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データを活用して“採用のものさし”を提供する―「HR forecaster」の魅力と開発にかける思い

著者: パーソルホールディングス株式会社

パーソルグループは、中期経営計画2026において、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」を目指すための事業成長のエンジンに「テクノロジー」を掲げています。中でも「コア事業の価値向上」は重要指標となっており、コア事業におけるマッチング高度化やパーソナライズを通じて、さらなる「はたらく機会の創出」や「多様なはたらき方の提供」を行うことが求められています。


パーソルキャリアのコア事業である転職サービス「doda」は、これまで200万件以上に及ぶマーケットデータを蓄積してきました。このデータを活用し、採用成功度の向上や採用期間の短縮化を実現すべく2021年11月にリリースされたのが、求人要件作成支援サービス「HR forecaster」です。


これまで多様な業種や企業規模、エリアにおいて利用企業を拡大してきた同サービスの魅力と開発組織のあり方について、サービスオーナーの石川とエンジニア組織でマネジャーを務める西澤に話を聞きました。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。

データを活用し、“採用のものさし”をご提供する

―まずは「HR forecaster」のサービス概要から教えてください。

石川:「HR forecaster」は、パーソルキャリアが提供する転職サービス「doda」に蓄積された200万件以上のデータを活用して、転職マーケットに即した求人要件の作成を支援するサービスです。


主なユーザーは①各企業さまの人事担当者と②パーソルキャリア内の営業などの社員に提供しています。そして①導入企業さまが自身で利用することでの採用成功を後押しする 、②「HR forecaster」を活用して営業が企業さまにより良いご提案を行い、採用成功に導く という二つの軸で価値をお届けしています。


2021年11月に提供を開始して現在は約3,000社のお客さまにご利用いただき、またパーソルキャリア内では経験者採用を支援する全ての事業部・約2,500名の社員がこのサービスを活用しています。(いずれも2024年5月時点)

―どのような背景からこのサービスが誕生したのですか?

石川: 経験者採用市場においては、「求める人材はどのくらいいるのか」「このような人材の年収はどのくらいか」といった相場が分かりづらいことがかねてからの課題になっていました。その結果として、採用の要件や求人内容がマーケットと乖離したものになってしまったり、採用がうまくいかない際に明確な根拠を持って要件や求人を修正できなかったりしていたのです。「HR forecaster」はこうした課題を解決するべく、データを活用して“採用のものさし” をご提供したいという考えからスタートしています。

西澤:技術的な進歩によって蓄積した大量のデータを分析できるようになったことが、積年の課題にアプローチする大きな後押しのひとつになったのかなと思います。

―具体的にどのような形でデータを活用されているのでしょうか。

石川:「HR forecaster」には、パーソルキャリアの基幹システムに蓄積された200万件以上の転職希望者データと求人データを、分析基盤を介して取り込んでいます。このデータの中から「HR forecaster」上でインプットされた採用要件やエリアに該当するものをヒットさせ、たとえば平均値を算出するなど適切な形にして利用企業さまへご提供しています。


パーソルキャリアのサービスが拡大するほど活用できるデータが増え、そこから導かれるデータの精度が高まっていくと見込まれるほか、膨大なデータをより素早く処理できるよう、ロジックのチューニングなどにも継続して取り組んできました。詳細かつ豊富なデータをもとにした的確な示唆をスピーディにご提供できるサービスとして、他にはない価値をご提供していきたいと思っています。

―「HR forecaster」の特徴的な機能について教えてください。

石川:主要な機能としては、募集ポジションの採用成功度を可視化できる「ターゲット設定機能」、魅力的な求人票を作成するための質の高いヒアリングをサポートする「ヒアリングノート機能」、採用市場の動向を捉えられる「トレンドキャプチャー機能」の3つが挙げられます。


●  ターゲット設定機能

平均年収や競合が提示している年収、候補者数などの診断データをもとに、採用成功度を可視化します。診断結果をふまえて採用の要件を変更いただくことで、より競合優位性が高く、採用成功に繋がりやすい求人を作成できます。

●  ヒアリングノート機能

「doda」のナレッジをもとにした、職種ごとに最適化されたヒアリングフォーマットをご提供します。専門的な知識がなくても転職希望者の方が求める情報を引き出すヒアリングが可能になり、職務内容の充実した魅力的な求人を作成できます。

