高速道路に携わる会社が始めた高速道路沿線の地域交流。健康経営と地域活性化の両立を目的にした「健康ワーケーション」開催までのストーリー。
NEXCO中日本サービス株式会社は、高速道路会社であるNEXCO中日本のグループ会社です。サービスエリアのコンシェルジュや用地取得、道路敷地の管理といった高速道路に携わる仕事のほかに、人材派遣や研修といったビジネスサポート、社宅管理や不動産事業、広報物制作など幅広い業務を担っています。
従業員のエンゲージメント向上や会社の成長にもつながるとして、従業員の心身の健康を維持するための取り組みや、高速道路沿線地域の活性化につながる事業などにも取り組んでいます。
今回は、自社の「健康経営」の推進とともに、高速道路沿線地域の持続可能な活性化を目指して「地域共創」の活動に取り組んできた実績を活かし、地域の皆さまと協力して今年度初めて開催した「健康ワーケーション」についてご紹介します。
従業員の健康維持が安定したサービスの提供につながる
NEXCO中日本サービスは、高速道路会社のグループ会社の中でも、特に人材派遣や研修をはじめとして「人」を軸とした業務を行っています。人と人のつながりを大切にしており、コーポレートキャッチフレーズも「人がつなぐその先へ」。人を大事にする社風です。そのなかにはもちろん従業員も含まれており、健康リテラシー向上と健康増進、働きやすい環境づくりなど、従業員の心身の健康のために「健康経営」に取り組んでいます。経済産業省と日本健康会議が共催する健康経営優良法人認定制度において、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、 戦略的に取り組む法人として「健康経営優良法人2023」 の大規模法人部門に認定されました。
健康診断やストレスチェックの実施はもちろんのこと、野菜摂取率の向上を目指した取り組みや、希望する従業員にはウェアラブルバンドを配布し、健康意識の向上に役立てています。
▲ウェアラブルバンドで健康管理をしている従業員
高速道路沿線の地域活性化を目指した地域交流の実施
高速道路会社のグループ企業として、高速道路沿線地域の持続可能な活性化を目指して「地域共創」に取り組んでいます。地域の方、自治体、企業などと連携しながら、地域と人、人と人をつないでいきます。2021年度からの試行を経て、白川村や美濃加茂市で、NEXCO中日本グループだけでなく他企業の方、自治体職員の方、地域の方などを集め、SDGsをテーマとしてフィールドワーク型の研修を行っています。2023年度からは地域共創のプラットフォーム「みち×まちcolon's」を立ち上げ、各地で課題解決型の取り組みを進めています。LINK:https://michi-machi.com/
▲美濃加茂市内での地域課題解決型研修の様子
会社と地域の課題を同時解決するため始めた「健康ワーケーション」企画
美濃加茂市とともに地域の活性化に取り組んできたなかで、美濃加茂市が「健康都市」として健康寿命の延伸に取り組んでいること、中部地区最大級の先進的な病院「中部国際医療センター」があること、市内に里山や川など豊かな自然を有していることなど、この地域のいろいろな魅力を感じていました。そんな美濃加茂市で私たちができることとして、ワーケーションを通じて、社員の心身の健康を整えながら、生産性向上や社員同士のコミュニケーションの場づくりができないかと考えました。これが「健康ワーケーション」企画の始まりです。
▲美濃加茂市「健康のまち一丁目1番地」にある中部国際医療センター
そんなとき、岐阜県立加茂農林高校の生徒の方々が、里山の林道を整備して健康ウォーキングコースを整備していることを教えていただきました。そこで、ワーケーションの中に、高校生の取り組みのお手伝いをプログラムとして盛り込み、社員の健康維持と持続可能なまちづくりの両立を目指すことにしたのです。
こうして、私たちは健康ワーケーションの企画と、加茂農林高校生の活動の支援を始めました。高校生たちは、中部国際医療センターのドクターからウォーキングコース設計のアドバイスをもらったり、林道の整備活動では地域の方々の協力も得ながら、着々とウォーキングコースの設計を進めました。私たちは、コースマップの制作のお手伝いや、自分たちのウェアラブルデバイスを活用した運動データの提供などを行ってきました。
▲高校の授業に参加して一緒に取り組みました
健康ワーケーションの企画にあたっては、従業員の心身の健康に寄与する取り組みとするために、運動を継続できる仕組みづくりやワーケーションの効果検証にこだわりました。美濃加茂市に何度も足を運び、ワーケーションのなかにどんな運動プログラムを組み込むか、試行錯誤の日々を送りました。
地域環境整備や関係人口創出への効果にも期待
健康ワーケーションの実現に向けて、「美健 in Life コンソーシアム ~“美”のかもであるく・つくる“健”康ワーケーション」というコンソーシアムを設立しました。コンソーシアムを構成するのは、当社のほかに、田園社会イニシアティブ株式会社、中部国際医療センター、美濃加茂市です。4者で協力することで、健康ワーケーションの取り組みを、従業員の健康のためだけでなく地域の方々の健康寿命延伸にもつなげようとしています。また、地元の子どもたちの教育や、里山の環境整備、地域の関係人口創出など、さまざまな副次的な効果も見込まれます。
また、この美健 in Lifeコンソーシアムの取り組みは、スポーツ庁 令和5年度「Sport in Life推進プロジェクト(スポーツ人口拡大に向けた取組モデル創出事業)」の採択を受けました。スポーツ庁の委託事業として、社員や地域の方の健康への意識を高め、スポーツ人口拡大に貢献するプロジェクトとして実施することが認められたのです。
