ARテクノロジーを使った新しい「おうち英語」を楽しんでもらいたい! ~書籍編集からデジタルサービス開発へ
株式会社アルクは、2020年7月20日に未就学児向け英語学習サービス「りすぴこ」をリリースしました。音声に対して耳が敏感で、聞いた音をすぐにまねすることができる幼児期の特徴を最大限に生かすことができる、英語を「聞く・話す」能力を育む英語学習サービスです。
ARテクノロジーを使ってぬいぐるみから投げかけられる英語の質問に答える仕組みや、ゲーミフィケーションなどを盛り込み、はじめて英語にふれるお子さまでも抵抗なく英語学習を楽しめるようなサービスを開発しました。
今回は「りすぴこ」開発に携わった、アルク デジタル推進部の宮崎と荒木より、どんな経緯でサービスを立ち上げたのか、サービス立ち上げに込めた思いをご紹介いたします。
【プレスリリースはこちら】
日々忙しいママ・パパ、そしてその子どもたちに何ができるか
宮崎:英語学習スタートの低年齢化、小学校での英語の教科化などの背景もあり、現在、未就学・小学生のお子さまが英語に触れる機会はこれまで以上に増えています。
英語学習へのニーズがますます高まりを見せているなか、キッズ英語事業に30年以上携わっているアルクとして、「子どもたちが楽しく続けられる、新しい形の子ども向け英語教材の制作」という課題が見えてきました。アルクの既存の事業にとらわれない、デジタルコンテンツも含む「新しい形」を模索していくことになりました。
アルクは出版事業を展開していますが、書籍や雑誌、学生向けの教材制作からe-learningやアプリのデジタルコンテンツなど幅広く事業を進めています。しかし、キッズ向けの教材については、書籍がメインで、デジタル教材の制作はこれまでほぼありませんでした。この課題を発端に、アルクの強みであるコンテンツ制作の実績を強みにした新しい英語学習サービスの開発がスタートしました。
荒木:企画スタート時には、まずは社内・社外問わず、子育て現役世代のパパさん・ママさんたちに、お子さんへの教育について、何度もヒアリングを実施しました。教育や子育てだけでなく、日々の生活環境やお子さんが興味を持っていることなど、学習環境・家庭環境などについて多くの示唆を得ることができました。
さらに現在普及している書籍、タブレット型の学習教材や、子ども向けの知育アプリなど、自分たちで実際に体験することで、今子どもたちが楽しんでいる教材について、日々研究を重ねていきました。
こうした子どもの英語学習の現状や、学習環境をリサーチしていくうちに、「子どもを習い事に通わせたいが、仕事で送り迎えができないために断念しているママ・パパ」、「タブレットなどデジタルコンテンツで抵抗なく学ぶ子どもたち」といったことが浮かび上がってきました。
そこで「送り迎えの必要がなく、自宅で英語教室と同じクオリティの英語学習ができること」「お子さまが1人でも学習を続けられること」が叶い、かつアルクのこれまでのコンテンツ制作の実績を強みとした英語学習用のデジタルコンテンツの開発、という方向性が決定しました。
「やりたいこと」と「できること」のギャップ
宮崎:未就学児向けの英語学習アプリを開発する、と決まったものの、これまで書籍の編集を中心としていたため、デジタルコンテンツの制作は完全なる未知の世界。初期のころは手探り状態で開発が進みました。開発会社との打ち合わせでも、専門用語が出てくると頭の中に「?」がたくさん浮かんでしまい、逐一ご説明いただいたり、自分たちで調べたりしていました。
開発初期の段階で最も難しかったことは、「こういったアプリにしたい」という自分たちの希望と、実際の予算やスケジュールを踏まえた「現実的にできること」とのギャップを埋めていく作業でした。書籍の制作であれば、条件に応じた予算・スケジュールはイメージできますが、デジタルコンテンツにおいてはそういった肌感覚がありませんでした。
また、デジタルコンテンツの制作が初めて、ということも影響し、当初は、さまざまな種類のゲームを盛り込もうとしたり、キャラクターが学習の進捗とともに成長する「育成ゲーム」の要素を盛り込もうとしたり、「こんなことができたらいいな!」という制作者側のアイデアを盛り込むことに夢中になっていました。しかし、開発において大切なのはやはり、「どういうコンテンツであれば、お子さまに楽しんで英語を学んでもらえるか」「続けようと思えるモチベーションを持ってもらうためには、どういった工夫が必要か」というポイントです。