●  トレンドキャプチャー機能

転職求人倍率や年収の変化をはじめとした採用市場の動向を可視化します。全国的な状況だけでなく、エリアや職種ごとの具体的な状況を定期的に確認いただくことで、より適切な求人の作成や採用時期の検討が可能になります。

将来を考え、スピードのために品質を犠牲にしない開発を

―どのようにサービス開発を進めてこられたのでしょうか。

石川:企画メンバーが企画を持ち込み、デザイナーがユーザーの使いやすさを考えて体験設計に落とし込み、エンジニアがそれを形にするという、三位一体で開発を進めています。


西澤:「あるべき姿を実現するためにこういう機能を作ろう」と具体的な形で来た企画を実現していくこともあれば、ざっくりと「こんなことがやりたい」というアイデアを受け取って、どのようなソリューションを当てるべきかを一緒に考えていくこともありますね。

―考えを形にする部分を担う内製開発組織の体制について、詳しく教えてください。

西澤:私が管轄しているのがフロントエンドで、バックエンドは異なる部署の皆さんに参画してもらっています。フロントエンドは、ターゲット設定・ヒアリングノート・トレンドキャプチャーの各機能でチームが分かれており、それぞれが柔軟さや迅速さを特徴とする、アジャイル開発手法のひとつであるスクラム開発を取り入れています。スクラム開発のフレームワークに則り、少人数のチームに分かれ、チーム同士が協力することにより短期間での開発を実現しています。

―内製開発組織に根付く価値観やカルチャーはありますか?

西澤:組織が急拡大している時期で明確なカルチャーはまだできあがっておらず、また遊びがなくなってしまわないよう型にはめすぎないことも大切だなとは思いますが、組織として筋を通すという意味で意識していることは大きく2つあります。


まずは、顧客志向であること。

組織が拡大して担当領域の縦割り化が進んでも意識や興味関心を内に閉じず、「顧客のどのような課題を解決するためにHR forecasterが必要なのか」を考えて自ら役割を広げていくことが大切なのではないかと考えています。私たちエンジニアはユーザーとなる利用企業さまと直接的に関わる機会が少ない立場だからこそ、特に意識したい点です。


もう1つは、品質を犠牲にした機能開発をしないこと。言い換えれば、品質とスピードがトレードオフの状態にならないような体制で進めることは常に意識しています。


スクラム開発においては2週間という短期間でのアウトプットが求められますが、スピードのために品質を犠牲にすると、結果として中長期的な開発において技術負債が足を引っ張ることになりかねません。たとえば、1カ月間スピードだけを考えて機能開発したとして、その間に蓄積した技術負債は1ヶ月で返済できるわけではありませんから。ただ、プロダクト維持のためには機能開発を優先するシーンはあるので、品質を担保して開発を続けるために、テストの自動化や静的・動的なレビューチェックなどのQA体制の構築に取り組んでいます。

誰でも経験者採用を成功させられる、オープンなプラットフォームを目指して

―サービス開発において、現時点で見えている課題と今後の展望を教えてください。

西澤:「HR forecaster」はパーソルキャリアの新規サービスとして生まれ、利用企業さまの課題にプロダクトが刺さり、また市場的な運にも恵まれて順調に成長することができています。


今後さらに導入社数が増え、また社内での利用も活発化していくと、より重要になるのが品質です。機能のリリースと併せて、「各機能がいつも通りしっかりと動く」ことをもう一段高い確度で保証できるように取り組んでいく必要があると考えています。


また、技術面のトレンドを捉え、古い技術を使い続けず常に新しいものを取り入れていくことも意識したいところです。

―より長期的な視点で、将来的に「HR forecaster」をどんなサービスにしていきたいですか?

石川:幅広い企業さまと、「doda」に限らずあらゆる転職サービスで活用される “誰でも経験者採用を成功させられるオープンなプラットフォーム” として、“採用のものさし”をご提供していければと思っています。

―その過程で、パーソルグループの中でどのような役割を担っていきたいと思われますか?

石川:グループだけでなく市場や世の中全体に目を向け、マーケットバリューを発揮できるよう取り組んでいく必要があると自覚しています。私たちが明確によいプロダクトをつくり、このデータ活用の効果を目で見て実感できる形にしていくことが、グループとして新たなテクノロジーやデータを活用する後押しになれば嬉しいです。

※2024年5月時点の情報です。


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