「独身男性。子どももいないのになぜ?」広告代理店出身の私が、産後女性向けリカバリーを立ち上げた理由:株式会社CoNCa創業ストーリー
株式会社CoNCa(コンカ)は、2024年6月3日に創業しました。
「全員が活躍できるように、1人1人を支える」をミッションとして、事業を展開する当社では、産後女性の身体トラブルや体型改善をサポートする“産後リカバリーとボディメイク”のオンラインサービス「SOCO(ソコ)」を運営しています。
サービスの特徴は、産後リカバリーという領域の課題に対して、医学的観点とフィットネスの両面からアプローチした唯一無二のサービスであること、そして理学療法士や栄養士などが専属チームとなって、お悩みの改善をサポートしています。
今回は創業にあたり、代表取締役の伊藤博之(いとう・ひろし)にCoNCaの事業に込めた思いを聞きました。自身は子どものいない伊藤が、なぜCoNCaを創業するに至ったのか、これまでの経緯や開発秘話を交えて紹介します。
伊藤博之(いとう・ひろし)/CoNCa代表取締役
京都市出身。広告代理店の電通アドギアにてマーケティング戦略立案からプロモーション業務まで幅広く従事。その後GOB Incubation Partnersに参画。友人のうつ病がきっかけで、改善に運動が効果的であったことからフィットネス領域での事業を検証。検証を続ける中で、産前産後のサポートが手薄であることを知り、産後女性に向けた個別サポートでオンラインリカバリー・ボディメイクサービスを提供するSOCOを立ち上げる。2024年6月に株式会社CoNCaを創業。
産後女性のリカバリーとボディメイクをオンラインで専属サポート「SOCO」
妊娠、出産を経験すると、女性の身体は大きく変化します。
筋や靭帯が伸びたり、骨格や姿勢に左右差が発生するといったダメージは、一般的に1年ほど蓄積すると言われます。もちろんしっかり身体を休めることができれば、時間とともに回復していきますが、回復は簡単ではありません。出産後には育児の負担がのしかかるためです。
産後の身体ダメージが回復しきらないまま、育児動作の負担がかかると、腰痛や肩こりの原因となります。また、子どもの体重の増加に伴ってこれらの負担は徐々に増していきます。
出典:CoNCa作成
産後は、「妊娠以前のスタイルを取り戻したい」「ダイエットをしたい」と思う女性も多いでしょう。しかし、こうしたダメージがある状態で単に体重を落とすだけのダイエットをしてしまうと、筋力が低下しさらに負荷がかかってしまいます。
だからこそ、ダイエットや理想のボディメイクの前に、まずは「産後リカバリー」が重要なのです。
SOCOは、ダメージの回復や身体トラブルの改善だけでなくボディメイクまでを産後女性の希望に合わせて、完全オンラインで目標達成まで導きます。
産後領域で起業、原点はうつ病を患った友人
私が本格的に事業化を考え始めたのは2020年春のことです。そこからおよそ4年をかけて事業の検証を繰り返し、現在のサービスに着地しました。
SOCOを運営していると、よく「お子さんがいないのになぜこのサービスをやっているんですか」と言われます。実際、産後領域の課題を解決するために活動している人の多くは、自分自身や家族が課題の当事者である、というケースがほとんどです。私の周りもほとんどがそういった方々です。
しかし、私自身には子どもがいませんし、家族が産後に困ったという話を聞いたこともありません。
実は、SOCO立ち上げの原点は、うつ病を患った友人でした。
うつ病と向き合って浮かび上がったフィットネス事業で産後の女性を救いたい
京都で生まれた私は、テレビCMに興味を持ち、映像を学ぶために美術大学へ進学。新卒で京都の広告代理店に入社した後、東京の広告代理店「電通アドギア」に転職。以来13年間、さまざまな業界のマーケティング業務に携わってきました。
私がうつ病について深く向き合うことになったのは、10年ほど前のことです。幼少期からの友人がうつ病を患い亡くなったことがきっかけでした。そこからうつ病について調べていたところ、知り合いの医師から「うつ鬱の改善に効果があるホルモンは運動によって分泌を促す」という話を聞く機会がありました。
そこで初めて運動やフィットネス領域での事業立ち上げを漠然と考えるようになりました。本業と並行して事業化に向けた準備を進める中で、まず考えたのはサービスの対象顧客です。うつ病の改善という目的を考えたときに、どのような人がうつ病になる確率が高いのかを調べました。リサーチする中で「産後の女性」は約10%が産後鬱になるということを知り、また死因の1位が自死であったことは驚きを隠せませんでした。その背景には、十分な産後ケアを受けるには施設やサービスも不十分であることや、地域や経済状況が関係することも知り、現在のCoNCaの基礎になっています。
当事者ではないからこそフラットで客観的に声を聴き改良していける強み
SOCOはこうした経緯で立ち上がった事業なので、私自身は出産や育児の当事者ではありません。
当事者ではないため、課題を抱える人たちの気持ちを完全に理解することは難しいと思います。しかし、それは時としてサービスを進める上での強みにもなっています。あらゆる物事を客観的に見れるため、個人や業界の先入観、偏見、常識に縛られることなく、フラットに顧客や専門家の声を聞きながらサービス改良を進めることができています。