もちろん販売価格やスケジュールも見越しての、適切な予算・工数管理も求められます。そうした条件も考慮しながら、自分たちの強みが生かせる最善のサービス実現に向けて、何度も話し合いを重ねて必要な機能を絞り込んでいきました。
開発会社からご提案いただいたアプリのデザインや、アプリに登場するキャラクターについては、利用対象年齢に合致しているお子さまの声を実際に聞きながら決めていくことで、お子さまの好みに合わせられるよう調整を進めていきました。
「英語を話す」を実現するためのARテクノロジー
荒木:開発を進めていく中で、どうしても1人で学習するのが難しいと感じられたのは、「英語を声に出して発話する」コンテンツでした。
当初はアプリ上でユーザーに対して英語の質問を投げかけ、画面上で質問に関連したイラストを動かす操作をしてもらうと同時に、ユーザーが質問に英語で答えるコンテンツを開発していました。しかし開発途中段階でモニターさんに試していただいたところ、そのコンテンツが非常にわかりづらいとの声が多く上がりました。
そこで開発会社と代わりのアイデアを相談し、「ARテクノロジーを使って、キャラクターのぬいぐるみをアプリ上で認識させ、アプリ内でユーザーとキャラクターが会話できるようにする」というコンテンツにシフトしました。
アプリ上でぬいぐるみを映すと、ぬいぐるみに魔法がかかり、ユーザーに質問を投げかけてくれるというユニークな仕掛けを開発していただきました。1対1の英語でのやりとりを学習上のゴールにしていましたので、英語でのやりとりを実現できたことは私たちにとって喜びでした。これによって、難関と思えた「英語を声に出して発話する」コンテンツも無事に盛り込むことができました。
「りすぴこ」は未就学児の英語学習に最適といわれている「「聞く・話す」をコンセプトにしているため、「話す」というコンテンツの核となる部分を、こだわりを持って制作できたと思っています。
アプリの完成と今後の展開
宮崎:こうして「りすぴこ」を今年7月にリリースすることができました。企画立ち上げから1年以上にわたり、書籍編集をやっていては絶対に得られないであろう経験をしながら、勉強になると同時にとても刺激的な日々を過ごせた実感があります。
荒木:今後も「りすぴこ」でたくさんのお子さまに英語に触れてもらえるよう、サービス面の向上や、機能追加の検討・開発を進めていくつもりです。また「りすぴこ」開発過程で培ってきた経験を活かし、さらに新しいサービスやアプリの企画ができるよう、常にアンテナを張っていきたいと思っています。
【関連ウェブサイト】
りすぴこ公式HP:https://lispico.alc-ouchieigo.com/
うちの子えいご「コンパス」:https://alc-kidspark.com/media/
アルク キッズ公式インスタグラム:https://www.instagram.com/alckidspark/
アルクきっずどうが公式Youtubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCuWq53hD9w_zTgKmC9VeNpg
[アルクについて]
アルクは、1969年4月の創業以来、半世紀にわたって、企業理念として「地球人ネットワークを創る」を掲げ、実践的な語学力を身につける教材の開発をすすめてきた語学教育総合カンパニーです。
2021年に創刊50周年を迎える英語学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』をはじめ、受講者数延べ120万人の通信講座「ヒアリングマラソン」シリーズ、書籍、研修、eラーニング教材、各種デジタルコンテンツの提供など、語学分野における学習者向けの様々な支援を行っております。
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