世界一の健康食品を作りたいと、一度会社を畳んで再出発。有機JAS認証を取得した完全オーガニック食品【大吉キムチ】が完成するまでの苦悩の開発ストーリー
#開発ストーリー #キムチ #新規事業
健康食品の企画会社として順調な成長を遂げていた株式会社フロウ(埼玉県さいたま市)は、創業10年を迎えて尚、満足できずにいました。いや、むしろ自分たちの仕事に疑問を感じ始めていました。そして代表の吉川は一大決心をします。“会社を畳もう”。当時の従業員たちと話し合い、本当に会社を畳むことになります。そこから5年に及ぶ吉川の苦悩の日々がスタートしました。国内をまわり、海外へも行き、その過程でオーガニック製品と出会い有機農業を知ることになります。
いったい吉川は何に悩み何を求めたのか。そしてどのようにして【大吉キムチ】の完成にたどり着いたのか。ここには「世界一の健康食品を作りたい」という吉川の燃えたぎる情熱と、キムチに対する並々ならぬ探求心と、そして吉川の複雑だった家庭環境が関係していました。
自らが企画する健康食品が本当に身体にいいと言えるのか自信が持てない。創業10年目にして決めた会社の閉鎖
2007年12月、株式会社フロウは健康食品・サプリメントの企画、製造会社として産声をあげました。
クライアントの要望を聞きながら、健康食品の設計をしていくというお仕事です。それならこういう原料を入れましょう、ではこの成分を削って代わりにこの成分を入れて予算に合わせましょう、というような設計をしていきます。
それを工場長との話で詰めていって製造にかかる時間とコストを調整しながら製品を企画していきます。
もともと食と健康に興味があった代表の吉川でしたが、そのような環境の中で健康という大きなテーマを突き詰めて仕事をしているうちに、この健康食品、果たして体にいいのかなと、自分の仕事に疑問が出始めました。
例えば、この商品はこの金額に収めて製造してほしいという要望があります。作る過程で、重さの軽い原料だと製造ラインに乗せたときに空に舞ってしまいます。それを防ぐために顆粒にする原料がありますが、それ自体には健康効果はありません。製造上作りやすい、封に入れやすい、製造スピードが上がる、製品全体の容量も大きくなります。安価で製造でき、期限内に予算内で作ることが出来ます。
それが体に悪いとまでは言わないまでも、働くうちにそういった細かい部分が気になってしまいました。いつしか自分たちの仕事に胸を張れない自分たちがいました。
“本当にこれを健康食品と呼べるのだろうか”
本来合理的に考えるところをどこか職人気質に考えてしまうところがありました。
そうして代表の吉川は、当時の従業員たちと話し合い、この仕事を続けることに意味を見出せなくなりました。その結果、株式会社フロウを閉鎖することになったのでした。
自分の家族に勧められる世界一の健康食品をつくりたい
会社を閉鎖した吉川は、もう一度自分が何をしたいのかを考え始めました。
もともと食や健康に興味があってこの世界に入りました。その思いは今も変わりません。ただ、自分が作ってきた健康食品に自信が持てない、どこか後ろめたさを感じてしまう。これが耐えられませんでした。
ビジネスだから利益を考えたら当たり前のこと、商品なんてみんなそんなもの。
そう何度も自分に言い聞かせても、もう自分を偽ることはできませんでした。
そして、誰にでも自信をもって話せる、自分の家族に毎日勧められる世界一の健康食品を作りたい、これが吉川の出した答えでした。
海外で出会ったオーガニック野菜にトレンドを超えた健康食品のヒントを見出す
吉川は、健康博覧会や展示会などに積極的に足を運ぶようになりました。また海外出張にも出かけ健康食品のトレンドを探ろうと必死になっていました。しかしこれと言ったヒントを探せずにいました。どんな原料が流行るだろうか、どんな原料を誰よりも先に仕入れられるだろうか、吉川の頭の中は相変わらずこんな思いが駆け巡っていました。
そんな思いを抱きながらドイツへ視察に行った時のこと、仕事を終えてふらっとスーパーに入ると野菜コーナーには有機野菜が所狭しと並んでいました。へぇ、ドイツは日本に比べて有機野菜が多いものだなあ、そして安いんだなあと思いました。
今度はベトナムへ行った時のこと、帰りにお土産を買おうと百貨店へ行くとオーガニックコスメがずらーっと並んでいました。こんなに沢山??オーガニックが当たり前かのように堂々と陳列されているの見て、何かとても気になりました。
オーガニックとは無農薬栽培のこと、そんなに無農薬はいいのかと少し疑問も残りました。
帰国しても、海外のオーガニックの記憶が消えずにいたのでインターネットで色々調べてみました。そして愕然としました。
オーガニックとは、無農薬で栽培された体に良いものという単純な解釈ではなく“持続可能な生産方法で栽培”、“生物の多様性、土壌の生物活性など農業生態系の健全性”、“農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業”。
そのために化学的に合成された肥料や農薬を使うのはやめましょう、遺伝子組み換え技術を使うのはやめましょう、というのがまさにオーガニック、有機農業なのでした。そして日本は諸外国に比べこの分野でだいぶ遅れを取っていることも知りました。
これだ。
吉川の思いは、有機農業を知るほどに確信へと変わっていきました。
どのサプリメント原料が流行るのかなんて追っていてはダメだ、健康はもっと身近にあるものだ、と強く意識するようになりました。
この想いを形にしたい。
しかしこの時の吉川の頭の中は、まだ、健康素材をカプセルに詰めて販売しようとするサプリメント的な発想から抜け出せずにいました。
在日コリアンとして幼少期から親しんできたキムチ。日本発のオーガニックキムチを作りたいとの思いが芽生える
吉川は、群馬県の田舎で在日コリアンの父と日本人の母の間に生まれました。
そして幼くして両親は離婚、吉川は父のもと男手一つで育てられました。
言わば男の料理の中で育ちました。
ただ吉川の父はこだわり派で、休みの日には鶏をまる一匹買ってきてはもち米にナツメや松の実などを詰めてサムゲタンを振舞ったり、毎年梅酒を漬けたりと自己流の料理が得意だったようです。
父方の祖母は、いつも手作りでキムチを漬けていて吉川も幼いころからキムチはスーパーで買うものではなく家で漬けるものと考えていました。
そして祖母はいつも幼い吉川に、キムチは体にいいから食べなさい、辛いけど体にいいから食べるのよと言っていたことを思い出しました。
吉川が会社を閉鎖する際に最後に企画した健康食品は、乳酸菌を使った腸内環境サプリでした。
あれれ?
