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クラウドシフトの加速を目指し、パーソルホールディングスとパーソルテンプスタッフがともに取り組む「インフラCoE」

著者: パーソルホールディングス株式会社

パーソルグループは中期経営計画2026において、経営の方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を掲げています。

パーソルグループが「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指す上で、欠かせない取り組みであるクラウドシフト。グループ全体でのクラウドシフトを目指す中、グループ各社それぞれが異なる障壁を抱えています。


この障壁を乗り越えるため、2023年4月より新たに開始された「インフラCoE」プロジェクト。会社横断型のプロジェクトでクラウドシフトの加速を目指す、パーソルホールディングスの松田とパーソルテンプスタッフの本田に、インフラCoEの活動状況と今後の展望について聞きました。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。

「インフラCoE」概要

パーソルグループ中期経営計画2026において、テクノロジーが事業成長のエンジンに掲げられている。新たに組成したCoE組織*をハブにグループ全体の事業・サービスにおけるテクノロジー実装・活用を強化するという大方針のもと、クラウドシフトを加速させることを目的に立ち上がったプロジェクトを指す。


グループ各社へ波及するプロジェクトであることを前提に、第一弾をパーソルテンプスタッフにて開始。パーソルホールディングスのCoE組織がパーソルテンプスタッフのインフラプロジェクトに加わることで、クラウドシフトにおける意思決定をスピードアップし、障壁を打開することを目指している。


* CoE(Center of Excellence)組織:パーソルグループ全体のテクノロジー人材・組織の拡充とともに、事業・サービスでの実装・活用を強化するために組成された組織。2023年4月にパーソルホールディングス内に設置され、グループ各社の技術支援を実施している

クラウドシフトを加速するためのインフラCoEプロジェクト

―まず、インフラCoEプロジェクトの概要について教えてください。

松田:パーソルグループの中期経営計画2026において、テクノロジーが事業成長のエンジンとして掲げられています。


新たに組成したCoE組織をハブにグループ全体の事業・サービスにおけるテクノロジー実装・活用を強化するという大方針の中で、クラウドシフトを加速させることがこのプロジェクトの目的です。ホールディングスがこれまでに蓄積してきたインフラに関する知識や経験をグループ各社へ共有し、一緒にクラウドシフトに向けた協議を進めていくことを目的としています。


その第一弾として開始されたインフラCoEプロジェクトが、パーソルテンプスタッフとの取り組みです。ホールディングスのCoEチームがパーソルテンプスタッフのインフラプロジェクトに加わることで、意思決定をスピードアップしたり、障壁や課題を解決することを目指しています。

本田:インフラCoEプロジェクトは今後もほかのグループ各社へ波及する重要な活動です。第一弾としてプロジェクトの打診をされた際は、私たちにとってはもちろん、ほかのグループ各社にとっても意義のある活動にするために、良い影響や循環をつくり出そうという話になりましたね。

不足する分野の知見を互いに補い合う、グループを越えた中長期的な協力体制が必要だった

―インフラCoEがプロジェクト化した背景や、プロジェクト化以前にあった課題感をそれぞれの立場から教えてください。

松田:インフラCoEがプロジェクト化する前は、パーソルホールディングスがグループ共通機能となるインフラをグループ各社へ展開し、グループ各社は自社で利用するアプリの運用に特化してもらっていました。こういった背景から、パーソルホールディングスはインフラの知見を、グループ各社はアプリ関連の知見をそれぞれ持っている状況だったんです。


今後、サーバーがクラウド化すれば、そのインフラの一部はグループ各社で構築し、運用してもらう必要があります。将来的にそうなった際、今の状態ではお互いに知識・経験が不足していることが判明したんです。


本田:実際、基幹システムを含む数百台規模のサーバーのクラウド化にあたって、「インフラの一部はグループ各社で構築し、運用」という部分は、パーソルテンプスタッフの立場からは見えにくいという現状がありました。今後、「これってどうするんだっけ?」と都度確認するよりは、中長期的な目線でパーソルホールディングスとの協力体制が欠かせない、という課題認識がありましたね。

全体最適を念頭に、パーソルテンプスタッフの文化や事業計画にあったグランドルールを整備

―では、インフラCoEは実際にどのように活動されているのでしょうか。体制や活動内容を教えてください。

本田:「CoE」に該当するホールディングスのメンバーに、私が所属するパーソルテンプスタッフの2つの部署に兼務で入ってもらい、一緒に活動をしています。

パーソルテンプスタッフのインフラチームに、パーソルホールディングスのCoEメンバーに参画いただき、ともにパーソルテンプスタッフとしての最適解を検討する活動を進めています。


松田:パーソルホールディングス、パーソルテンプスタッフ双方が随時新サービス検討などを行っているため、両社の足並みを揃えながら、整合性を取ることも重要な役割となっています。

―2023年度は、どのような活動をしてきたのでしょうか?

