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ラボのシェアリングで日本の研究開発を加速させる。Co-LABO MAKER代表の古谷が目指す未来

著者: 株式会社Co-LABO MAKER

株式会社Co-LABO MAKERは「研究開発の民主化」をビジョンに掲げ、2017年に創業したスタートアップです。研究リソースのシェアリングプラットフォーム「Co-LABO MAKER(コラボメーカー)」を運営しています。


昨今、大学発ベンチャーやディープテック企業を含む「研究開発型スタートアップ」が話題です。背景には経済産業省が発表した「産業技術ビジョン2020」や内閣府が発表した「スタートアップ育成5か年計画」があります。そこでは高齢化や環境問題、感染症などの対策として、研究開発をもとにしたイノベーションが不可欠とされているのです。


しかし、日本の研究開発環境には課題が散見されます。たとえば「設備や研究者のノウハウが十分に活かされていない」「予算や複雑な手続きがネックで、やりたい研究ができない」「大企業ですらスピーディな研究開発ができない」などです。




「Co-LABO MAKER」は、研究開発を実施したい企業や研究者と、研究リソースを有効活用したいラボをマッチングすることで、機動的な研究開発を支援しています。


本記事では代表取締役の古谷優貴に、Co-LABO MAKERの創業ストーリーやビジョン、実現したい未来についてインタビューしました。


「本当にやりたい研究ができない」実体験から起業を決意


──起業のきっかけについて教えてください



古谷:きっかけは、私が研究者として、日本の研究開発環境に大きな課題を感じていたことです。


東北大学の大学院を卒業後、新卒で入社したレゾナック株式会社(旧・昭和電工)で、私は研究漬けの日々を送っていました。

仕方がない話ではありますが、企業においては事業の成功が優先されるため、研究者は自身の仕事・キャリアの手綱を握れません。突然の辞令で2週間後から別の仕事、ということも起こります。

また、実験自体、エビデンスや過剰なほどの安全性を求められて膨大な手続きや根回しが発生するため、本当にやりたい研究がなかなかできないというのはストレスでした。


また、せっかくの高価な研究設備が、ほとんど使われずに放置されていることにも疑問を抱きました。

企業で新しい研究開発を開始するには、複雑な意思決定プロセスを経る必要があります。そのため稼働していない設備が多く、もったいないと感じていました。


こうした実体験から生まれたのが、研究開発を加速する「Co-LABO MAKER」です。


「研究設備・人材・技術のリソースシェア」で実現する機動的な開発


──現在の事業内容と、サービスの強みについて教えてください



古谷:「Co-LABO MAKER」のユーザーは、研修開発をしたい人(以下、利用者)と研究リソースをシェアしたい人(以下、提供者)の2つに分かれます。


利用者のメリットは、設備や人材を用意する費用や時間を抑えて、機動的な研究開発ができることです。通常ラボを立ち上げるだけで半年以上かかります。しかし「Co-LABO MAKER」なら、それを約1ヶ月に短縮できます。また、利用する設備を追加すれば、研究途中でも柔軟な軌道修正が可能です。


提供者の最大のメリットは、使っていない研究設備等のリソースをシェアすることで、新たな研究資金を得られることです。また、実際にラボをシェアした大学教授からは「優秀な研究者を間近で見られたことで、学生たちが良い刺激を受けた」という声も届いています。


ここまで読んで「ラボを利用したい人と貸したい人のマッチングくらい、簡単にできそう」と思われた方もいるかもしれません。しかし、自社で調査したかぎり、世界に同様のビジネスモデルは存在しないのです。


──なぜ世界に同様のビジネスモデルが存在しないと思われますか


古谷:競合優位性が高い理由は、研究開発とビジネスの両方を理解したうえで、サービスに落とし込める人材が少ないからだと考えています。とくにビジネスの知識が豊富でも、大学や研究機関がどうすれば協力してくれるのか、その勘所がなければ成り立たないことが参入障壁になっています。さらに、知財や秘密保持、ライフサイエンス領域だとさらに各種法令が関わり、契約上複雑なことも大きな理由です。


