離婚を選ぶ⼈も珍しくありませんし、どちらかといえば「個」として⽣きていくことに対する関⼼が⾼まっています。そんな時代の中で、本書ではあえて夫婦という「ユニット」として⽣きることに価値を⾒出し、リアルな夫婦間の悩みとそれに対するカウンセリングを通して、夫婦の、そして自分自身の人生と向き合うことの重要性に焦点を当てています。


 配信当初から夫婦関係で悩む⼈たちへ取材を続けてきましたが、⼼休まるはずの関係性で、逆に⾃分や感情を作らなければならない状況に陥っている⼈が多いことに気づかされました。夫婦間で感情吐露が難しい中で、信頼できる受け応えができるカウンセラーは⼤きな存在です。


 夫婦関係に悩む⼈たちの多くが声を上げられない状況から、このテーマに関する潜在的な需要を感じていました。そんな中で、カウンセリングを通じて夫婦関係を考えることは、⾃分自身を⾒つめ直すことにもつながります。「ユニット」としての夫婦の関係に着⽬しながらも「個」としての⾃分を大切にできる本を、という想いから、この企画はスタートしました。


カウンセリングを通して、傷を癒すプロセスをたどることをテーマに構成

 本書の構成では「カウンセリングの役割」、つまり「傷を癒すプロセス」を重要視しました。企画当初は取材した相談者を10 パターン程度にまとめることから始め、結論を決めないまま⼿探りで編集作業が進められました。取材を進めるにつれて、相談者が過去に⾔われた⾔葉に傷つき、前に進めないでいるパターンが多いことが明らかになりました。今抱えている悩みだけを解消しようとしても問題は解決しません。心が傷ついた瞬間に戻り、傷を癒すプロセスをたどることがカウンセリングでは⼤切なポイントです。


 本書では、最終的にカウンセリングのプロセスで分類して展開することにしましたが、これは登場する相談者のプロセスを体験することで、読んでくれる⼈にも気づきがもたらされると判断したからです。もっと心理学的なアドバイスを盛り込んだり、教則本のように仕上げたりしたほうがよいのでは?という案もありました。しかし、「夫婦仲が悪いならこうしなさい」と⾔われるよりも、カウンセラーと相談者のやりとりを通じて、「こういうパターンもあります」と⽰すほうが、読者も相談者の⽴場に共感しやすくなり、何よりこのやりとりを通じて、読者がカウンセリングに⾏かなくても気づきを得られるかもしれないと思いました。


 このようにして、心理学的なアドバイスや実際に使える⽅法を教えるよりも、傷を癒すカウンセリングの役割に本書の中心がシフトしていきました。⾃分自身も傷を抱えている読者がこの本を読んで、なんらかの傷が癒されることがあってほしい、そして、自分自身を見つめ直すきっかけになってほしいと願っています。


カウンセリングのリアル感、ライブ感をどう伝えるか。編集中のエピソードを紹介

 書籍として文字にした場合、いかにして読者の⽅にカウンセリングのリアル感、ライブ感を伝えるか、というところに苦労しました。カウンセリングには個⼈情報も含まれるので、取材チームが直接現場に取材で⼊ることはありません。代わりにセッションを録⾳し、基本的にあとで相談者からお話を伺うという方法で文章をつくりました。後々は書籍化することもあるという前提で許諾を得たので、⼼理的な壁が⼊り本⾳が聞けない懸念もありましたが、相談者も先⽣と話しているうちにセッションに集中していく様⼦がわかりましたので、こちらとしてはありがたかったです。


 本書では先⽣の「相槌」を残したことも⼤事なポイントです。実際のカウンセリング中も、先⽣の合いの⼿が⼊ることで、相談者も想像していなかったことが今の自分の感情を形成していたことに気づくはずです。カウンセリングだからこそ、⾃分が考えていた不仲の原因ではないところに課題やヒントが⾒つかる。たった⼀⾔の「うん」、とか「そうですね」の先⽣の相槌が、カウンセリングにとって重要であり、またカウンセリングの臨場感を伝えるためにも必要だと考えました。それこそ夫婦のことを扱った本は他にもたくさんありますが、本書で描かれているようにカウンセリングを通じて⾃分で問題に気づいていくプロセスが描かれている本は、今までにないのではないでしょうか。カウンセリングを通して読者との接点を持つためにも、相槌はこの本に⽋かせない要素となりました。さらに、この相槌こそが、夫婦間にも重要なアクションであることを読み取ってもらえると嬉しいです。


 テーマとして最も難しかったのは最後の「セックスレス」に関する章です。モラハラや借⾦問題のような事例では、当事者による感情の緩和から何かしらの決断に向かえることも多いですが、セックスレスは⼀⼈ではどうにもならない問題なので、簡単に一括りで語ることができるテーマではない、という点で難航しました。例えば何⼗年経ってセックスレスになるカップルもいれば、⼀年でそうなるカップルもいる。本書にも描かれていますが、セックスレスという⼀つの⾔葉で括られる問題には、元をたどれば過去に起きた⼀つの出来事が原因の場合もあるし、実は全く違うところに原因があった、というパターンもあります。個々のケースがあまりにも違うので、適切な相談事例と対処法を選ぶだけでも苦労しました。


結婚する前の方々にも読んでいただきたい。夫婦関係を見つめることは「個」を見つめること

 本書は、パートナーと⼀緒に読んで欲しい、という思いもありますが、実は結婚する前の⼈にも読んでいただきたい⼀冊です。この本は男性向け、⼥性向けというようには想定していませんが、「ユニット」である夫婦関係を⾒つめることは「個」である⾃分を⾒つめることに等しく、⾃分の成⻑に繋がる話です。「今悩んでいることが問題の本質ではない」というところがキーワードにもなっています。カウンセリングのプロセスのところでもお話ししましたが、過去にあった心の傷が深くかかわっていることが多いのです。


 結婚前の⼈は結婚のイメージに対して不安や理想もあると思います。本書に登場するのは、ありふれた夫婦の形とも言えます。いわゆる「あるある」な夫婦の悩みが多く描かれています。取材を受けてくださった⽅が、「これ私ってバレないかな?」とか、逆に全く関係ない⼈が読んで「⾃分のことが書かれているんじゃないか?」と心配になるというくらいです。そうした、ありふれた夫婦の風景の中にこそ、人間関係の本質が隠されているのかもしれません。実際に本書の制作チームの周りでも「離婚前に読みたかった」と⾔ってくれた⼈がいましたが、これは誰もがぶつかる可能性のある壁です。


 ぜひ結婚前の読者にも本書を手に取っていただき、この本に描かれているのは、実は誰にでも起こり得ることだということを知ってほしいと思います。そして、問題の本質か何かを問い直す、といった意味では、パートナーシップにかかわらず、どんな社会の中にも存在する関係性を考えるきっかけにもなればと思います。ちょっとした対処の仕方を学んでおくだけで、身の回りで起きるトラブルの受け止め方も変わるはずです。将来の投資としても⾃信をもってお勧めしたい内容です。


『夫は、妻は、わかってない。 夫婦リカバリーの作法』安東秀海・著

長年夫婦で「夫婦カウンセリング」を行い、2000組の話を聞いてきた、LifeDesignLaboの安東秀海先生がその解決策を紹介していく。不倫、セックスレス、借金から「夫が嫌いになった」といった感情の課題まで。9つの代表的なカウンセリング事例とを紹介しながら、自分の人生との向き合い方を提示する、自分を大事にできる一冊。


出版社:日本ビジネスプレス(SYNCHRONOUS BOOKS)

定価:1650円

発売日:2023.7.21





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