▲コンソーシアムメンバーで打ち合わせ
ついに「健康ワーケーション」を開催
そして2023年秋、NEXCO中日本サービスは約20名の従業員をモニターとして、美濃加茂市で2回に分けて健康ワーケーションを行いました。ワーケーションは1泊2日の行程で美濃加茂市内で行われ、参加者は余暇の時間に健康づくりのプログラムや地元高校生との交流に参加しました。
健康ワーケーションの特徴は下記の4点です。
1.中部国際医療センターのジム「クラブM」で健康チェックを行うことにより、参加者それぞれの健康状態がわかり、それに合った健康やスポーツに関するアドバイスが提示されます。
2.岐阜県立加茂農林高等学校森林科学科の3年生とともに、里山の林道をウォーキングコースとして整備します。地域の持続可能な発展に貢献しながら体を動かし、ウォーキングに関する知識も得られます。
3.参加者はウェアラブルバンドを装着し、歩数や心拍数など、健康に関する数値を確認しながらプログラムに参加します。これにより、効果の測定ができます。
4.美濃加茂市内の健康プログラム、自然や景観を楽しみながら仕事ができ、リフレッシュできます。
1日目、まずは中部国際医療センターのフィットネスジム「クラブM」で、参加者それぞれの健康状態や姿勢のチェックをしました。どんなことに気をつけて生活していけばいいか、丁寧なアドバイスをいただいたほか、計測された結果に応じてカスタマイズされたおすすめの運動を教えてもらいました。それぞれのスマートフォンでいつでも確認できるようになっているので、運動を継続したい気持ちを後押ししてくれます。みんなで軽く体を動かしたり、ストレス解消につながるエクササイズを教えていただいたりもしました。
▲それぞれの健康状態に合わせたアドバイスがもらえました
午後からは高校生と合流し、一緒にウォーキングコースの整備をしました。私たちが装着しているウェアラブルバンドを活かし、ウォーキングコースを実際に歩いた際の心拍数や歩数などの計測をしてみたり、高校生が作ってくれた木のベンチやイスを運んだりしました。自然の中で体を動かすことは気持ちがよく、高校生との交流を通してたくさん笑って元気をもらえましたし、同僚の新たな一面も見られて、距離が縮まりました。
▲みんなで沢をきれいにしています。川のせせらぎが聴こえるようになりました
その後はホテルに移動。仕事をする人もいれば、周囲を散策する人、部屋でゆっくりする人など、思い思いの時間を過ごしました。
2日目の午前中は、美濃加茂市のクアオルト健康ウォーキングに参加しました。ガイドの方に案内してもらいながら、それぞれに合った体の動かし方、歩き方を学びながら歩きました。1日目の「クラブM」での歩行アドバイスを思い出しながら歩く人もたくさんいました。美濃加茂の自然、歴史を感じながら、ときにはみんなで池に「ヤッホ!」と叫んだりしながら、笑顔がこぼれるウォーキングでした。
▲同僚と会話しながら自然の中を歩きました
その後は自由時間として、川を眺めながら仕事をしたり、美濃加茂市内の観光をしたり、この2日間でぐっと距離が縮まった同僚とおしゃべりして過ごすなど、みんな良い顔で過ごしていました。
参加者のアンケート結果から見える高い満足度
健康ワーケーションが無事に完了した後、参加者にアンケートを取りました。すべての人が「また参加したい」と回答し、とても満足度が高いことがわかりました。スポーツの実施に関しても、ワーケーション後のアンケートでは半数以上の参加者から「週1回以上、運動・スポーツを実施したい」という回答を得ました。
以下は参加者の意見(一部抜粋)です。
「ジムに興味があるが行けていない状態であり、クラブMでは、ジムの機器を使用することができてよかったです。 健康の話題を通して、ほかの方との交流ができてよかったです。」
「日ごろから体を動かしたり周りの方々とコミュニケーションを取ることがどれほど重要かを再認識できるいい機会になりました。」
「不定期ですが、最寄り駅よりも1駅歩くなど積極的にウォーキングの意識を持つようになりました。 健康とメンタル面でリフレッシュできるワーケーションは魅力的であり、誰もが興味を持ち、楽しめるプログラムだと思うので、継続出来ると良いと思います。」
▲体を動かしていると、自然とみんな笑顔になります
今後も地域の方々とさまざまな活動に取り組みたい
今年度初めて取り組んだ「健康ワーケーション」。参加者からは満足の声が多く、ウォーキングコースも12月にお披露目イベントを開催することができ、地域の方々とのつながりも深くなりました。
▲コースの整備をきっかけにたくさんの地域の方と交流できました
まだまだ改善点もあります。来年度は、他の健康プログラムも組み込んでみるなど、より良い取り組みになるように試行錯誤していきます。また、他の地域でもそれぞれの魅力や特色を活かしたワーケーションを展開していきたいと考えています。このような取り組みに一緒に取り組んでいただける自治体や企業の皆さまと、さらに共創の輪を広げていくことが目標です。
NEXCO中日本サービスは、これからも地域のため、よりよい未来のため、さまざまな地域に活動を広げてまいります。
活動の詳細、連携についてのお問い合わせについては、ぜひ地域共創プラットフォーム「みち×まちcolon's」をご覧ください。LINK:https://michi-machi.com/
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