【特別対談】新しい情報伝達媒体"3D Phantom®"が描く未来構想とは?
昨年11月、Wizと株式会社Life is Style(以下、Life is Style)は共同出資による合弁会社・Phantomサイネージ株式会社を設立しました。Life is Styleの3Dホログラムサイネージの技術力とWizの営業力を掛け合わせ、浮遊する立体映像を映す未来型ホログラムディスプレイ「3D Phantom®(スリーディー ファントム)」の提供を開始しました。
日本橋にオープンしたばかりのアートアクアリウム美術館に3D金魚として彩られたり、テレビ番組内の解説シーンで活用されたりと、今まさに新しい情報伝達媒体として注目を集めています。
今回は、合弁会社設立の経緯や「3D Phantom®」が描く未来について語る、Phantomサイネージ株式会社・代表取締役の林さんと、株式会社Life is Style・執行役員の森勝さんの対談模様をお伝えします。
■Phantomサイネージ株式会社
Wizの子会社・株式会社フォーカスチャネルが取り組んできた、大規模マンションを対象としたマンションサイネージサービスなどのサイネージ広告の実績を活かし、「3D Phantom®」をはじめとするデジタルサイネージ事業を展開。
■株式会社Life is Style
Life is Styleは、「安心、安全、快適な、夢のあるライフスタイルを提唱し続ける」をミッションに掲げ、サイネージ広告事業・IoT事業・省エネ事業などを展開。Life is Styleが提供している「3D Phantom®」は、ニューヨーク5番街に位置するアシックスの旗艦店にて活用されているほか、2020年応援村に設置が予定されるなど、国内外から注目を集めている。
合弁会社設立の経緯
林:本日はよろしくお願いします。御社との合弁事業が本格的にスタートしましたね。私自身、大変ワクワクしているところですが、森勝さんはいかがですか?
森勝:同じ気持ちですね!これまではベンチャー企業ということもあり、スタートアップからがむしゃらに「3D Phantom®」の制作、販売をしてきました。しかし、販路やターゲット、利用シーンにおいて仮設立てできていない部分があり、満足いく形で事業展開できていませんでした。
林:では今回Wizとタッグを組むことで、より多くの方に「3D Phantom®」を知っていただけると期待いただいているのでしょうか?
森勝:まさにそこの期待が大きいですね。合弁会社の設立理由は、Wizの山崎社長が「3D Phantom®」に興味を持っていただいたことから。Life is Styleの代表・大貫と山崎社長は共通の知人を通して知り合い、お互いに同じベンチャー企業としての可能性を探る中で意気投合したと思います。また、私たちLife is Styleは営業戦略において課題がある状況だったので、そこを営業力の強いWizと協業することで拡販に繋げられると考えました。
日本上陸の背景と開発秘話
林:「3D Phantom®」は、LED光源がライン状についたブレードを高速回転させ、そこでできた残像を映像として映し出すホログラムディスプレイですが、どんな製品なのかわかりやすく技術面などについて少し教えていただけないでしょうか?
森勝:コアになっている技術はバーサライタという技術です。これは和製英語なんですが、英語のパーシステムオブビジョン(Persistence Of Vision)、スカイライター(Sky writer)といった、空中に文字を浮かべるという意味から生まれた造語です。以前、ライブやショーなどで棒を振り回すと文字が出てくる演出がありましたよね。原型はそれとまったく一緒です。
林:ありましたね!では、それをさらに高速回転させて文字や映像を浮かび上がらせるようにしたものが…
森勝:そう、それが「3D Phantom®」です。高性能なLEDとモーターを使い、高速回転させることで安定した映像を映し出すことが可能になりました。開発自体はイギリスと中国の企業が先駆けて行っていましたが、2017年に「これは面白いんじゃない!?」と大貫が見つけ出し、日本市場に持ち込んできたわけです。とはいえ、仕様を日本に合わせる必要があったため、販売までに1~2年要しました。工場側との意見交換を繰り返し、ようやく品質面でも自信を持って提案できるまでになりました。
林:技術との出会いから開発、販売まで3年。よくこの短期間で進めてこられたなと正直驚いています。会社として「3D Phantom®」に注力されたのはいつ頃ですか?