もちろん当事者ではないからこそ、誰よりも顧客と向き合うことは心がけてきました。これまで150名近い産後女性にインタビューをしましたが、その1つ1つがサービスを形作っています。
実際、2020年の構想開始から2023年9月のSOCOリリースまでには複数回の事業転換がありました。これらはすべて顧客と向き合い続け、その声をもとに改善を重ねてきた結果です。
体験から痛感した要因、外から見える幸せと同じ空間で感じる苦しさとのギャップ
産後に精神的な不安定さに悩まされる「産後うつ」が増加しています。
2022年4月からは育児・介護休業法が改正され、国としても産後のケアを手厚くしようと進めていますが、いまだサポートが追いついていないのが現状です。
私自身、SOCOを立ち上げる中で初めて産後うつの存在を知りましたが、当初はあまりうつに悩まされる要因が理解できていませんでした。ホルモンバランスの変化など体内の変化によるもの、という程度の認識だったのです。
しかし、顧客理解の一環として、ある家族の自宅にお邪魔したことを機に、認識が大きく変わりました。お母さんが赤ちゃんを育てている様子を同じ空間で体験させてもらったのですが、そのときに初めて、家の中で1日中赤ちゃんと一緒にいることの“苦しさ”を知ることができました。赤ちゃんがなぜ泣いているか分からない、会話もできない、眠っていたとしても「息しているかな」という不安、これだけではありません。そのような状況を知った時に、自分だったら耐えられないんじゃないか、と思わされました。
もちろん、赤ちゃんが産まれ育てているということは素晴らしいことで、とても幸せな状況であるという側面もあります。外から距離を置いて見てみれば、そこにあるのは確実に幸せな時間と空間です。しかしそうした外からの見られ方とギャップがあるからことも、苦しさや不安を表に出せず、うつ症状に悩まされてしまうのだと、感じました。
欧米では、産後のケアが発達しており、ベビーシッターなど育児を外部の人が支援する土壌が整っていますが、日本はまだ一般的とまでは言えません。そうした制度やカルチャーも、産後女性の負担の一因になっています。
専属チームが目標達成までフルサポート、徹底的な顧客ファースト
こうしたヒアリングや検証を経て、現在のSOCOが誕生しましたが、特徴は徹底した顧客ファーストです。
SOCOの最も大きな特徴は、専属チームが目標達成までをフルサポートすることです。
理学療法士や作業療法士らによる医学的観点からのサポートに加え、フィットネストレーナーや管理栄養士など各分野の専門スタッフが連携して理想の姿を目指します。LINEなどを通じた日々のコミュニケーションで、いつ、どれくらい、何をしたら良いかまでかなり細かくカリキュラムを組むため、ユーザーはそれをこなすだけでOKです。“思考ゼロ”で目標達成まで導ける体制を意識しています。
図:専属チームによるサポートのイメージ
実際、SOCOユーザーの中には、「運動が好きではない」「これまでジムや整骨院は続かなかった」という人が非常に多いです。
日々の細かな提案や密なコミュニケーションに加え、1週間、1ヶ月、3ヶ月、と短期間で着実に成果が目に見えることで多くのユーザーが継続的に利用をしています。
また、SOCOでは徹底的に顧客ファーストなサービス設計を心がけています。
SOCOは完全オンラインのサービスです。ユーザーには、毎日配信している運動プログラムに参加してもらうのですが、主な配信時間帯は赤ちゃんが寝静まった夜遅くを中心に午前中も配信しています。
通常のパーソナルサービスの場合、事業者側にとって都合の良い時間や曜日に合わせなくてはいけない場合も多いですが、SOCOではその必要はありません。仮にプログラムに参加できなくても、専属チームがユーザーに合わせてフォローするなど、徹底的にユーザー1人ずつに最適した体制を敷くことで、運動を継続できるのです。
産後だけでなく、産前も含めたシームレスなサポートを目指して
現在は産後女性を対象にサービスを展開していますが、「産前」へのアプローチも間もなく開始いたします。
SOCOのユーザーの中には高齢出産の経験者が多くいます。実際、社会的に見ても、出生数の現象と反比例して、高齢出産の数は右肩上がりに増えています。高齢出産の場合、多くは病院で「体力をつけてください」と言われるため、こうした人たちに対して産前の運動を提供できれば、産後のリカバリーまでよりシームレスなサポートが提供できると考えています。
また2024年1月には理学療法士や作業療法士向けの資格取得講座をスタートし、直近では企業向けに産後女性の復職プログラムの提供も予定しています。
産後女性を取り巻くステークホルダー全体へサービスを提供するとともに、ミッションの実現に向けて、引き続き進んでいきたいと思います。
(関連リンク)
株式会社CoNCa
コーポレートサイト:https://conca.jp
サービスサイト:https://soco-official.jp/
産後女性の身体トラブルや体型改善をサポートする“産後リカバリーとボディメイク”のオンラインサービス「SOCO」を運営しています。
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