子どもの眼の紫外線対策は『親子で楽しむ』。開発者の経験から生まれたキッズ用サングラスとは?
山本光学株式会社は2022年、子どもたちの成長を見まもるアイウェア製品・サービスの創成をテーマとした『SWANSキッズ・ジュニアプロジェクト』を始めました。
同プロジェクト第一弾として応援購入サービスMAKUAKE(マクアケ)で販売を行ったキッズ用サングラス『solasido(ソラシド)』は目標金額の約250%を達成し、7月からは一般販売も開始されます。
国産スポーツアイウェアブランドとしてマラソン、ゴルフ、スキー、競泳といった各種スポーツのトップアスリートを長きにわたって支えてきたSWANSがなぜ今『キッズ・ジュニア』なのか?本取り組みの裏側について、発起人であり開発リーダーを務めた商品企画部クリエイティブセンターに所属する飯田装子に話を聞いてみました。
◆紫外線対策は親が子に強制するものではない
子どもの紫外線対策については日本でも意識が高まってきていると言われています。ある調査によれば、10歳以下の子どもをもつ母親の5人に4人が子どもに日焼け止めを使用しているという結果もあります。しかしサングラスに関してはまだまだ子どもが着用している姿を見ることは少ないのが現状です。
自身も3人の子どもの子育てと仕事を両立している飯田は、自身の子どもにも外で遊ぶ際にサングラスを着用させたいという思いがあったそうです。しかしSWANSのラインナップはアスリートが使用するスポーツグラスばかりで子ども用は展開が無いため、仕方なく他社の物を探したと言います。
飯田
「WEBで“子ども用サングラス”を検索すると、出てくるのはおもちゃのようなかわいい見た目の物が多いです。価格も安く、半ば使い捨て感覚。確かにすぐに壊すかもしれない子どもに高価なものはどうだろうと思い購入し、自分の子どもにかけさせてみました。」
しかしすぐに外してしまい、以後着用するのを嫌がってしまったそうです。
飯田
「なぜ?と聞いてみると、『遊んでいるときにズレてくるのが嫌だから外した』という答えが返ってきました。さらにかわいらしい見た目は子どもにも「おもちゃ」として認識されてしまったようで、遊び道具の一つとしてあっという間に壊れて捨てざるをえなくなってしまいました。親としての思いと子どもの受け止めに差があったということですね。」
飯田
「その時に感じたのは『眼の紫外線対策』は親が子どもに強制しても続かないということです。親子で楽しめるものであれば自然と生活の中でサングラスが当たり前になり、子どもも愛着を持って長く大切に使ってくれるはずです。」
この”気づき”が『SWANSキッズ・ジュニアプロジェクト』のコンセプトである「子どもたちの成長を見まもるアイウェア製品・サービスの創成」へとつながりました。また石油を原料としたプラスチック製品の環境問題の点からも「使い捨て」でない品質やサービスの提案はアイウェアメーカーとして重要なことです。
◆親子で楽しむアイウェアを目指した製品開発
キッズ用サングラス「solasido」は飯田を開発リーダーに、社内の「子育て世代」社員が、部署の垣根を越えてチームで参加。開発はまず子どもが嫌がってしまった「ズレ」の原因究明から始まりました。
社員の子どもを中心に年齢・性別ごとに顔の3Dスキャンデータを収集し全体のサイズ感を把握していくと、大人との顔形状比較で「鼻」に大きく違いがあることが判明。成長過程の子どもは顔が平たく、鼻は高くないため、大人用のサングラスと同じ鼻部分のパーツでは、顔に接する面積が少なくズレの原因となっていたのです。
solasidoは鼻全体を覆うラバー素材の鼻パッドを採用することで、子どもの様々な鼻形状にもしっかりとフィットし、ズレを防いでいます。鼻パーツには金属を使用しないことで、万一衝撃を受けた際の安全にも配慮。フレーム・レンズはSWANSのスポーツサングラスと同じ素材が使われ、子どもが多少手荒に扱っても破損やケガのリスクを軽減しています。
飯田
「製品には開発チームの経験や想いが随所に反映されています。自分自身が子育てをしているからこそ出てきたアイデアばかりです。」
レンズカラーは親子で眼でのコミュニケーションがとりやすいようにしたいという配慮から、着用時に外から眼が見える明るさが採用されています。持ち歩きしやすい大きさ・素材のケースや、首にかけるストラップは紛失を防ぐためです。安全も考慮され、ストラップは何かに引っかかった際に一定以上の力が加わると、パーツが外れる設計となっています。『親子で楽しんで欲しい』という思いから、大人用サングラス「Df.Pathway(ディーエフ・パスウェイ)」とセットでの販売もチームミーティングで出たアイデアでした。
構想から約2年の開発期間を経て、キッズ用サングラス『solasido』は完成しました。
飯田
「うれしかったのは、社内で自分や友人の子どもにプレゼントしたいという子育て世代の社員の声を多く寄せていただいたことです。思いが社内に伝わったことを実感できました。これからはアウトドアを楽しむ子育て世代へ『親子でアイウェアを楽しむこと』を伝えていきたいですね。」
開発プロジェクトはさらなる効果を社内にもたらしたと言います。
飯田
「チーム発足時には普段の業務ではかかわりの薄い方もいらっしゃいましたが、子育てという共通の環境が社内で新たなコミュニケーションを生みました。きっかけは製品開発でしたが、育休や在宅勤務などの福利厚生制度の利用・活用についても話し合う機会になっったのです。」
開発メンバーの産休・育休取得はもちろん、在宅勤務制度の充実や休業期間中に部署内で仕事をシェアする意識の向上など、子どものためにモノづくりを行うことが、会社全体の子育て支援に対する意識を高めたといえます。
◆製品開発だけでは実現できない目的達成のために
「子どもの頃からアイウェアに親しんでいただくことで、生涯にわたって眼の健康を維持しながら、アクティビティを楽しんでいただきたい」という思いを実現することが 『SWANSジュニア・キッズプロジェクト』の意義です。
山本光学にも「子どもが屋外の部活動で眼を真っ赤にしている。なんとかできないものか?」といった親からの相談が寄せられることも多く、キッズ・ジュニアが屋外活動中にアイウェアを着用することは、まだまだ広く受け入れられていないのが実情です。アイウェアを親子で楽しみ、親しむ環境をつくることができれば、様々な現場で意識は変わるはずです。メーカーとして最適な製品を開発することはもちろん、サービスや啓蒙と合わせて、環境をお客様と一緒に作っていくことが求められています。山本光学はこれからも社是である『Comfortable Safety(快適な安全)』の実現を目指していきます。
◆プレスリリース
お問い合わせ先一覧
■一般のお客様
山本光学(株) スワンズ・カスタマーサービスセンター TEL 06-6783-7818
■報道関係者の方
山本光学(株) スポーツ事業部マーケティング部 TEL 06-6783-3136
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