体験EC × DXサービス「cocodake(ココダケ)」で、宿がご当地ショールームに変わる。あめつちデザインによる、地域創生の最新ビジネスモデルとは
あめつちデザイン株式会社が開発した「cocodake(ココダケ)」は、宿泊施設向けのデジタルサービスで、宿泊客が施設内で体験した衣食住すべての商品を購入できるEコマース機能と、紙で管理されていた館内・観光案内をデジタル化する機能を有し、最新の情報が客室に設置されたタブレットや宿泊客のスマートフォンに配信されるツーリズムコミュニケーションツールです。
cocodakeを活用すれば、これまで宿泊施設の従業員が対面で行なっていた接客業務や紙で作成された案内資料の配布・更新作業が、非接触・ペーパーレスで対応できるばかりでなく、宿泊施設業務の効率化はもちろん、デジタルを活用した新しいおもてなしの形や、これまでになかった新しい顧客体験を提供することができます。
今回は、あめつちデザイン株式会社 代表取締役社長の霜竹弘一が、開発秘話やサービスに込められた思いを語ります。
あめつちデザイン株式会社
代表取締役 兼CEO 霜竹 弘一(しもたけ こういち)
大学卒業後、総合商社に8年間勤務した後、ネット旅行の新業態を2000年にスタートさせ、インドネシアと日本に法人を設立。インドネシアのオンライントラベルのカテゴリ(LYCOS)でトップとなる。同事業を現ベルトラ社(当時アラン株式会社)にM&Aし、同社執行役員・CMOに就任。
帰国後はいくつかの企業で新規事業のスタートアップを展開、2011年マーケティングソリューションシステム開発会社に入り、開発のPM、取締役兼執行役員を歴任。
2019年、あめつちデザイン株式会社を設立。
人間と環境を中心に据えた顧客体験デザインとデジタル技術を用いて、日本の各地域が持つ美しい自然や奥深い文化、受け継がれる伝統やものづくりの技能など様々な魅力を国内外に発信し、地方のツーリズムを変革することにより地方創生に取り組んでいる。
【代表 霜竹弘一メッセージ】
弊社は、人と環境を中心に据えた地域創生事業に取り組んでいます。
現在、地域経済は少子高齢化のみならず、過疎化に伴う人材の流出などたくさんの課題を抱えています。
そうした閉塞感が漂う中、顧客体験デザインとデジタル技術を用いて地域宿泊施設の活性化を実現し、地域創生につなげていきたいという思いから、新しく事業を立ち上げました。
私はこれまでに、商社勤務、それからインドネシアと日本でトラベルサービスの法人を設立するなど、さまざまな経験を積んできました。
商社での仕事、インドネシアで旅行業を設立したビジネスの経験から、世界各国を巡り、その国、その土地ならではのさまざまな文化に触れる機会を得たばかりでなく、旅先で得られるさまざまな体験価値や、視野の広がりなど、旅を通して得られる豊かさや幸せを創造するシーンに、数多く立ち会ってきました。
私にとっては世界は一つで、全てが繋がっています。
世界各国をめぐり、さまざまな旅行をプロデュースする仕事を続けている中で、いつしか自分が生まれ育った日本に貢献したいという思いが強くなっていきました。
そのような中で、インドネシアから帰国後、たまたま出会った仕事でビジネスの着想を得ることになります。
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宿のご主人のとある一言でひらめいた、地域の逸品のショールームとしての宿泊施設
インドネシアから帰国後、箱根の旅館オーナーさんとご縁があって、アメニティ商品の卸事業を提供していた時期がありました。
そんなある日のこと、ご主人が「霜竹さん、うちの館内にあるものは何でも売れるんですよ。」とおっしゃって。
最初はその意味がよく理解できずにいたのですが、お話を聞いていくうちに、驚きの事実が出てきました。
客室に何気なくセットされた置物からお茶碗や灰皿、お風呂の吹き出し口の装飾に至るまで、館内にあるものに興味を持って、それを購入されたいというお客様がいらっしゃることがわかったんです。
それまでの私は、宿に置かれているものは装飾、設えで、まさかそれを欲しいと思う方がいらっしゃるとは、想像すらしたことがありませんでした。
