富士電機の「製造業DX」で脱炭素を支援「日本品質」の海外展開も―リアルタイム経営とものつくりのスマート化を加速
#DX #AI #プロジェクトの裏側
富士電機株式会社は近年、製造業DXを実現するためのソリューションとして、「グローバルスマートファクトリー(GSF)」に関する製品を多数提供しています。GSF製品を導入することで、メーカが直面するカーボンニュートラルという課題のスマートな解決に貢献することができます。さらに、海外拠点で「日本品質」を迅速に実現することも後押しします。GSF製品の拡販を担当するDX技術部長の東谷直紀に話を聞きました。
脱炭素にはエネルギー消費の「見える化」が必須
経営課題である脱炭素化の実現に向け、東谷はこう話します。
「製造現場の脱炭素化の第一歩は、一つの製品を製造するのにどれくらいのエネルギーが使われているかを示す製造原単位を把握することです。再生可能エネルギー(再エネ)の導入だけで解決しようとするとコストが膨れ上がってしまいますから、いかに製造原単位を下げて、省エネを進められるかが重要です。製造原単位を下げるためには、生産ラインのどこでどの程度のエネルギーが使われているかを『見える化』し、改善点を見つけていく必要があります」
EMSでエネルギー消費23%減の企業も
富士電機のGSF製品が導入された企業では、エネルギーの運用状況を管理するEMS(Energy Management System)からの情報や、生産ラインのさまざまな状況を把握・管理し、作業者への指示や支援を行うMES(Manufacturing Execution System)からの情報、さらに工場設備の維持管理に関する情報なども、データ形式が統合されて一つの分析基盤に集まってきます。
製造現場の情報を一元管理できていれば、EMSによって製品ごとのエネルギーに関する製造原単位を正確に割り出すことや、生産ラインのどこで無駄なエネルギー消費が発生しているのかを精密にチェックすることが可能になります。
「ある企業の工場では、中間成果物がメインの生産ラインに投入される前に長時間ストックされ、エネルギーのロスが生じていたことがわかりました。生産工程の見直しや、電気代の安い夜間に作業時間をスライドすることなどで無駄を削減しました。また、一般的な工場が停止する土日にラインを完全に止めるべきか、待機運転を続けるべきかといった問題はケースによって答えが異なります。EMSのデータをもとに比較検討しながら無駄をなくしていくことで、私たちのお客様では標準的な例で3~7%、最大で23%もの省エネが実現しています」
設備の一部が劣化することで省エネ性能が低下するケースでは、修理や交換など、保全に関わる作業が必要になることがあります。省エネはこのように部署を横断した課題であるため、GSF製品を導入することによって全体のデータを一元管理することが重要になります。
AIによる需要予測で多様なエネルギー源を最適運用
AIを用いて、より複雑なエネルギーの調整を実現することも可能になりつつあります。
富士電機は2023年に開発が完了した北海道の「新さっぽろ駅周辺地区I街区開発プロジェクト」に、AIを活用した次世代型CEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)を納入しました。過去のエネルギー使用量や気温・湿度などの実績、当日の天気予報などのデータからAIが電力・熱の需要を予測することで、街区内に備えられた発電・熱源機器の最適な運転計画を立案し、街全体の省エネを実現するシステムです。
AIを活用した次世代CEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)
「AIを用いて電気と熱エネルギーの利用を最適化するEMSは、半導体を製造する富士電機の山梨工場でも先行的に導入されています。太陽光発電、ガスコジェネレーション、蓄電池、燃料電池などから最も効率の良いエネルギー供給をシミュレーションに基づいて運用し、状況に応じて需要側も制御します。このシステムにより、山梨工場は5年間で34%のエネルギー使用量削減を達成しました。このように、今後、脱炭素化が進んでいくとエネルギー源も多様化していきますから、人が運用するのには限界が出てきます。AIを用いたエネルギー管理が当たり前のものになっていくと考えられます」
AI技術は日々急速に進歩していますが、富士電機のEMSはクラウド上で機能するようになっているため、今後AIの予測技術が発展しても、ソフトウェアを更新するだけで最新の機能を利用していけるという強みがあります。
富士電機(株) 情報ソリューション事業部 DX技術部長 東谷直紀
海外工場の正確な情報をリアルタイムで入手
「グローバルスマートファクトリー」の名の通り、GSF製品の導入によって可能になることの一つが迅速な海外進出です。
GSF製品を導入することで、工場の各部門から刻々と集まってくるデータを統合し、共通の分析基盤で一元管理します。その結果、経営者は「現場で今、起きていること」の全容をリアルタイムで知ることができます。
これを可能にしているのは、富士電機のMESである「MainGATE」。部門ごとにさまざまなシステムが混在している現場のデータ環境と連携することで、統合されたデータ分析基盤を通じて、必要な情報をリアルタイムで経営陣に提供します。
このパターンは海外拠点にも応用できます。海外の工場でも、全体の正確なデータを把握し、日本国内の工場と同じように「リアルタイム経営」の対象とすることができるのです。
「たとえば日本企業がアジアにある現地資本の工場をM&Aで傘下に置いたような場合でも、MainGATEを導入することで、既存のシステムをそのまま使っても、共通のデータ分析基盤に連携することができます。海外の工場から情報が上がってくるのに時間がかかったり、そもそも正確な情報が上がってこなかったりという悩みを抱えている経営者も多いようですが、GSF製品によって国内と同じようにリアルタイムで正確な情報を収集し、現地に指示が出せるようになります」
「メイド・イン・ジャパン品質」をそのまま海外に展開したい。そんな願いの実現に向け、富士電機は経営者の皆さまを後押ししていきます。
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