自治体と求職者をつなぎ、最適人材の採用につなげる転職活動サービスを提供する『パブリックコネクト』。自治体への転職サービスにこだわった経緯と今後について聞く。
私たちは自治体特化型の採用プラットフォーム「パブリックコネクト」です。社名を冠したこのサービスをリリースしてから4ヵ月が経過し、採用現場では様々な変化が起きつつあります。
これからの社会に、または自治体にどのように関わり、どんな想いを繋いでいくのか。サービス立ち上げから今後の展望まで、代表の平田に聞きました。
代表 平田 祐太郎
◆自治体と求職者の出会いの場をワンストップで行う転職活動サービス
—パブリックコネクトは一体どんなサービスなのですか?
平田:一言で表すなら「自治体と求職者の最適な出会いを実現する」サービスです。
自治体にとっては、ほぼ全ての採用活動を完結できる採用活動サービスであり、求職者の方々にとっては日本全国の自治体の採用情報を発見し、選択〜応募までを完結することができる転職活動サービスとしてご利用頂けます。
「パブリックコネクト」のトップページ画面
◆埋もれた現場の声を形にするために自ら立ち上がる
—パブリックコネクトの企画に至った経緯をお聞かせください。
平田:私、自治体オタクで公務員大好き人間なんです(笑)。
大学卒業後、新卒で教育業界大手のベネッセコーポレーションに入社し、自治体向けの教育事業のご提案等を経験しました。その後、当時のLINE(現:LINEヤフー株式会社)やIT企業のDeNA、スタートアップ企業でのキャリアを経て、当社を起業しました。
このように様々なキャリアを経験してきましたが、実は現在に至るまでの全てのキャリアにおいて、私は自ら官公庁や自治体に関する仕事を選択してきたのです。それは「自治体の仕事ってめちゃくちゃ面白い!」と信じているから。
多くの自治体と一緒に仕事をしてきて、自治体の仕事が持つダイナミックさをたくさん目の当たりにしてきました。管轄区域内に対してのサービス力の強さや、変化を起こす力のある仕事はどれも魅力に溢れています。
一方で、こんなに面白い仕事ができる環境でありながら、現場からは「新規採用が難しい」「既存職員がつらい思いをしている」という話を耳にする機会が少なくないんです。この状況を変えたい、きっと変えられるはずだ、との思いで自らサービス立ち上げを考え始めました。
私をビジネスパーソンとして育ててくれたのは、これまでずっと一緒に仕事をしてきた自治体の職員の方々です。そんな素敵な職員の方々がもっと幸せに働くことができるように貢献したい。そして、自治体の仕事は間違いなく面白い。
これが、パブリックコネクト企画の原点です。
◆自治体自らが意識を変えるきっかけとなる
—パブリックコネクトをリリースした後の反響はいかがですか?
平田:求職者においては、今までは「安定」といった要素が求められていたようですが、それが徐々に「自治体で働くことの面白味」に変化しているようです。
また自治体においては「求職者ファースト」の考え方が徐々に浸透してきたと感じています。これまでは一定の公務員人気に支えられ、募集を出せば応募が来るというのが一般的でした。しかし、パブリックコネクトをご利用頂く中で「もっと自治体自らが採用活動に積極的でなければいけない」という方向に意識が変化しつつあることを実感しています。
そして一番大きな変化だと感じているのは、これまで転職先として自治体に関心を向けていなかった層の変化です。パブリックコネクトで発信する情報から「民間企業での経験が活かせる」と感じたり、実際に民間企業から自治体へ転職された方のエピソードを見て活躍のイメージが湧くことで、ご自身の選択肢となり得ることに気づいていただけたのだと捉えています。
これから数年先、今まで民間企業を選んでいた方々が、積極的に自治体を選ぶような大きなベクトルの変化が起きる。そんな兆しをいま感じています。
—転職先として公務員が選択肢に入らないとしたら、どのような要因があるのでしょうか?
平田:これは「キャリアの連続性」の考えが関係していると思われます。
たとえば、これまで営業職で経験を積まれてきた方が、同じく営業職への転職によってスキルを伸ばしていこうと考えるのは、とても自然な流れですよね。しかし、ほとんどの自治体には営業職という職種が無いんです。自治体内での職種や部署名が民間企業と異なることで、自治体への転職によってキャリアが断絶してしまうのではと思い留まってしまう。
その点パブリックコネクトは、仕事の内容を具体的に伝えたり、一般的な言葉で言い換えたりと工夫していますので、求職者自身の経験やスキルが活かせる募集があることを理解していただきやすいかと思います。
◆応募数の増加だけではなく、質の高い人材が集まるようになった
—実際にパブリックコネクトサービスを利用された方の感想はいかがですか?