でも、その宿に宿泊されるお客様は、「これが欲しい」と思うものに出会ったら絶対に手に入れたいのだと。しかも茶器などの小さいものからお庭の松まで、大小、種類、価格などは関係なく、一切妥協がないとおっしゃるんです。
そのことを知った時、自分の中でパッと閃く感覚がありました。
なるほど、そういうことかと。
宿というのは、お客様にとってまさに一期一会の出会いに溢れている宝物のような場所なんだ。さりげなく置かれたものは設えも含めて、その一つ一つにオーナーの感性や美意識が表れている。そんな目利きのセレクションによる逸品ぞろいの宿は、ショールームでもあると思ったのです。
その時、宿の新たな可能性に気づき、一気に視界が開けた感覚がありました。
もちろんその宿は、富裕層のお客様が多かったら何でも売れた、ということもあったと思います。とはいえ、全国各地に点在する宿泊施設には、その宿ならではの魅力や地域の特性が絶対にあるはず。そしてそれはまだ発掘されていないだけでどんな宿にもポテンシャルがあるだろうと、大きな可能性を感じたんですね。
そこで地元の逸品をお客様に体験してもらって、欲しいと思った瞬間にすぐに購入できるしくみをつくろうと、心に決めました。
信州松本と飛騨高山をつなぐ玄関口「 渓流荘 しおり絵」様の体験ショールーム
着想から10年、国内Wi-Fi環境整備後の転機
起業するにあたっては、自分の中にあるアイデアとプランを、まずは信頼している友人に話してみることにしました。
しかし、その時返ってきたのは「アイデアは素晴らしい。でも、今始めても絶対に流行らないと思う」という言葉。
理由は単純で、Wi-Fi環境が整っていないことが最大のボトルネックになるだろう、と言われてしまったんですね。
確かに、cocodakeのビジネスモデルを着想した2006〜2007年頃は、国内のWi-Fi環境は全く整備されておらず、ひどい状況でした。その中でも宿泊施設はとくに普及が遅れていて、ネット回線すら導入されていないところも珍しくなかったんです。
そこで、「この状況では無理もない。今は時機ではないのだ」と判断し、しばらく様子を見ることにしました。
しかしその後、Wi-Fiの普及が進んでスマホは一人1台が当たり前の時代が到来しました。
そこで、「やっと時代がきた。今ならいけるかもしれない」と思い友人に相談したところ、今度はすぐにGoが出て、再び心に火がつきました。2017年のことです。
着想からおよそ10年、この間さまざまな紆余曲折がありましたが、宿泊施設のWi-Fi環境が整い、インバウンド市場が拡大してきた今こそ、ずっとあたためてきたアイデアをいよいよ形にできると思い、心の中は未来への希望に溢れていました。
一方で、過疎化や人材不足など地方の課題も浮上していましたが、cocodakeのサービスを広げていくことができれば、さまざまな課題解決のお役に立てると思いました。
体験Eコマースをベースに宿を起点に女将さんと地域事業者、宿泊客と職人さんを繋いでいくことによって新しい経済の流れもできて、地方創生に貢献できる。地域全体を元気にしていけると思ったんです。
そんな経緯があって2019年7月、晴れて創業に至りました。
ベータ版開発中に流行した新型コロナウイルス感染症。旅行業界への大打撃と先の見えない日々
起業後は、cocodakeの事業プランの資料を持参して、飛騨地域の5宿を往訪しました。
なぜ飛騨かというと、昔からものづくり文化が根付いている場所で、優れた職人さんが多いだけではなく、外国人観光客からも「リトル京都」と呼ばれる人気の高い土地だったからです。
当時cocodakeは開発途中で、システムもない、タブレットもスマホもない状況でしたが、まずは宿の状況をヒアリングしなければ始まらないと思い、プレゼン資料1つで自分の思いを語り伝えていったんです。
そうやって地道に往訪を続けていくうちに、「面白い、いいね」と言ってくださるお宿が徐々に増えていきました。最初はゼロからのスタートだったので、そうやって自分たちの思いに共感し、賛同してくださる方の言葉が本当に嬉しかったです。何よりの励みになりましたね。
