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「cnaris」で加速する、クラウドでの課題解決支援への道。全社をあげてクラウドネイティブ育成にコミットするARIの挑戦

著者: ARアドバンストテクノロジ株式会社

2022年、ARIは、クラウド総合支援サービスブランド「cnaris(クナリス)」を立ち上げました。

これまでの豊富なクラウド経験を生かし、クラウド最適化診断などのコンサルティングサービス、内製化支援やエンジニアのシェアリングサービス、運用監視サービスなど、さまざまなサービスでお客様のビジネスゴールに向けて支援をしています。

ARIが、クラウドネイティブの加速を目指し、本格的にクラウド人材の育成に力を入れ始めたのが2016年。当時は、まだまだオンプレミスと呼ばれる物理サーバをビジネスに活用する企業も多いなか、ARIは創業間もない時期からクラウド技術に取り組み、さらにクラウドに特化した人材を未経験から育成すべく、社内でAWS(アマゾンウェブサービス)の認定資格取得のための育成トレーニングをスタートさせました。


  • クラウド総合活用支援サービスcnaris(クナリス)

https://ari-jp.com/cnaris/


現在では、エンジニアの7割がAWSの何らかの認定資格を持ち、会社全体で300以上のAWSの資格を保有するまでに成長。「cnaris」ブランドのもと、クラウドエンジニアは、IT業界の第一線で活躍しています。

優秀なクラウド人材を社内で育成できた背景には、社内育成トレーニングの充実があります。

内製化にこだわりスタートした社内育成トレーニングが、クラウド人材を生み出すまでには、多くの困難がありました。

育成に長年奮闘してきた人材開発部のCに、どんな課題を乗り越え、現在にいたるのか、話を聞きました。


<トップマネジメントユニット 人材開発部 部長 C(入社11年目 )>資格取得支援トレーニングのプロジェクトマネジャー

クラウドネイティブな人材を育成するため、社内で資格取得プログラムをスタート。数年間続いた困難の道のり

2016年、人材育成トレーニングがスタートした当時は、ARI がクラウドシフトを掲げ、クラウド人材に注力し始めていた時期でした。

「クラウド人材の創出のために、クラウドの知識・経験を底上げするためには、まずは資格取得が有効と考えたのです」と人材開発部 Cは語ります。

新卒社員を対象に、各部門へ配属した直後からAWSの資格取得プログラムをスタート。

AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト(略称:SAA)という資格を最終的に取得することを目的とした、育成トレーニングでした。


「新卒社員にまずフォーカスしたのは、エンジニアとしての実務経験・知識ゼロである彼らに、わかりやすいステップアップの構図を見せたかったから。成功体験を積ませるためです」Cは強い思いを語りました。クラウド技術に特化したエンジニアを巻き込み、新卒社員に資格を取らせるために何を実践すべきか。教材選定、受験までのスケジュールの立て方、モチベーション維持のためのフォローなど、具体的な施策を立てていきました。

すでに資格を取得していた社員から入手した「虎の巻」をもとに、試験対策を整え、手探り手作りでの育成トレーニングがスタートします。


しかし、トレーニングを受けた新卒社員30名のうち、実際に受験に挑んだ社員は半数程度、合格者もわずか7名。受講したエンジニアのモチベーションが上がらず、育成トレーニングは困難を極めます。


その原因は、中長期的なクラウド人材育成戦略、ロールモデル、ラーニングパスが不足していたことにあったのですが、当時は振り返ることなく必死に走り続けていました。

新卒社員として初期育成トレーニングに参加していたエンジニアSに、当時の様子を聞きました。


<クラウドネイティブデザインユニット CCoE戦略部 エンジニアS(入社7年目 )>AWS構築、内製化支援、育成トレーニング、社内の業務プロセス策定などに従事


「当時、クラウドはまだ現在ほど世の中に波及しておらず、AWSのクラウドサービスも出始めた頃でした。社内を見渡しても資格取得者が少なかったです。

業務にどう役立つのか、なぜこの資格が必要か、資格を取ることの意義を感じられずに、疑問を持ちながら勉強を続ける毎日でした」と振り返ります。

資格取得の勉強は業務時間外に行うことも多い。自己研鑽のためにプライベートの時間を勉強に充てるまでの、資格へのモチベーションを持つ社員も多くはいませんでした。


運営側でも課題を感じていたと前出のCは語ります。

当時の育成トレーニングについて、「理論上の知識習得がほとんどで、ビジネスのリアルと紐づいていませんでした。ひたすらがむしゃらにAWS資格の全制覇を目指そうとする社員もいましたが、何か違うなと」

