新たな教育環境を創出し、子供たちの可能性を大きく広げたい。教育特化型メタバース「3D教育メタバース」の開発の裏側
エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社は「新しい技術への挑戦と安心できるプラットフォームサービスを通じて情報を価値あるものにし、人々のスマートな暮らしに貢献する」という企業理念のもと、5つの事業を展開しています。
- ハウジング
- クラウド
- ストリーミング
- データ分析・活用
- New Challenge
「New Challenge」の事業では、メタバースやVR/ARなどの「XRサービス拡大」に取り組んでおり、企業様の目的に合わせてサービス提供をしています。
この度、教育特化型メタバース「3D教育メタバース」のサービス提供を開始しました。なぜ、教育特化型のメタバースサービスに着目したのでしょうか?
このストーリーでは、開発責任者の笹原 貴彦さん、開発担当者、日原 麻衣さん、瀬川 正之さんに開発時のエピソードや「3D教育メタバース」への思いをお伝えします。
21世紀を生き抜くために必要な力を養成するための、新たな教育環境「3D教育メタバース」
「3D教育メタバース」はその名の通り、教育に特化した3Dメタバースサービスです。これは、子供たちに21世紀を生き抜くために必要な力を養成して欲しいという思いを込め、新たな教育環境の整備、学校種・職種を超えた学びの促進、子供たちの想像力の向上を目指して作りました。「教室」「集会所」「面談室」「ブレイクアウトルーム」といった実際の教育現場と同様の空間を事前に準備しており、授業・グループワーク・進路相談・全体集会といった、学校で実施されるイベントの円滑な開催が可能なメタバース空間となっています。また、アバターを介すことでコミュニケーションの心理的な圧迫感の低減を期待できるため、児童生徒たちの積極的な授業参加に合わせ、不登校の児童生徒たちにも新たな学びの場を提供し、社会との接点を築く機会となることを目指しています。
メタバースサービスに感じた大きな可能性
私達はエヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社の中でXRビジネスを担当しており、特にメタバースサービスには大きな可能性を感じています。メタバースは自由に世界を作り上げることができるので、観光プロモーションから建築物のデジタル保存、事業のDX化まで、様々な用途で利用することができます。
私達が扱うメタバースサービスでは、通常は汎用的に利用できるメタバースPFを用い、個々のお客様の要望に合わせてメタバース空間をカスタマイズして作りこんでいきます。私たちNTTグループのお客様は教育関連の事業者が多いのですが、教育現場の皆様の要望に応えるには汎用的なPFをカスタマイズしていくのではなく、専用のメタバースPFがあった方がよいと思い「3D教育メタバース」の開発に取り組みました。
教育現場であげられた3つの要望
教育関係のお客様からは、主に次の3点が要望としてあげられました。
- 教育現場の空間を再現すること
- トラブルを防ぐ機能があること
- GIGAスクール構想にて整備された端末で動くこと
教育現場の空間を再現したメタバース空間
教育現場の空間の再現にあたり、「教室」や「集会所」に加え、「面談室」と「ブレイクアウトルーム」を作成しました。「教室」は皆さんが想像する通常授業を行う一般的な空間で、「集会所」は大人数での発表会を想定したスペースとなります。「面談室」は、個人面談や小グループでのディスカッションを行う個室を模しており、入室人数を制限できます。「ブレイクアウトルーム」は特にメタバースならではの機能を使っており、1つの部屋の中に6つのディスカッションブースを用意しています。ブースに移動するとブース内の音のみが聞こえるように空間内で音声を区切るゾーニングを行っており、グループワークがしやすいメタバース空間となっています。
先生に利用者登録の権限を付与し、トラブルを防ぐ
まずは入室ができるユーザを先生がコントロールできることが必要だと考えました。3D教育メタバースでは、先生に利用者登録の権限を付与しています。これにより、部外者がアクセスしてしまう危険性は非常に低くなりますし、また授業参観のように普段は利用しないユーザにアクセス権を渡すことも柔軟に対応できるようになります。
また、教育現場では児童同士のもめ事はどうしても起きてしまいます。場合によっては、傷つく言葉を投げてしまうこともあるでしょう。そこでNGワード設定機能を設けました。事前に登録した、攻撃的な言葉や差別的な用語はチャット欄には表示できないようにしています。
アプリを軽量化し、GIGAスクール構想使われる端末でも対応可能に
一般的なメタバースサービスは、ハイスペックな端末性能を要求します。GIGAスクール構想では、Windows PC、Chromebook、iPadが配布されており、性能は低~中スペックとなります。これらの端末でも快適にメタバースを体験できるよう、アプリの軽量化にはこだわっています。特にChromebookは、端末の仕様でアプリケーションに当てられるメモリも少なく開発者向けの文献も少ないため、安定して動作をするようにカスタマイズを加えるのは苦労しました。
合わせて、利用環境が学校であることを考えると、多少不安定な通信環境においても動作する必要があります。そこで、メタバース空間内の3Dオブジェクト数を減らしたり、見えないポリゴンを削除する等、リアリティを損なうことなく少ない通信量で快適にアプリが動作するよう、調整を行っています。
3D教育メタバースを通じて、子供たちの可能性を大きく広げたい
教育関連のお客様の意見を聞きながらサービス開発を進めてきたところですが、様々な可能性を感じています。
例えばある自治体では、不登校等児童生徒支援の取り組みとしてメタバースでの授業参加も指導要録上の出席扱いとしよう、という動きがあります。家から出ることが困難な子供たちも、この取り組みによって学習活動を評価され、学校に行かずとも学習を維持でき、社会的に自立することを目指せる仕組み作りができればと考えております。
また、これは別のお客様に教えていただいたのですが、アバターを介してコミュニケーションをとることによって、外国語不安が減るのだそうです。英会話に苦手意識を持っている学生でも、メタバース空間内では積極的に話せる傾向にあることがわかったとお聞きしています。こちらの事例は英語で検証されたとお聞きしていますが、英語に限らず、様々な教育場面、例えばグループディスカッションや発表会など、現実の対面コミュニケーションでは気おくれしてしまうようなシチュエーションでも積極的な授業参加ができようになるのではと考えています。
私たちの3D教育メタバースサービスを通じて、子供たちの可能性が大きく広がって欲しいなと思っています。
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