森勝:本腰を入れたのは2018年の5月からです。BtoC向けの商材をいくつか展開していましたが、「3D Phantom®」の勢いが増し始めたこともあり、BtoB向け商材に思い切って舵を切りました。
期待高まる3D市場
林:オリンピックなどの一大イベントを控えていることや、DX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流から、昨今“3D”というワードをよく耳にします。私たちは、看板がやがてデジタルサイネージに切り替ると想定し、時代を牽引する形でお客様に提案していきたいと考えていますが、森勝さんご自身も立体映像の集客に色々と思い描いていることがあると思います。ぜひ、その辺りをお聞かせいただけませんでしょうか?
森勝:そうですね、デジタルサイネージの時代にシフトする中で一際輝くものが立体映像ではないかと思っています。その期待値はWizや私たちLife is Styleだけが膨らませているわけではなく、ソフトウェア関連企業においても同様です。まだ投影技術が進んでいないのに、3Dモデルを作るソフトが開発されたり、ポータルでソフトウェアが広がったりと、3D技術の市場価値が高まってきているのを感じます。
林:真新しさやインパクトという点をとっても、惹かれるものがあります。そして製品自体のポテンシャルはさることながら、これからの利用シーンに“未来”を感じさせてくれますよね。
森勝:ありがとうございます。例えば、新宿の東口を出てすぐのロータリーでアルタを見上げたら3Dの看板がくるくると浮遊している、といったSF的な世界観からも提案することが可能なんですよね。
林:まるでアニメ「AKIRA」のオープニング映像や、映画「スター・ウォーズ」のレイア姫が浮かび上がるシーンを彷彿とさせます。「3D Phantom®」は、3D業界の目標でもあった、これらの空想を実現させ、人の心を惹きつけるわけですがら、Wizとしても街や日常がどう変化していくのか非常に楽しみです!
お客様の声に応えるオープニングパッケージを
森勝:実際に林さんにお聞きしたいのが「3D Phantom®」のリアルな反応です。どのようなお客様に向けて提案してくださっているのか、また、どういった声をいただいているのでしょうか?
林:ご提案させていただいているお客様は主に飲食店になります。反応はとても良いです!やはり空中に浮いている映像を見ていただくと、「やりたい!置きたい!」と言ってくださいます。ただ、現在は首都圏のお客様が多く、他のエリアでは北海道、大阪、名古屋、福岡などの地方都市に集中しています。早く全国各地に機器が行き届くよう貸し出しサービスをつくっていきたいですね。
森勝:嬉しいです!各地から各地へと影響を受けて広がるといいですね!
林:Wizのエントランスにも置いていますが、みなさん来社されらじーっとご覧になられていますよ(笑)。若い学生の方々からも反響があるようです。また、今までWizで取り扱っていた商品とは少し違うので、従業員の商材に対する関心の高さもうかがえます。営業陣の中から前向きに「どうやって提案していきましょうか?」という声を多く聞きますし、影響力を持った商品だと実感しますね。今後は飲食店様向けに導入したらすぐに映像付きで利用開始できる オープニンパッケージを用意しようと考えています。映像が入った状態で提供しクラウドから集客を促すご案内をしたいですね。
森勝:こちらも店舗様が喜んでいただけるよう支払い方法、実質的な支出の負担など、導入コストをできるだけ下げて、お客様へのメリットを最大限に伸ばしていきたいと考えています。特に今、コロナ禍にあるので、店舗内装や賑やかしの一環として利用いただく「演出」と 、案内板・ロゴの表示、プロモーション映像など「看板」としての2つの役割を広告宣伝費として位置付けてもらい、補助金や融資を受けていただけたら幸いです。
林:本当ですね。ウィズコロナの時代だからこそ、お客様への提案方法は、多角的かつ親身になって考えていきたいですね。商品については圧倒的にLife is Styleのネームバリューが大きいですし、展示会にも出展されているのでお問い合わせはそちらに集中してしまうと思いますが、 Wizが得意とするコンサルティング業務を活用させ、たくさんの意見を傾聴しながらお客様からメディアまで商品を訴求させていきたいと考えています。
課題から描く3D型ECショップ
林:「3D Phantom®」を市場に浸透させていくためにWizのノウハウを徹底的に活かしたいと思っています。その上で、3Dを身近なものにするという戦略を考えていかなければなりません。そのためには、まず知っていただくことから。価格を含めて商品の強みを私たちもしっかり捉え、そこから生まれる多様な価値をどう語っていくか…ここはWizの腕の見せどころだと考えます。
