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90歳まで看護師として働きたい!重症心身障がい児の看護一筋の看護師が、ダブルワークで新たに得たものとは?

著者: 株式会社Medi Blanca


専門知識を持った看護師による小児専門のケアリングサービス「ソイナース」。訪問看護や在宅レスパイト、医療的ケア児の送迎支援など幅広いサポートを行っています。


多彩なキャリアを有した看護師さんが集まっていることも、ソイナースの特徴の一つ。2024年1月からソイナースで勤務する田渕知美さんもその一人です。重症心身障がい児支援施設で36年の勤務経験を持ち、現在はソイナースとダブルワークをしています。


今回は、ソイナースの考えに共感し、登録を決意した田渕さんにお話を伺いました。


高校時代のボランティア経験から、重症心身障がい児に携わる看護師を志す


田渕知美さん

重症心身障がい児に携わりたいとの想いから、看護学校卒業後から重心病棟で勤務。出産を機に、民間の産婦人科で勤務を経験するものの、再度重症心身がい児支援施設での勤務を始め、現在はソイナースと兼務している。


――はじめに、田渕さんが看護師になったきっかけについて教えてください。


田渕さん:幼い頃から、障がいを持った子どもたちに携わりたいという思いがありました。高校3年の夏休みに、3泊4日で重心施設での体験ボランティアに行ったんです。そこで看護師さんの働きぶりを見て、感銘を受けました。手に職がつくし、障がいを持つ子どもたちがいる施設で働けるかなと思い、看護師の道に進みました。看護師歴は36年です。看護師生活のほとんどが重心に携わっていますね。


――現在の勤務状況と、ソイナースに登録をしたきっかけについて教えてください。


田渕さん:今は、重症心身障がい児施設とソイナースでダブルワークをしています。ソイナースに登録をしたのは、昔と比べ住宅支援や訪問看護が増えてきたこともあり、興味を持っていたからです。Instagramでソイナースのことを知ったのですが、隙間時間に働けることと、頑張っただけ評価をしてもらえる環境も良いなと思い応募をしました。何より、医療的ケア児中心の訪問看護だったことが大きいですね。

重心施設で人間関係の壁にぶつかりながらも、子どもたちが心の支えに



――重症心身障がい児施設では、どのような働き方をされてきましたか?


田渕さん:以前の勤務先では8時に出勤し、朝ご飯の介助と朝の処置として浣腸やオムツ交換を行います。午前と午後に入浴か、支援員さんが立てた療育計画に沿って、ボール遊びなどのレクリエーションやお散歩など、療育活動をします。夜勤の場合は、21:30から翌9:00までで、深夜の交代もありました。現在の勤務先は当直性で、看護師2名と介護士1名の3名体制で、16:00から翌9時までの勤務です。


――重症心身障がい児施設で勤務する中で、田渕さんが大変だと感じる部分はどこですか?


田渕さん:どの勤務先でも、人間関係の難しさは感じますね。私の場合、人見知りということもあり、看護に真っ直ぐになるあまり「怖い」と言われることもありました。看護は命に関わる仕事です。そのため、アクシデントがあると必死にカバーしなければならず、少し怖がられることもあったかなと思います。自身が子育てをしていくと、学校や部活のコミュニティなどもあるため「人見知りしている場合じゃない」と思い、少しずつ克服してきました。もちろん当時から「田渕さんが言うことには愛があるよ」とフォローしてくれる人もいましたし、利用者さんにも助けていただきましたね。


――田渕さんがいつも心がけていることはありますか?


田渕さん:今はスタッフと話をする時には、ひと呼吸おいて「言い方は大丈夫かな?」と考え、なるべくみんなが気持ちよく働ける環境づくりを心がけています。あとは、出勤時は必ず、全利用者さんに挨拶をするようにしていますね。最初に受け持った子のお母さんとは、今でも繋がっていて、連絡を取り合っています。その子は亡くなってしまいましたが、最後に3人で会えたのが私の宝物です。これまでの勤務で繋がったスタッフは職種を問わず、今でも情報交換をして、助けていただいています。ご縁を大切にしていますね。



――これまでの勤務の中で、記憶に残っているエピソードはありますか?


