はじまりは、美容鍼灸のお客様から。歴15年の鍼灸師が考案した、薬草ブレンド茶『香艸茶 うゑるかをる』の誕生ストーリーとブランドに秘めた想い。
香艸茶 うゑるかをる(こうそうちゃ うえるかおる)は、2022年8月にスタートした、国産ハーブ、いわゆる薬草と言われる素材を使用したブレンド茶ブランドです。
運営する合同会社Brico 代表の植田優香(うえだゆか)は、鍼灸師として15年、美容鍼灸院を独立開業して10年の間、美容鍼灸を通じて、たくさんの女性の美容と健康をサポートしてきました。その経験から着想を得た『香艸茶 うゑるかをる』。今年度の製造を前に、このブランドに掛ける想いをお伝えします。
香艸茶のはじまりは、美容鍼灸で感じた、忙しいお客様に何も考えずほっと一息ついてほしい、という思いから。
私は、東京・清澄白河にて、小さな美容鍼灸のサロンを営んでいます。気付けば、早10年…。サロンのお客様のお手入れをするなかで「仕事に、家事に、育児に…毎日、本当に頑張っている女性が多いな」と、感じました。また、15年間女性の健康や美容のお悩みを伺う中で「リラックスすることや、なにも考えない時間を設けるだけで、解決する不調はたくさんあるな…。」とも気付きました。これらは、一見簡単なようで、毎日忙しくしていると意外に難しいものです。もちろん鍼灸もケアのひとつなのですが、まずは『ほっとすること』をみなさんに提案したい、と思うようになりました。
そこで、お茶との共通点に気が付きます。日本は古来から『お茶を飲んで一服する』という文化があります。これは、ヨガや瞑想に近いものなのではないか、と私は考えています。ヨガや瞑想は習得までに時間がかかりますが、お茶を飲んでぼーっとすることは、誰にでもできることです。是非、皆さんに実践していただきたいと思い、そのお供として香艸茶の制作を思いつきました。
薬膳の概念や、栄養学の効果効能をもとに、レシピと素材にこだわりぬいたブランドの完成
鍼灸は東洋医学です。東洋医学では、西洋医学とは全くことなる体の診かたをします。『体には気が流れている』という、不思議な表現をしますが、長らく鍼灸に携わり、その表現は『からだのすてきな例え話』なのだと、理解するようになりました。そのように、とても感覚的な要素の強い鍼灸治療ですが、その東洋医学の教えのイメージをそのまま『私の感覚的に』香艸茶の構想へリンクさせていきました。
また、日本には「薬膳」という食養生の概念もあります。全ての食材には性質があると考えるもので、単純なところでいうと「この食材は体を温める」とか、「この食材は体を冷やす」といったようなものです。そういった薬膳の概念や、一般的に言われる栄養学的な効果効能なども参考にしながら、ブレンドに使用したい素材をリストアップしていきました。
これまで、経歴といえば鍼灸院の運営しかしたことがなかったため、今回のレシピ作りは香りの専門家である 株式会社カルダモン 山本様のご協力のもとに制作していきました。私のこだわりが強かったために、山本様には面倒をたくさんおかけしてしまったのではないかと思います…が、おかげさまで納得のいくレシピが完成しました。山本様には、この場を借りて改めてお礼を申し上げたいです。
レシピが決まった後は、実際に使用する素材の仕入れです。OEMであれば、ここの部分は外注先が担当するのでしょうが、仕入れる素材にもこだわりたかったため、仕入れ先も自分で探しました。探し始めてみると、やはり原材料もピンキリでした。拘らなければ安価、且つ簡単に仕入れ先を見つけることができるのですが、やはり味を決定づける素材に関しては妥協したくありませんでした。素材を選定する中で私が重要視したのは、無農薬や有機、野生の素材であるという点です。私たちの体は、自分が食べたものでできています。そのように考えると、自分が口にするものがどのようにできたか、という点まで考える必要があります。その自分の食に対するセオリーを念頭に仕入れ先を探す作業は、想像以上に骨が折れるものでした。
そのひとつは、素材の旬の時期についてです。例えば、トマトを買おうとスーパーに行けば、年中トマトを購入することができます。トマトの旬は夏ですが、冬にも購入することができます。それは、ハウス栽培をしているからです。食べたいと思った時に食べられるのは便利ですが、それは自然に適ったものではありません。
自然栽培で育ったものを選択すると、仕入れをするタイミングによっては、素材の在庫がなかったりするわけです。その上、さまざまな種類の素材を使用しているので、全ての仕入れ先を探し出し、全てのブレンドの素材が揃うのは「半ば奇跡に近いものを探しているのでは?」という気持ちにもなりました。
さらには、味や素材の状態、予算などの条件も考慮しなくてはいけないので、本当に大変な作業でした。粘り、選りすぐった結果、全国各地のすてきな農家さん、薬草農家さんとのご縁をいただくことができました。ブランドを立ち上げたばかりの私でしたので至らないところも多く、不審がられるのではと思いましたが、いずれの農家さんも快く販売を承諾してくださり、また様々な情報も提供してくださいました。おかげさまで、スムーズなお取引をすることができました。
素材について「無農薬栽培」と言葉にすることは簡単なことですが、実際に無農薬で育てることはとても労力が必要なことです。その作物に対する愛情は、しっかりと素材の味に現れています。おかげさまで味も完全納得の自信作の2ブレンドが完成しました。
イメージしたのは、一日頑張った後のリラックスタイム
