寝室ブランドEMOORは、なぜ南青山に「売らないショールーム」を出すのか?
EMOOR(エムール)は、2006年に東京多摩地域で創業した寝室ブランドです。創業以来、企画から販売まで一貫して手掛けることで生み出した質実剛健なプロダクトを、ECを通してお買い求め易い価格で提供するスタイルで、日本・アメリカ・カナダ・ドイツ・フランスなど世界中のお客様にご愛用いただいております。
ECという効率性の高いビジネスで成長してきたEMOOR(エムール)が、なぜ南青山の一等地に「売らないショールーム」を出すのか?
このストーリーでは、EC発の寝室ブランドのビジネスモデル上の狙いと、戦略にかけた想いを当事者の目線でお伝えいたします。
知名度以外は全部あるね
EMOOR(エムール)は創業以来、Eコマースで自社ブランド商品を販売してきました。創業から17年連続で毎年成長を重ね、無借金経営を続けていることで、早稲田大学でビジネスモデルデザインの授業を複数年に渡ってお任せいただいたり、多摩地域で経営部門の最優秀賞(第19回多摩ブルー・グリーン賞(経営部門))をいただいたりと、順調に成長を続けております。
社会貢献活動にも積極的に取り組み、社会から必要とされるブランドを目指してきました。
そんな中、しばしば皆様からいただく言葉が「エムールさんは知名度以外は全部あるね」でした。
正直、最初は売りたかった
そんな周囲の声から、自社のビジネスモデルを改めて徹底的に分析、多くのユーザーインタビューを重ねた結果、ECというビジネスモデルが唯一提供できない「体験価値」に注目しました。
本社のある東京都立川市にショールームをオープンさせることを決定したのは、今から3年前でした。正直に申し上げると、ショールームには当然ながら固定費や運用コストが発生するため、ECの効率性には及ばないものの、それなりの売上を見込みたいと考えていました。
しかしながら、私たちはものづくりとECは得意でも、接客経験や店舗運営経験はお世辞にも高いとは言えず、むしろ苦手であることを自覚していました。立川ショールームのオープン前、社内メンバーで行ったシュミレーションの結果、この自覚は間違っていなかったことを再確認しました。
売り込み・営業を禁止
私たちEMOOR(エムール)は、立川につくったショールームを「エムール体験ショールーム」と名付けました。売り込みや営業活動を一切禁止し、完全予約制で1時間に1組だけ、平日の午後に3枠のみという、効率性からは程遠い仕組みで運用開始しました。
「寝る・座るの体験価値」の最大化に特化した「エムール体験ショールーム」は2022年4月に運営を開始しました。
▼当時のプレスリリース
体験の言語化をお手伝いする
「エムール体験ショールーム」では、人間工学や睡眠学に基づいて快適な『寝る』と『座る』の体験を提供しています。寝る・座るはどちらも姿勢は異なるものの、同じ休息行動です。行動を制限しない適切な人体系家具(マットレス/まくら/椅子等)を選ぶことが重要です。ご年代やライフスタイルによって、寝る・座る、どちらを重要視するか変わります。
寝る
・ベッドマットレスの触感と折りたたむことができる敷き布団の特徴を引き継いだ三つ折りマットレス
・形状、素材や触感が異なる10種類以上のまくら
・空間の有効活用ができる折りたたみベッドや畳ベッド
座る
・立ち座りをサポートする高座椅子(一人掛けリクライニングチェア)
体験の流れ
ご予約いただいたお客様が来場されると、専門知識をもったスタッフが丁寧にふだんの『寝る』・『座る』のご状況をお伺いします。寝具や椅子は人生の中で購買頻度が限られることからか、選び方や比べ方をご存知でない方が多い印象です。
私たちは過去の研究論文や、自社の研究機関で明らかになっている専門知識をもとに、お客様の「体験の言語化」をお手伝いしています。
来場者満足度98.2%
立川ショールーム開始から2年が経ち、来場いただいたお客様も数百名を越えました。ほとんどのお客様は口コミや、インターネットから検索をされてご来場されています。CMなど大規模な広告は行っていません。
来場頂いたお客様には、毎回お帰り頂く際にご評価をお願いしています。現在の来場者満足度は98.2%(2024年5月31日時点、自社調査)と、来場いただいた方のほとんどから満点をつけていただきます。
また、お客様のリアルな体験を知ることで、特徴的な新商品の開発プロジェクトが続々とスタートしました。お身体の状態や生活スタイルから、お客様が欲しかった椅子やマットレスが新たに企画開発され、体験ショールームに並ぶ、そんな循環があります。
売らないと決め、「寝る・座るの体験価値」の最大化に特化した「エムール体験ショールーム」に、私たちは大きな可能性を感じました。
”意味のある知名度”を上げる
冒頭に触れたとおり、私たちはしばしば知名度が足りないとご指摘いただきます。しかしながら、私たちは”意味のある知名度”にこだわりたいと考えております。
現代の暮らしに必要なものをつくり、その機能性を実感いただき、体験の言語化をお手伝いする、愚直ですが、本質的な活動を通して「寝る・座るで悩んだらEMOOR(エムール)」という”意味のある知名度”を獲得する目的を持ち、エムール体験ショールームの拡大に踏み切りました。
満を持して、南青山に新規オープン