育成トレーニングの参加者が、クラウドの知識に長けている社員の多い部門に集中したこともボトルネックとなりました。全社的にクラウドの勉強を促進したいという思いはあるものの、プログラムの体系化が難しい状況に。結果的に対象者が限定された育成トレーニングはガラパゴス化していきました。

失敗の経験をもとに、新たにとった育成トレーニング施策が成功。経営層×人事×技術部門の連携で迎えた変革

そんななか、新たな育成施策により、一気に合格者を増やしていきます。

2018年、受験者の合格率が30%程度だったところから、 2021年には合格率は50%となり全社の資格取得数が100に。そして2023年の6月には、資格取得数は300を超えました。


なぜ、ここ数年で急激に資格者が増えたのか。どんな施策を行ったか。

ARIがとった施策は4つあります。


1つめは、経営層を巻き込み、人材育成にコミットすること。

人材開発部門や、CCoEが体系化されたこと。また経営層、人事、技術部門が密に連携を取るようになったことで、ビジネスゴールと整合した人材育成プロセス、ラーニングパスの策定、推進が行えるようになりました。


2つめは、ビジネス活用を意識した実践型トレーニングの導入。

机上のTech学習にとどめず、「本来の目的であるビジネスにどう活かしていくか」に重きを置くようにしました。仮想顧客を想定した実践ハンズオン、模擬提案を行い、リアルなビジネスシーンでクラウドがどう役立つのかを体感できるトレーニングを導入しました。


3つめは、一人で勉強させず、進捗管理を徹底。

モチベーション維持のため「一人で勉強しない。受験者同士で学ぶ」チームワークの精神を大事にしました。勉強の進捗管理など細かいことでも個人任せにしていては、余程強い動機がないと目標をなし得ないと考え、トレーナーがチーム単位で資格勉強の進捗管理を徹底するようにしました。

また、エンジニア同士身近な距離感で学ぶため、連帯感が生まれやすく脱落者も少なくなっていきました。


最後は、若手エンジニアへのノウハウの伝承。

育成トレーニングを若手社員に代々引き継ぎ、自動的にノウハウが伝承される仕組みを作りました。

資格取得しただけでは終わらせず、計画的に学習継続させることを目的に、「教わる」立場から早い段階で「教える」方へと変化させ、ノウハウを伝承していきました。


育成トレーニングが既に充実していた2020年に新卒で入社し、現在はトレーナーとして、育成に携わるTに、現在のトレーニングの状況について聞きました。


<クラウドネイティブデザインユニット データ・AIテクノロジー&サービス部 エンジニア T(入社4年目 )>「2023 Japan AWS Jr.Champions」 に選出


「自分が新卒で入社した4年前は、現在の育成トレーニングの体制はすでにありました。

現在でも、5人程度のチームに分け、それぞれのナレッジや勉強法などを共有しあいながら、勉強しています。

面白いと思うのは、新卒として教わる立場であった翌年から、教える側へと立場が変わっていくことですね。だいぶ早い時期から、色々な経験をさせてもらえています」と語ります。


そしてその分、プレッシャーもあると言います。

「教える側の方が、段違いに大変ですね。準備の段階で、必ず学び直しています。正確な情報を提供しなければという責任感を持って、自己学習を徹底して知識を深めています。アウトプットのためのインプットの重要性を感じていますし、教わっていた時よりもトレーナーになってからの方が成長できている気がします」


「AWSの技術的な知識も深められるだけでなく、教えるときのポイントや、メンバーのモチベーションの維持など、その後の業務に役立つことも多く学べている」と語るTは、今年2023年、若手エンジニアのなかでも突出した AWS 活動実績を持っていることが評価され「AWS Jr. Champions」に選出されました。


前出のSも、トレーナーになってから学ぶことも多く、論理的思考が養われ業務にも生かされていると言います。「なぜこの考え方をする必要があるのかなど、お客様にもわかりやすく論理的に説明するよう心がけています」