松田:今のメイン業務は、パーソルテンプスタッフのクラウド化におけるグランドルールを整備することです。パーソルホールディングスでは、グループ共通のセキュリティやガバナンスにおいてはグループ共通ルールを策定し、グループ各社にはそれを守って運用してもらいます。


ただ、そのグループ共通ルールにも、ある程度柔軟性を持たせなければならない部分もあります。実際に運用段階に入った際に、ルールの捉え方によっては、混乱が起きる場合もあるからです。ですので、グループ共通ルールは遵守しつつ、パーソルテンプスタッフの文化や事業計画に合わせて、独自のクラウド化のグランドルールを整備する、という業務を担当しています。

―パーソルテンプスタッフのクラウド化におけるグランドルールを整備するうえで、具体的にはどのような業務があるのでしょうか?

松田:やはり、現状把握と洗い出しです。パーソルホールディングスから見える範囲では、グループ各社の困りごとについて理解が及んでいない箇所があり、私たちがグループ共通ルールを定めても「これってこういう解釈もできる」「私の会社ではこのように捉えている」のように認識の差が散りばめられています。それをつまびらかにし、パーソルテンプスタッフの皆さんと会話をしてどんどんクラウド化へ向けたルールを詰めていくのが今の仕事でしょうか。


本田:松田さんも同じ気持ちだと思いますが「パーソルテンプスタッフのクラウド化のグランドルール」といっても、自社だけに都合の良いルールを敷きたいわけではないんですね。自社だけに合うものを提案するのは簡単ですが、「グループの全体最適」を常に念頭に置いて活動しています。どうすればほかのグループ各社も含めて良い形になるのだろう、という難題に日々立ち向かっていますね。

組織レベルでのすり合わせが課題。丁寧に、頻繁に会話することで全体最適の実現を図る

―「難題」というお言葉がありましたが、インフラCoEプロジェクトの難しさはどこにありますか?

本田:「パーソルグループ全体の発展」という目的は、パーソルホールディングス・パーソルテンプスタッフ両社でもちろん同じです。ただ、そこへ向かうプロセスやステップは、同じパーソルグループであってもそれぞれ異なります。何が良くて、何が悪いという話ではなく、事業によっては何を重視するかの考え方が異なることがあるんです。それをどう料理して一つの方向へ着地できるか、というポイントに難しさを感じています。


松田:私も本田さんと同じ考えです。それぞれのカルチャーや思い、意志みたいな部分を本田さんと私を筆頭に汲み取って咀嚼(そしゃく)しなければなりません。それから合意形成へと持っていくのは、ハードルが高いと感じる部分ですね。

―組織レベルでのすり合わせが難しい、というお話ですよね。それに対してお2人が工夫しているポイントがあれば教えてください。

松田:とにかくマメに、頻繁にコミュニケーションをとることです。会議もあれば、本田さんとは会社をまたいで1on1ミーティングも設けています。そこで仕事の話やちょっとした相談ごと、悩みごとを話していますね。2人とも会議が多いので、なかなかゆっくり時間を取るのが難しいこともあります。そのため、かなり活発にチャットでのコミュニケーションも取っていますね。


お互いに持っている課題が非常に多いので、正直、1人で抱えていると疲弊したりモチベーションが下がったりすることもあります。心理的負担が個に寄らないように、2人の間でも、チーム間でも課題を共通化して、孤独感をなくして楽しくはたらく、ということは常々意識しています。


本田:あとは、何かを共有する時に必ず背景も一緒に伝えるのはお互いに心がけていると思います。文化の違いがあると、ちょっとした捉え方の違いで、その後のアクションが大きく変わることがあります。「こういう理由で、こういう結論になった」のような丁寧な伝え方をするようにしていますね。

インフラCoE「第一弾」を成功させ、パーソルグループ全体に好循環を

―インフラCoE活動が始まって1年が経とうとしていますが、すでに実感されているポジティブな影響があれば聞かせてください。

松田:少し漠然とした話になるかもしれませんが、お互いの目指す場所を明確に理解できるようになってきたと思っています。すぐ終えられるような仕事でも、認識の齟齬でかなり長期化した例も過去にあるので、その認識合わせが進んできたのは大事なポイントではないでしょうか。


本田:組織的に、パーソルテンプスタッフとパーソルホールディングスのインフラチームの密度が高まってきたのが良いことだと思います。「こういうことをテンプスタッフは気にしているんだ」という部分を理解してもらうことで、すぐに結果として表れなくても、この先ずっと一緒にやっていくにあたって、大きな土台が構築でき始めていると感じます。

―インフラCoE「第一弾」の活動中ですが、今後の展開や期待される役割を教えてください。

本田:インフラCoEという形で、せっかく私たちが一番手で取り組むことになったので、パーソルホールディングスと伴走しながらパーソルグループ全体の最適化につなげられれば良いなと思います。活動しながら文化交流し、現場としても新たな知見が得られたり、プロジェクトマネジメント能力が向上したりと、インフラの最適化というプロジェクトの成功を目指しつつも、メンバー育成につながることも期待しています。


松田:テクノロジー人材やテクノロジーの知識、ノウハウをパーソルグループ内に循環させて、全体で良いサイクルを回すことが私たちの仕事だと考えています。インフラCoEプロジェクトの最終的なアウトプットはもちろん、それが導き出されるまでのプロセスや動き方など、この活動自体をパーソルグループ内のさまざまな活動に適用できるような、活動自体の価値が高められるよう、今後も取り組んでいきたいですね。


※2024年2月時点の情報です。


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