そういう中で、当時パートナーとして開発に携わってくれていた外国人エンジニアに開発中のプロダクトへの宿からの意見や要望を共有しながら、急ぎ、ベータ版の開発に向けて奔走する日々を送っていました。
しかしそんな中、創業後半年も経たないうちに新型コロナウイルス、あの未曾有のパンデミックが襲ってきたのです。
2019年の12月の報道で、横浜港に到着したダイヤモンド・プリンセス号の乗客の集団感染のニュースを最初に目にしたあの時点では、まさかこんな大惨事になろうとは思いもよらなかったです。
当初は水際でなんとか抑えられればと願っていましたが、とんでもない。世界中でどんどん感染が広がっていく様子を目の当たりにしながら、「ああ、これで旅行業界が終わるな」と直感しました。
あの時はもう、本当に辛かった…。国家間の行き来が完全に途絶える中で、客足が遠のき、旅行業界全体が大打撃を受けました。お客さんの流れがピタリと止まって、動きたくても動くことすらできない、なす術がない。まさに四面楚歌でした。
余談になりますが、以前私はインドネシアで起業したことがあり、その時も9.11のNYテロと重なってとても苦労した経験があるんですね。その時の悪夢がフラッシュバックして、またか、と絶望的な気持ちになりました。
「自分は時節を読むことのできない、なんてバカな男なんだろう」と。一時は自分の運命を呪ったこともありました。
それからしばらくは自暴自棄で、文字通り、本当に何も手につかない状態が続きました。
当時、起業したばかりということもあって旅行関係のコンサルの仕事を受けていましたが、それもコロナの影響で突然の打ち切り。完全に売上が途絶えて何もできない状況となり、ただただ、会社が存続することだけを願いながらいたずらに時間が流れていきました。
非接触のおもてなしで、宿と共にパンデミックを乗り切る。4ヶ月でベータ版リリース、繋がる飛騨の職人との縁
そんな期間が、半年ほど続いたでしょうか。
ただ立ち止まったままでは何も始まらないので、できることから動いてみようと思って、再び飛騨の地に向かいました。そこで飛騨を代表する老舗旅館の方とお話しする中で、「霜竹さん、すごいですよね」と言われたんです。
私は当時、すっかり自信をなくしていたので、まさに不意打ち。
そこで、なぜですか?と聞いてみると、こうおっしゃっるんです。
「この時期に、こういうサービスを出すということは、ものすごく先見の明がある」と。
パンデミックの影響で、旅館スタッフはお客様と直接接触ができなくなるけれど、そういう中にあってもおもてなしをしよう、お客様に満足度の高いサービスを提供しようと思ったら、こういうサービスが絶対に必要だと。cocodakeだったらそれが実現できるじゃないですか!と。
そこで、ハッと我に返りました。ああ、そうか!と。
宿は感染予防のために、お客様と直に触れ合いたくてもそれができない。それはお客様同士であっても同じで、温泉も混雑状況をなるべく避けて入浴したいという気持ちがある。
それでも宿は、お客様に非接触は強要できないのだと。
それで、多くの宿の経営者やスタッフ達は、自らを感染リスクに晒してしまっている。
だとしたら、自分たちが力になれることがあるかもしれない。
そう覚悟を決め、一刻も早くリリースして、苦しんでいる宿の皆様のために非接触でもおもてなしができる環境を作っていこうと思いました。
そこから、一気にスイッチが入ったんですね。
この時は、事業を軌道に乗せることよりも、むしろ宿を支援したいという気持ちの方が強くなっていました。「この先何があっても自分たちの力尽きるまで宿を支援して、このパンデミックを皆で一緒に乗り切っていこう」と。それができたら本望だと、心の底から思ったんです。
この時新たに、チーム「cocodake」も立ち上がりました。
以前頼りにしていた外国人のエンジニアは、コロナでやむを得ず帰国することになったため、サービスの肝であるcocodakeシステムの開発が頓挫していましたが、力強いパートナーが新たにジョインしてくれることになりました。
そこから大急ぎで、ベータ版のリリースに向けて、チームは一致団結。
開発に向けてまさに全集中の日々を送った結果、最短最速で4ヶ月後の2021年の3月に、なんとか無事にベータ版リリースに漕ぎ着けることができたのです!