当サロンには、頑張って疲れ切った女性が、駆け込み寺のようにいらっしゃいます。そんなたくさんの女性を診てきたのですが、頑張り切ったあとの状態は、大きくわけると2つのタイプに分けられます。ざっくり例えると『エンジンを切りたいけど切れずにいるタイプ』と『疲れ果てて動けなくなってしまうタイプ』です。東洋医学的なジャンル分けをすると、前者を陽(ヨウ)タイプ、後者を陰(イン)タイプ、などといったりします。そんな女性に送りたい、一日頑張ったあとの自分を労い、ほっとする時間のお供として飲んでもらいたいお茶をイメージし、2種のブレンドのリラックスティーが完成しました。
香艸茶 瀉(コウソウチャ シャ)は、日本が誇る野生のハーブ、新潟県佐渡産の黒文字をベースに、薄荷、月見草、陳皮、矢車菊をブレンドした、すっきりした味わいのブレンドです。上記でいうと『エンジンを切りたいけど切れずにいるタイプ』の方をイメージして制作したブレンドです。黒文字の味は『口の中で広がる森林浴』などと表現されていたりしますが、まさに深呼吸を味覚に表したような味わいです。後味でほのかに鼻から抜ける、薄荷の爽やかさがポイントのブレンドです。黒文字の緑、陳皮のオレンジ、矢車菊の青と色彩も豊かで、視覚的にも楽しめます。
香艸茶 補(コウソウチャ ホ)は、黒豆の名産地、兵庫県丹波篠山の焙煎黒豆がベースのお茶です。黒人参、月桃、サルノコシカケ、茴香(フェンネルシード)をブレンドしています。こちらは『疲れ果てて動けなくなってしまうタイプ』をイメージして制作したブレンドです。焙煎された黒豆が香ばしく、黒人参とサルノコシカケが、さらに深みをどっしりと補います。味わいの最後には、月桃と茴香が爽やかにピリリと引き締めます。味わって頂いた方から「出汁のような味がする」というお声も一部いただきました。優しく体に染みるような、コクのある味わいだったという例えでしょう。
補ブレンドと瀉ブレンドは、とても相反するような味わいになっています。もともと疲れ方のタイプをイメージしながら制作しましたが、その時の気分によっても選ぶブレンドが変化するのも面白いところです。「今日の私は、どっちを選ぶ?」と、本日の自分の元気バロメーターに問いかけながら、ブレンドを選ぶのも楽しんでいただけると思います。
昨年の夏より販売を開始しましたが、ありがたいことにご好評を頂いております。特に自サロンのお客様には、飲んでいただいた後のリアルな感想を直接頂くことができ、励みになっています。いつもコーヒーばかり飲んでしまう方も「飲むものの選択肢が増えた」と、香艸茶も選んで下さっています。補ブレンドと瀉ブレンドのいずれにも少量のスパイスを加えておりますので、ただ飲みやすいお茶との差別化にもなっているようです。
『ほっと一息つく時間を』というコンセプトに関しましても、多くの方に同感頂いているのも嬉しい点です。「今日は忙しかったから、夜は香艸茶を飲んでゆっくりします。」と、コンセプトどおりの声を頂いたこともあり、素直に嬉しかったです。
運営に関しては、これまでの鍼灸院経営とは全く異なる分野の事業のため、なかなかスムーズにいかないのが正直なところです。商品制作も大変でしたが、それを広めることが一番難しいなと痛感しています。それでもひとつひとつ勉強のつもりで、ゆっくりでも着実に成長していきたいです。
美容と健康だけでなく、女性が好きな仕事を通じて輝く機会を作ることにもチャレンジしたい
やはり、たくさんの方に飲んでいただくことが今後の課題です。東洋医学から着想を得たコンセプトのお茶なので、鍼灸院や美容サロン様はもちろん、ホテルや旅館等「ほっとする」ための特別な場所やシチュエーションなどで香艸茶に出会う機会があれば、それはとても理想的です。商品の方もブレンドの種類を増やしていったり、器や茶菓子などと合わせた贈答用パッケージなども作りたいです。
また、近年はSDGsも叫ばれる時代です。私は個人的にフランスが好きでよく旅行に出かけるのですが、訪れる度にフランスの環境に対する意識の高さを痛感しています。フランスの友達に「日本はプラスティック大国だ」と揶揄されたこともあります。今後は、パッケージにプラ素材を使用するのをなるべく避けたり、過剰包装にならないように気をつけたりなど、エコフレンドリーな包装へ少しずつ変えていきたいと考えています。
次の展開としては、日本にしかないような素材を使用してる商品なので、販路を海外へ広げるのも妙味があるかと目論んでいます。
美容鍼灸サロンを営んで10年、ブレンド茶事業を立ち上げて1年。美容鍼灸サロンでは様々な女性のお客様とのご縁がありました。たくさんの女性とお話をしたり、自分自身が仕事を生き甲斐としている中で、本来のテーマであった『美容と健康』の他に『女性と仕事』というキーワードも気になる存在になりました。私自身がそうであるように、好きな仕事を通して女性が輝くような機会を作るようなことも、この先できたらいいなと妄想しています。
やりたいこと、チャレンジしたいことは、山のようにあります。我が子のように会社を、ブランドを、少しずつ丁寧に育てていきたいと思っています。
[関連情報]
● 香艸茶うゑるかをる ECサイト:https://uelu-kawolu.com
● 香艸茶うゑるかをる BtoB専用サイト:https://goooods.com/@uelu_kawolu
● はりきゅう美容spa Brico サイト:https://spabrico.com
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