2024年6月、港区南青山の外苑西通り沿いに「エムール体験ショールーム青山」をオープンします。コンセプトは変えず、寝る・座るの体験価値の最大化に特化した、売らない体験ショールームです。名だたるインテリアブランドやマットレスブランドのショールームやフラッグシップ店舗が軒を連ねる中、お客様には私たちはどう映るだろうか、ワクワクしています。
ショールームの詳細はこちら
https://emoor.world/jp/showroom/
一つ言えることは、私たちのように「寝る・座る」という生活行動に特化し、お客様のペインやディマンドに徹底的に寄り添い、そして「売らない」というブランドは、きっと無いだろうということです。
▼青山ショールームのプレスリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000051129.html
ブランドに求められる社会的な意義
私たちEMOORは、ブランドとして皆様に認められたいという想いで創業した企業です。高齢化先進国において、要介護人口以上に潜在的な問題となっているのがフレイル人口(※)です。
私たちEMOORは、ライフスタイルや身体に合った休息活動をサポートする人体系家具(直接身体を支持する家具)を開発し、発信することで、自分に合った環境をつくることで、こんなにも気持ちよく眠れる・休める・立てる!ということを、一人でも多くの方に知っていただき、体験いただきたいと考えております。
実際に、ショールームにお越しになる年代は、50代~80代のお客様が最も多く、90代のお客様もいらっしゃいます。エムール体験ショールームには、このような社会的な意義を果たす役割もあると考えております。
※フレイルとは
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。 年齢を重ねていくと、心身や社会性などの面でダメージを受けたときに回復できる力が低下し、これによって健康に過ごせていた状態から、生活を送るために支援を受けなければならない要介護状態に変化していきます。
出典:厚生労働省「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ」
新しい小売のカタチ
デジタル化が加速する中で、実店舗からECへの転換や融合は多くの企業がその取り組みに力を入れています。一方で、インテリアブランドのメッカである青山エリアで探し回りましたが、EC発のインテリアブランドが体験価値を提供しようとするお取り組みは見つけられませんでした。効率性の高いEC事業を行っている企業からすると、私たちの取り組みは理解しづらいものかもしれません。
皆様には、実際に空間にお越し頂き、小売店舗や既存のインテリアショールームとの違いを体感いただきたいと考えております。「寝る・座る」が変わることによる驚きと感動をお届けいたします。私たちの挑戦の行く末をぜひご覧ください。
ショールームの概要
青山ショールームでは、メディア様向けに先行体験会をご用意しております。詳細はプレスリリースをご覧ください。
プレスリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000051129.html
AOYAMA - 青山 2024年6月OPEN
東京メトロ銀座線外苑前駅からほど近く、外苑西通り沿いに佇む、完全予約制のプライベートショールームです。専門スタッフがマットレス・ベッド・高座椅子(リクライニングチェア)の体験をお手伝いいたします。平日のお仕事帰り、休日にご家族皆様でご来場いただけるよう、【立川ショールーム】よりも幅広い時間帯で予約を受け付けております。
住所:東京都港区青山3-3-3 リビエラ南青山 A館1階
TACHIKAWA - 立川
入った瞬間からずっと心地良い。茶室からインスピレーションを受けた至福の寝室空間です。国立公園のほど近くにある空間で、ゆったり、そして静かに全身の休息を体験いただくことができます。
住所:東京都立川市曙町1-25-12 オリンピック曙町ビル7階
株式会社エムールについて
EMOOR(エムール)は、人間工学・睡眠学・日本の住文化に基づいたモノづくりで、人間の3つの行動を快適にする、東京発の寝室インテリアブランドです。
・コーポレートサイト
・ブランドサイト
・公式オンラインショップ
・運営メディア「日本の寝室と寝具」
研究/学会発表実績
- 日本睡眠学会第44回定期学術集会(2019年)
- 日本睡眠学会第46回定期学術集会(2021年)
- 日本睡眠学会第47回定期学術集会(2022年)
- 日本睡眠学会第48回定期学術集会(2023年)
- 睡眠環境学会第32回学術大会 奨励賞受賞(2023年)
社会貢献活動
- 東京ヴェルディ/コーポレートパートナー・センサリールームの設置
- 日テレ・東京ヴェルディベレーザ/睡眠・寝具サポーター
- 日テレ・東京ヴェルディメニーナ、セリアス/育成パートナー
- 劇団四季「こころの劇場」/東京都公演パートナー
- 講演/産学連携実施大学
京都大学、多摩大学、東京大学、中央大学、東海大学
東京外国語大学、電気通信大学、富山大学、早稲田大学 ※順不同
- 社会福祉法人至誠学舎立川への寝具家具の寄贈(2019年~)
- 社会福祉法人多摩市社会福祉協議会への寄贈(2019年~)
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