竹中平蔵氏監修 <未来をつくる>プロジェクト#2「世界基準のグローバル教育を」
経済学者・竹中平蔵氏の監修のもと立ち上がった<課題解決型>海外学習プロジェクト「日本の未来の作り方、あなたの未来の作り方」は、海外での6か月間の英語学習と政策提言に向けたグループタスクを組み合わせた日本の未来社会のリーダー育成を目指した教育プロジェクト。本企画を主催するイー・エフ・エデュケーション・ファースト(以下「EF」)のアジア地域統括マネージャー井上徳彦に企画立上げに込めた想いを聞きました。
【リリース】「グローバルに活躍するビジネスリーダーから直に学ぶ<課題解決型>海外学習プロジェクトがスタート!」
世界をリードする教育機関として挑戦したかったこと
EFは「教育を通じて世界を開く」(英語で言うと"Opening the world through education")を事業ミッションに掲げるエデュケーションカンパニーです。世界中に語学学校や教育機関を構え、グローバル規模で将来を担う人材育成に携わっています。この国際教育の分野に約15年にわたって関わる中で僕が強く感じるようになったのが、日本人のプレゼンスが下がっている、という思いでした。
僕は数年前まで香港に勤務していたのですが、アジアのどこの国の学生と話しても、日本人のプレゼンス、日本人への期待感を感じない。学生に講演をするときよく、「どこの国の学生がアジアで活躍すると思う?」と質問するのですが、日本人を含めて誰一人として日本人とは言わないわけです。テクノロジーや技術力なら中国、クールなカルチャーやファッションなら韓国、グローバル都市といったらシンガポール…といった具合です。
この香港での数年間の経験を通じて、日本人のプレゼンスを高めるために人材が重要で、今の日本のインプット型の言われたことをやる、という教育スタイルでは現状を打破できない、との思いが強くなっていった。そうした中で竹中先生とお会いし、本当の意味でのグローバル教育の場づくり、機会づくりが必要だと感じるようになりました。
こうして、今回の<課題解決型>海外学習プロジェクトが誕生しました。
グローバル=英語ではない!大切なのは「イマ―ジョン」と「タスクベース(課題解決)」
今回のプロジェクトでは、参加者は6か月間海外で生活をしながらグループワークに取り組んでもらいます。この現地で生活をしながら、多様な価値観に囲まれて学習したりタスクに取り組むことがとても大切です。
英語は確かに大切なコミュニケーションツールですが、目的はコミュニケーションなので、ただ流暢に話せればよいということではない。僕なりの持論では、コミュニケーションに大切な要素は3つあると思っています。ひとつめは基本的な語学、いわゆる「読む・聞く・書く・話す」といったスキル。ふたつめは「自信」です。自分の意見を自信をもって話せること、日本人はこれが苦手ですよね(笑)。最後がCultural Fluency、つまり異文化理解です。多文化・異文化環境では、同じように話をしても同じように相手には伝わらない。この”伝わらないこと”を身をもって知ることがとても大切だと思います。
海外の現地環境にどっぷり浸かってイマ―ジョン体験を得ること、インプットの学びだけでなく自分からアウトプット(実践)することで自信をつけたり、相手が違えば伝わらないといったそこからの発見を得ることが本当のグローバル教育につながると信じています。
ちょっと横道にそれますが、日本の歴史の授業ではいつ何が起きたか…史実を知ること、覚えることを中心に学びますよね。僕常々これってどうなんだろう?と思って日本の学生や海外からやってくる子供たちに聞く質問があるんです。「歴史の授業でいい点を取るにはどんなスキルが必要だと思う?」と聞くと日本人学生は大半が暗記力と答えます。一方、海外の子たちは状況判断力や分析力を挙げる。どういった流れでこの歴史上の出来事が起きたのか、このイベント(=出来事)がもし起きていなかったら、歴史はどう変わっていたのか、はたまた、なぜこの出来事が起こってそれによって何が変わったのか。歴史の文脈や前後関係をすごく重点的に学ぶんですよね。この考え方は日本の教育では経験していないですから、こうした気づきや経験、これまで考え付かなかったようなアプローチの発見といったものを、6か月の滞在を通じて得てほしいと思っています。
世界的なネットワークが将来の武器になる!
最後に参加する学生の皆さんに、海外でプロジェクトに取り組み「アウェイで挑戦する」には、自分が変わらないといけない、ということをお伝えしたいと思います。
日本にいると海外の人が日本のスタンダードに合わせてくれますが、海外では自分が変わらないといけない。自分が変わると同時に、一方で、今まで思っていたのとは異なる日本の良さや強みが実感でき、新たな発見ができる。まずはこの第一歩を踏み出して欲しいです。
そして何より、今回の企画に協力くださる海外講師陣の皆さんは全員、海外で挑戦し、ものすごく苦労を重ねて結果を残し、成功している方々です。日本の文化、教育を受けて育って海外に挑戦して、プロジェクトに参加する多くの若者ときっと似たような苦労をされていると思います。そうしたリアルの経験を持つ方々に直接会って、話を聞けることはものすごい価値のあることだと思います。海外に行く意義とは、異文化に触れて、アウェイで成長すると同時に世界規模のネットワーキングを作っていける、そのきっかけとなることが大切だと感じています。
>>関連ストーリー: <未来をつくる>プロジェクト インタビュー#1 竹中平蔵氏「アウェイで勝負できる人材育成を」
>>関連ストーリー: <未来をつくる>プロジェクト インタビュー#3 「学びのイノベーター」本山勝寛さん
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