平田:現時点ではまだ求職者へのインタビューを実施できていないのですが、自治体職員からの感想としては「目覚ましく応募数が増えた」との嬉しいお声をよく頂きます。また、これまで採用したくてもできなかったような人材が応募してくれる、との感想も頂いております。
—「すごいベンチャー100」に選出されるなど注目を浴びていますが、どのような点が社会に期待されていると思われますか?
平田:これは、2つあると思います。
1つ目は、誰も聞いたことがないサービスだから。日本国内で「自治体に特化した採用プラットフォーム」という言葉でサービス提供をしている会社は当社だけなのです。なぜ今まで無かったんだろう?という思いとともに、関心を持って頂いているのだと思います。
2つ目は、社会全体として行政に対する改善要望が強まっている中で、パブリックコネクトなら何か貢献できるのではないか、という期待感だと受け止めています。公務員に関するニュースは、どちらかといえばネガティブな情報が多く、仕事の仕方や既存の体制について変化を求めたいという視点と当社のサービスとが重なるのではないかと捉えています。
—サービスを通して、社会にどのような変化を期待していますか?
平田:「自治体」や「公務員」という広い言葉ではなく、「○○市役所が」「□□町役場が」のように固有名詞で語られる社会になってほしいですね。
民間企業でいえば、例えば私が所属していたLINEヤフー株式会社の話をするとき、「IT企業ってさ」ではなく、社名を出して語るほうがより具体的に伝わると思うんです。しかし、こと自治体への就職・転職においては、固有名詞で語られる以前に「公務員ってさ」という表現をされがちです。
実際には、どの自治体・職場も、それぞれの地域・業務の特性を持っています。つまり、それぞれ異なった魅力があり、やりがいがあり、大変な部分があるわけです。にもかかわらず、広い言葉で採用活動をしてしまっては、伝えたい人に伝わらない。
だから私たちは、パブリックコネクトというサービスを通じて、それぞれの自治体にもっと具体的に魅力を発信していただきたいんです。そして固有名詞で各自治体が語られ、職員の方々も今以上に自信を持って働くことができ、結果的に自治体のサービスも向上していく。この好循環により自治体の存続・発展にも寄与できると確信しています。
パブリックコネクトに掲載されたブログ記事(山形県金山町役場)
パブリックコネクトに掲載された動画(東京都渋谷区役所)
—パブリックコネクトがある社会とない社会とでは、どんな違いがあるでしょう?
平田:自治体に限定せずにいえば、みんながもっと自分の生活に関心を持つようになるのではないか、と思っています。
このサービスを立ち上げる時に、たくさんの人に「自治体の仕事にはどんなものがあるか?」と質問しました。よく挙げられたのは、住民票をもらうときや転入・転出のときに対応してくれる職員の様子でした。しかし、それ以外ではあまり出てこなかったんです。学校の先生や警察官などの仕事は出てきやすいのですが、自治体職員の仕事は出てこない。
でも実際には、私たちは様々な場面で自治体の仕事を目にしています。駅前の再開発、普段の通勤・通学で通る道路の舗装工事、あたりまえに水道から水が出ることなど、生活のほぼ全ての場面で関係していると言っても過言ではありません。
パブリックコネクトが、そこで働く職員の方の顔や想いとともに具体的な仕事内容を発信できたとき、例えば少しだけ、自治体や職員に対して感謝の気持ちをみんなが持つような、そんな温かい社会にもつながっていくのではないか。そう思っていますし、そのような社会になってほしいと心から願っています。
◆自治体と求職者のために貢献するサービスの展開を計画中
—サービスの今後の展望や計画について教えてください。
平田:パブリックコネクトを使って入庁された方や、いま自治体職員として働いている方の幸せに貢献できるようなサービスでありたいと考えています。
もともと当社の思想として、採用・入庁するところまでがゴールとはしておらず、生き生きと働ける毎日にも貢献できる企業であることを目指していますので、今後はそちらの方向へのサービス展開も計画しています。
—最後に、求職者の方および自治体の方に向けてそれぞれ一言、お願いします。
平田:求職者の方へ。ご自身が一番幸せに働くことができる場所を選択する上で、ぜひパブリックコネクト内の記事・動画をたくさんご覧ください!
自治体で働くことは、同時にその自治体の通勤エリア内に住むことも意味します。生活拠点としての利便性や地域との関わり方なども、ブログや動画などでご紹介しております。
そして自治体の方へ。私たちに任せてください!
当社は、自治体との向き合い方について「支援」という言葉は使いません。「一緒にやっていく」という姿勢を常に持っています。私たちの持つ公務員採用の知見についてはプロとして助言・提案させて頂きながら、自治体独自の魅力を一緒に発信していきましょう!
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