スタートアップの研究支援を通じて社会課題を解決


──続いて、Co-LABO MAKERの掲げるビジョンについて教えてください



古谷:Co-LABO MAKERのビジョンは「研究開発の民主化」です。研究リソースのシェアを促進することでイノベーションが生まれ、さまざまな社会課題の解決につながると考えています。


具体的な事例のひとつが、カンタム・ウシカタ株式会社(以下、同社)です。同社はLG社製の自動除菌ロボット「CLOi」シリーズを取り扱っています。人手不足の医療機関や公共交通機関に営業活動するなかで「床の隅々まで、本当に除菌できているのか」とエビデンスを求められる機会が多かったそうです。


同社はエビデンスを確保するため、大学や病院などの研究機関を頼りました。しかし「単発の実験は難しい」「契約締結や他業務との兼ね合いで、すぐに実験できない」などと断られてしまったといいます。そんなとき「Co-LABO MAKER」にご相談をいただきました。


その結果、実験設備と専門人材を確保でき、実験場所にロボットを搬入してから1週間後に「エビデンスは後日送りますが、しっかり除菌できています」と連絡が届いたそうです。


それ以外にも多くの事例があります。

複数部署にまたがって累計30件近くご依頼いただき、必要なものを必要な時に調達してアジャイルに研究開発する体制を整えたケースなど、コラボメーカーを活用して新しいプロダクトを世に出すだけにとどまらず、提供側のラボの学生が利用者の企業に就職したり、大学と共同で講座を開設するまでに至ったケースがあったりと、イノーベーションの源泉になりつつあります。


──今後の展望について教えてください


古谷:今後は「Co-LABO MAKER」を通じて、研究開発が社会課題の解決に貢献している事例を増やし、研究開発型スタートアップや研究機関への投資が増加する好循環をつくりたいと考えています。



とくに今年の秋からは、スタートアップのPoC(試作開発前のアイデア検証プロセス)に、活用できるプランの拡充を進めています。PoCには莫大な設備や費用、専門人材が必要です。それらの確保が難しいスタートアップを支援することで、社会課題を解決するイノベーションの総量を増やします。


「ビジネスと研究は似ている」元研究者がビジネスで社会貢献する理由


──これから採用も強化していきたいとのことですが、社内文化について伺えますか



古谷:私たちが大切にしている社内文化は、大きく2つあります。ひとつは「多様性」です。Co-LABO MAKERのお客様は多ジャンルにわたるため、業界ごとの常識やルールへの柔軟な対応が求められます。そのため、一人ひとりの個性を尊重した、多様性のある組織づくりを心がけています。


もうひとつは「スピーディーな意思決定」です。なぜなら研究開発型スタートアップを支援するため、柔軟なアイデアを素早く行動に移すことが重要だからです。そのため、社内ルールで縛り過ぎないことや透明性の高い情報共有などを意識しています。


多様性とスピーディーな意思決定を両立するため、リモートで完結できる業務が多いなかでも、直接会う機会を大切にしています。毎月オフラインの全社会を、会社が交通費を負担して開催したり仮想空間でコミュニケーションがとれるバーチャルオフィスツールを活用して、毎日朝会を開いたりしています。


当社のサービスは、民間から大学まで研究開発そのものをアップデートできる可能性を秘めています。日本をもう一度イノベーションを起こせる国にすべく、目の前のハードルを楽しみながら乗り越え、社会に貢献する。そんな豊かな経験を積みたい方は、ぜひご連絡ください。



【採用情報】

Co-LABO MAKERでは、事業拡大のため共に研究開発の新しい常識を創っていくメンバーを募集しています。

▼採用に関する詳細情報はこちら

https://www.wantedly.com/companies/co-labo-maker/projects


【会社概要】

会社名 :株式会社Co-LABO MAKER

本社 :仙台市青葉区国分町1丁目4−9 enspace

代表者 :代表取締役 古谷 優貴

事業内容 :Lab as a Service「Co-LABO MAKER」の開発・運営

URL :https://co-labo-maker.com/




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