森勝:まさに価格は商品価値を大きく左右させます。以前、デジタルサイネージを日本に普及させた第一人者とお話しする機会をいただき、価格のことを話されました。50,000円台まで落とし安く提供できるよう、システムのパターン・仕様を固定させ、それを普及させることから始めるべきだと。ただ、デジタルサイネージだったらつくった映像をCM、WEBなどに転用して流せるけど、「3D Phantom®」の場合は応用が効かない。映像自体の再利用性が高めて普及率を底上げすることから始めなければならないなと思いました。
林:なるほど。しかし「3D Phantom®」を活用した動画が流れていると誰しも足を止めて見てしまうことは間違いありません。普及率向上を目指すためにも、いかにお客様に活用シーンをイメージしてもらうかは重要なポイントになりそうですよね。例えば、実物の商品並べる代わりに、お客様が欲しいと思う立体商品映像を流して購買意欲を湧かすといった施策を段階的に行っていく必要があると思います。
森勝:映像の利用頻度高めることでいうと、ECショップでの搭載は有効だと思います。机の上にハンドバックの3Dモデルを置いて品定めし、どこにいても購買の意思決定ができるようになります。また、固定された場所であっても目の前に立つ人によって商品陳列を変えられる3Dのモーションセンサーの展開も可能でしょう。
林:そうすると、駅構内にある映像型の自販機のような見せ方が当たり前になったり、3D型のECショップによって商品を検討しキャッシュレス決済で購入できるようになったり、よりリアルを手にできる便利な世の中になっていくわけですね。
“リアルタイム”を追求し新しい価値体験へ
林:今、広告業界でもゲーム化などの体験型にシフトし、見せ方や見せる場所について新しい試みをしています。今後PRツールとして「3D Phantom®」はどう進化していくのでしょうか?
森勝:現在の仕様上、MP4のデータを入れて固定化された映像を出力していますが、モジュールが5Gに対応可能になると、リアルタイムでバシバシ映像を切り替えることができます。開発段階ではありますが、例えば女性が通ったら化粧品のPR映像を流すといったタイムリーな情報伝達技術に進化させていく予定です。
森勝:また、PCの画面をそのまま映すために、HDMIを繋げられるようにしたいと考えています。Zoomには人物だけを切り抜いてバーチャル背景を映し出す技術が搭載されていますが、その背景を黒にしてリアルタイムで「3D Phantom®」の映像に映すことができればなと考えています。企業広告や株価のグラフを直接投影して話をしたり、企業や店舗のエントランスに置いて3Dのキャラクターが受付対応をし本人が出てきて挨拶できたり、レーシングゲームもリアルタイムで3D対戦が可能になるわけです。
林:その人にとってタイムリーな広告や情報を3D映像によって投影できると、サービスの幅が一気に広がりますし、ユーザーと企業との距離が近くなり、より親しみやすいツールとして期待できますね。
森勝:今後2年くらいはスポット的に都内各地に設置したいと計画しています。まだインタラクティブなことはできませんが、2年あれば機器もアップデートされていくので、自分で動かせたり、通る人によって映像を切り替えたりできると思います。さらに、スポットエリアにフリーWi-Fiをつくり、“「3D Phantom®」のスポット=フリーWi-Fiが使えるエリア”と認知させていきたいですね。「3D Phantom®」があると、Wi-Fiが使え、人を集まる、この図式を完成させ、ユーザー側もスポンサー側も直接製品を見て知ってもらえる機会を創出できればと思っています。
林:これは面白い!今はまだ看板としての利用価値に目がいってしまいますが、森勝さんも考えているように、一方的な価値の押しつけではなくさまざまな体験も提供できるようなれば、新しい未来のカタチとして受け入れられ市場価値も高まっていくでしょうね。
森勝:商品の持つ力をインタラクティブにシフトさせ、“リアルタイム”を追求した新しい価値体験を創出すれば、また一歩違った提案ができ、世界観をお届けできるはずです。ビジュアルだけではない実用性を兼ね備えたにカッコいい時代をWizさんと一緒に「3D Phantom®」から創り出したいと思います。
さいごに
ウィズコロナの時代になり新しい日常を模索する中、「3D Phantom®」はまさに人々の生活や環境、考え方を一新させる光明かもしれません。ぜひ、皆さんも立体映像から生み出される未来に想いを馳せ、これからますます進化してく本事業にご期待ください。
▼合弁会社Phantomサイネージ株式会社設立のリリースはこちら▼
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000016549.html
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