また、この頃、物販を目的にしたモノづくり事業者さんとのネットワーク構築においては
飛騨地域地場産業振興センターの方とのご縁も繋がり、飛騨の職人さんを一気にご紹介いただける流れもできてきました。これも一つの、大きな転機になりましたね。
それから2021年の冬にモノづくり事業者さんに向けて事業説明会を行ったのですが、予想を大幅に超えて会場は満席、大盛況で終えることもできました。
飛騨は私たちにとって、まさに始まりの地。
地元の皆さんのご協力なくしてこの事業は始められなかったと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも事業を育てていくパートナーとして、一緒に歩んでいきたいですね。
私たちは賛同してくださったその思いに応えられるよう、地域にさまざまな還元ができるように、事業をしっかりと育てていきたいと思います。
cocodakeが繋ぐ地域の輪。顧客体験を通して地方創生に向けた今後のビジョン
cocodakeのサービスはおかげ様で今、着々と、導入宿が増えている状況です。
また、地域のモノづくり事業者さんとのご縁も繋がっており、体験Eコマースに参加してくださるサプライヤーさんの数も順調に増えています。
そんな今の状況は、宿を起点にcocodakeを広げていく段階で、一つ一つのご縁を大切に繋いでいる感覚がありますね。
しかし、その先にはご縁というたくさんの点が良い形で繋がり、宿の周辺はもちろん地域全体がボーダレスに繋がっていくような未来を思い描いています。点と点が結ばれて線になり、やがて面になって地域が一つになって全体が融合していくイメージですね。
具体的には、将来的に、街歩きの活性化を促進していきたいと思っています。
そして、その場所、その地域でしか体験できない、まさに「ここだけ(cocodake)」しかできない魅力ある旅、そして感動体験をデザインしていきたいんです。
たとえばcocodakeスマホ版を片手に街歩きをしてもらって、その中で出会った酒蔵で酒造り体験をしてもらったり、蕎麦打ち体験をしてもらったり。その一つ一つの体験によって、地元の歴史やモノの良さを知って、気に入ったら購入していただく。そんな仕組みができたら、宿だけでなく地域全体が活性化していくと思うんです。
かけがえのない体験の数珠つなぎが起こることによって、宿も、職人さんも、お客さまにも喜んでもらえて、地域にも貢献できる。そんな「三方よし」の幸せな循環ができたら、本当にいいなと思います。
「ツーリズムデザインで地域が輝ける元気な日本に」by あめつちデザイン株式会社
日本では今、これまでにない急激なスピードで少子高齢化が進んでいます。また、都市部への過度な人口集中も変わらず進んでおり、このままでは地方経済や健全な暮らしが立ち行かなくなるでしょう。
日本がこれまで育み、大切に守り受け継いできた多くの輝きは、地方の自然と人々の暮らしの中にあります。
あめつちデザイン株式会社は、人間と環境を中心に据えた顧客体験デザインとデジタル技術を提供。次世代を意識した新たな視点から、地方創生に取り組んでおります。
受け継がれる伝統・ものづくり技術など、日本のさまざまな魅力を国内外に発信し、地方ツーリズムを変革していきます。
【会社概要】
社名:あめつちデザイン株式会社
所在地:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア
代表者:代表取締役 霜竹 弘一
事業内容:顧客体験向上コンサルティングによるツーリズムデザイン事業、地方創生体験コマース事業
コーポレートサイト:https://ametsuchi-design.co.jp/
サービスサイト:https://ametsuchi-design.co.jp/cocodake/
※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。
メール:media@ametsuchi-design.co.jp
お問い合わせフォーム: https://tayori.com/f/ametsuchi-design/
● 「cocodake」とは
宿泊施設と地域の名産品、そして名産品と宿泊客をマッチングする、新しいカタチのコマースプラットフォームです。客室をショールームにする「cocodake」タブレットから、手軽にお買い物が可能。宿泊施設・地域のモノ作り事業者・宿泊客三者すべてに新しい販売購買体験を提供します。
― 主要機能
• 館内Eコマース
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• 地域・観光情報
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― 追加予定機能
• 非接触顧客対応機能(チャット・メッセージ等)
• 顧客アンケート取得
― 参考URL
https://ametsuchi-design.co.jp/cocodake/
― サービス資料
cocodake概要(PDF):https://prtimes.jp/a/?f=d44851-20210126-6834.pdf
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