ビビビッ!!
キムチか!そうだ、最高の健康食品があるじゃないか!
吉川は腸内環境サプリを企画した際、乳酸菌やビフィズス菌、プレバイオティクスやバイオジェニクスといった専門的な研究をしたことを思い出しながら、今は天国にいる祖母の優しい顔が思い浮かびました。
そうだ、キムチを作ろう。有機野菜をふんだんに使った世界一のキムチを。
ここからの吉川の行動は早かったです。
ちなみに、幼少期から成人した吉川はその後母と再会することになります。
その頃母は、会社の事務員から始まり営業、そして独立し1000人近い従業員のいる会社を経営するまでになっていました。
健康食品の会社でした。
吉川が健康食品の業界に足を踏み入れたのも、人々の健康に携わるそんな母の影響からでした。
有機野菜と有機原料だけでキムチを作りたい、日本発のオーガニックキムチを作るんだ、と母に相談したところ“素晴らしいじゃない!とてもいいと思うよ”と最後に背中を押してくれたのも母でした。
味の追求と有機認証取得の二足の草鞋に苦戦。試行錯誤のキムチ作り
本格的にオーガニックキムチの開発を始めて気付いたのは、非常に難しい道を選択したということでした。
味の追求と有機認証取得の二足の草鞋は本当に難問の連続でした。まず、扱える原料が限られます。これだと思う原料があったらまず有機JAS認証を取得したものがあるのかを探さなくてはなりません。あったらそこから試作です。その結果美味しくなければその原料はボツ。
そんなことの繰り返しでしたが吉川には絶対に譲れないことがあって、それは“美味しさ”でした。
オーガニックだから多少美味しくなくてもしょうがない、という事だけは絶対にしたくありませんでした。こんな良い素材を使っているのだから、という自己満足で終わってしまうのは嫌でした。
もう一つ、“世界一の健康食品”を作ると決めていたので自分の納得できる“健康素材”だけを使うこと。サプリメント企画をしていた経験を活かし、有機アガベシロップや有機リンゴ酢、有機塩麹を使うことも“世界一の健康食品”を目指してのことでした。
また化学調味料を使わず有機原料だけでどうやって旨味を出すかということにかなりの時間を費やしました。
吉川のパスタ好きから発想を得て、イタリア料理の旨味成分としてよく使われるトマトや玉ねぎを入れることにしました。
また隠し味で麻婆豆腐に味噌を入れたりカレーにまで味噌を入れる人がいることをYouTubeで知り、味に深みを出すために大吉キムチにも有機味噌を少し加えました。
そうして完成した【大吉キムチ】は、リンゴ、バナナ、みかん、レモンといった有機果物に白だし、味噌、塩麹、しょっつるなどの和風のテイストを加えた全原料24種類という唯一無二の本格キムチとなりました。
いよいよ販売を開始した大吉キムチは大好評。今後は商品ラインナップの充実や海外展開も目指していきたい
【大吉キムチ】は農林水産省の定める日本で唯一のオーガニック認証制度である「有機JAS認証」をようやく取得することになりました。
このことで【大吉キムチ】は、有機キムチ、オーガニックキムチとして販売することが可能になりました。
2023年7月7日、まずは先行販売という形でECサイトでのリリースを開始しました。
当初は本当に売れるのだろうかと不安でいっぱいでしたが、発売開始から1時間で完売、その後も出品すれば売り切れるという状態が続きます。
そしていよいよ8月22日、【大吉キムチ】の正式販売となりました。
10月末時点で1000名を超える方々に召し上がって頂いており、嬉しいことに2度、3度と購入いただく方も非常に多いです。つい先日、定期購入いただく方を対象に送料無料化にも踏み切ったのですが、こちらの申し込みも想像していた数をはるかに超える申し込みを頂いており、【大吉キムチ】の味を評価いただけている事が本当に嬉しいです。
現在【大吉キムチ】はキャベツのキムチ1種類のみの販売ですが、今後は季節のオーガニック野菜を使ったキムチも順次有機JAS認証を取得して販売していく予定です。また今後は海外へも販路を広げ、日本発の有機加工食品をどんどん世界へ広めていきたいと思っております。
【大吉キムチ公式HP】
【大吉キムチ公式オンラインショップ】
【大吉キムチ公式Instagram】
https://www.instagram.com/daikichikimchi/
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