田渕さん:退職の時、言葉を発せない子が涙をポロポロ流してくれました。私より年上の利用者さんも「死んだら骨を拾ってね」とコミュニケーションボードで話をしてくれたことは忘れられません。あと、別の患者さんですが、一度、歌を作ってもらったことがあるんです。その方はいつも、大好きな師長さんやスタッフに、ばらの花やコスモスをイメージした愛の歌を作っていたんですが、私の歌は13曲目で、なぜか「怪獣」でした(笑)。でも、歌を聴いてみると、私に対する応援歌だったんです。その方はその後亡くなってしまい、お通夜に参列した際、私が手を合わせるタイミングで、その歌が流れてきました。ご家族からは、「あの子は自分たちが応援される側でしたが、子どもが人を応援できるように育っていたことが何より嬉しくて。職員さんには感謝しています」と言っていただいたことは忘れられません。心の本質までも見てくれていたんだなと思って、今も辛くなったらその歌が私を助けてくれます。


――大変なこともたくさんあると思いますが、それらをどのように乗り越えていますか?


田渕さん:とにかく利用者さんがかわいくて、心の支えになっていますね。小さい時から看ている子が成長していく過程で、親心のようなものが芽生えてきます。自分の看護が、そのまま利用者さんの表情や体調に返ってくるんです。関わって嫌な人は拒否、嬉しかったら受け入れるという素直な子たちですからね。だから、自分の看護の評価は上司からではなく、利用者さんがしてくれるものだと考えています。時には辛いと感じることもありますが、「この子たちに求めてもらえればそれで良い」と思っています。安心安全、安楽な日常を送ってもらうことが私の看護におけるモットーです。親御さんたちから「田渕さんが来たらこの子はすごく笑顔になるんです」と言っていただけたから、今まで頑張れました。

施設勤務では難しい、ソイナースだからこその〝家族との繋がり〟



――ソイナースではいつ勤務をしていますか?また、1度の勤務で何軒担当しているのでしょう?


田渕さん:私の場合、施設の夜勤明けと休みの日にソイナースで勤務しています。1軒1〜2時間ほど、多い時は1日で3軒担当することもあります。私は常に動いていないとダメな性格で、家にいると暇で仕方なかったんです。ソイナースで働き始めてからは、ジムもやめるくらい充実しています(笑)。ソイナースはやりがいに溢れていて、むしろ趣味のような感じかもしれません。楽しんでできていますし、癒しをもらっている気がしますね。


――ソイナースでの勤務で田渕さんが良いと思っているポイントについて教えてください。


田渕さん:施設だとルールによってできないこともありますが、ソイナースでは直接親御さんから希望を聞けて、それに沿ったアドバイスができる点ですね。幅広い選択肢のもとで看護ができるし、そのままの反応がもらえるので、よりお子さんやご家族と繋がれる感覚があります。帰りがけに「まだいてー」と抱っこをせがんで玄関まできてくれる子もいて、心が安らぎますね。親御さんからも「田渕さんが来てくれてよかったです、またきて欲しい」と言っていただけると嬉しいですし、相談されると「心を開いてくださっているんだな」と実感できます。


――ソイナースに共感している部分や、勤務してみて得られた学びはありましたか?


田渕さん:施設は入所したら看護師は家族との繋がりも減ってしまいます。訪問看護に興味を持った理由は、看護師が家族の繋がりを、もっとサポートできるかもしれないと思ったからです。また、施設内では利用者さんはなかなか外に出られません。子どもたちが外出できるサービスがあったらいいなと思っていたんです。ソイナースは、その両方を実現していますし、直接ご家族からのご要望も聞けます。その子だけに関わりが持てることも大きな魅力ですね。自分で看護をされている親御さんたちの大変さを実感できたことが、大きな気付きです。それを知ることで、看護に活かせることが増えたと感じています。

90歳になるまで看護師として働きたい!ポジティブに仕事を楽しむためのコツは?



――何歳まで看護師のお仕事を続けたいですか?また、どのような働き方が理想でしょうか?


田渕さん:私は、90歳になっても看護師として働きたいと思っています。そう考えると、自分の裁量で勤務日や時間を決められる働き方が理想ですね。その点、ソイナースなら余裕を持って働くことができそうだなと思っています。


――最後に、田渕さんのように仕事に対してポジティブにやりがいを感じながら働くためのコツを教えてください。


田渕さん:「仕事だけ」と一点集中にならず、子育てや趣味など、自分が興味のあることを分散させることが重要だと思っています。私自身、今「推し活」にハマっています(笑)。そうすることで、仕事でちょっと嫌なことがあっても逃げる場所ができると思うんです。逃げ道を作っておくことは、決して悪いことではありません。そこから新しいことが見えてくることもありますしね。どんな人にでも、アンチはいるものです。そんな人と出会った時には、自分をわかってくれる仲間に頼ります。そうすることで、「自分は一人じゃない」と思えるはずです。また、ここまでやりたい仕事を続けてこれた1番の要は、4人の息子が支えて学ばせてくれたからだと思います。沢山我慢してくれて感謝しています。





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