Sは現在、ARIのCCoE (クラウド活用推進組織)に所属し、部門の垣根を越え社内の戦略的なクラウドの活用を推進、社内業務プロセスの策定などのほか、お客様のクラウド移行や内製化支援も行っています。


全社バックアップによるトレーニング体制の充実。離職率の低下、採用人数の増加といったシナジーも

一人でも多くの資格取得者を出すための施策が成功した大きな要因は、経営層を早い段階で巻き込んだことにあります。

クラウドに強い会社へと成長していくために、資格取得が有益だということは、すぐに経営層の理解を得られました。すぐにインセンティブの見直しが実施され、資格取得を奨励する動きが加速していきます。経営層が積極的に資格取得のPRを行い、合格実績は全社会議などで随時表彰するようになりました。役員が講師として登壇、育成トレーニングに直接協力することもありました。


資格取得が全社的な取り組みとして認知されると、資格取得に前向きに取り組む社員が増えていきました。勉強した社員が社内外で活躍し評価されることなどに影響を受け、受験者数、合格者数ともに年々増加。現在では、受験費用の会社の年間の負担額は、開始前と比べて数十倍の規模になっています。


育成トレーニングの充実は、エンジニアの意識醸成、離職率の低下や採用人数の増加にも寄与し、さらには「cnaris」のサービス拡充にもつながっています。


具体的に育成トレーニングは、「cnaris」 をはじめARIのビジネスにどんな成果をもたらしたのかを、CCoE戦略部のTへ聞きました。


<クラウドネイティブデザインユニット CCoE戦略部 部長T(入社12年目 )>「2023 Japan AWS Top Engineers」 に選出


「資格取得そのものは、実はそこまで重要ではないと考えています。ビジネスに直結するかどうかというと、必ずしもそうでもはない。

実際に、クラウド総合活用支援サービス「cnaris」を提供している我々が、ビジネスをおこなっていく上で必要なのは、クラウドの経験値です。資格を持っていなくても、仕事はできます。


ただし、資格取得は業務経験を補完し、復習にもなります。資格取得がクラウド人材の育成に寄与し、業務の幅を広げる一つの手段であることは間違いないです。業務の幅が広がることでクラウドの経験値も上がります」と語ります。


育成トレーニングを始動し7年経った現在では、プログラムも充実しトレーニングに自発的に携わる社員も増えました。コンサルティング、開発、セキュリティなど、それぞれの分野に特化したトレーナーが各技術部門から選出され育成トレーニングを行っています。


多くの社員が資格取得にチャレンジすることで、当初目指していたクラウドネイティブな環境を生み出すことができました。エンジニアは自発的に勉強会などを行い、クラウドのベストプラクティスを社内で共有、常に最新の情報や技術に触れています。ARIの現在のクラウドネイティブな社内環境が、クラウド人材のスキルアップ、我々の関わるビジネスの品質向上にも良い影響をもたらしています。


内製化にこだわり、手探りで進めた育成トレーニングは、ハイスキルな人材を育てただけでなく、ビジネスも創出しました。

ARIが社内で培ったクラウド人材の育成に関するノウハウを、社内トレーニングの枠を超え「AWSトレーニング支援」という「cnaris-Insourcing(クラウド内製化支援)」のサービスの一つとして提供しています。


最近では、自社のシステム環境をオンプレミスからクラウドへシフトする計画を持つ某大手企業のエンジニアに対し、「エンジニアのリスキリング」の一貫として、クラウドの基礎→アプリ開発→クラウド移行の全3回のトレーニングを企画、実施。

クラウドの概要に加え、難しさも含めた「クラウドの現実」を伝える講義、ハンズオンを交えた実践演習も盛り込んだカリキュラムを作成、支援しました。

お客様からもクラウドの知見が拡がったと、高い評価を受けています。


ARI は、これからもクラウドの技術提供、そして内製化支援のための育成トレーニングなど、クラウドのプロフェッショナルとして、幅広くお客様のクラウドに関する課題解決を支援していきます。



  • クラウド総合活用支援サービスcnaris(クナリス)

https://ari-jp.com/cnaris/




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