多くの企業が見過ごしている、即戦力人材としてのワーキングママの魅力を伝えたい
プロフェッショナルママ向け転職サービス「ママリブラ」、サービス開始から1年
家庭との両立はもちろん、仕事も楽しみたいと考えるワーキングママのキャリアを支援するプロフェッショナルママ向け転職サービス「ママリブラ」(https://www.mamalibra.jp/)が2020年夏、サービス開始から1年を迎えた。育児に向き合いながら「やりがいのある仕事がしたい」「仕事で自己実現したい」と考える“フルキャリ”志向のワーキングママたちから支持を集め、採用企業側も高い意欲とスキルを持つ人材としてワーキングママに注目し始めている。「『生きる』と『はたらく』をもっと近くに。」をコンセプトにママリブラを運営する、株式会社mog(ママ、お仕事がんばって!)代表取締役社長の稲田明恵さんに、mog設立のきっかけや、現在の転職市場におけるワーキングママの強みについて話を聞いた。
こんなにパワフルなママたちがいるのに、もったいない
mog設立のきっかけは、前職の人材会社時代にCSR活動として立ち上げた「ママボラン」。育休中のママたちが勤務先以外の会社で業務経験を積み、復職後のキャリアに活かすことを目的とした事業で、企業と育休中ママをマッチングしていました。生まれたばかりの赤ちゃんの育児に追われる育休中にでも、将来のキャリアのために挑戦したいという、パワフルで、意欲的で、優秀なママたちにたくさん出会いました。一方でそんなママたちであっても、復職後、はたらく時間に制約があるからと業務を制限され、能力を活かしきれず、自信を失っていく姿もたくさん見て。能力が高く、意欲もあるのに、ママであるというだけで思うように働けない。シンプルに「これってすごくもったいない」と感じたのが今の原点です。
そして、育休中のママだけでなく、復職後も、その先も、ママたちの可能性を引き出すサポートができないかと考えました。そのまま前職で事業化を進めてもよかったのかもしれませんが、どうしても自分で全力で取り組んでみたくて、思い切って会社を飛び出し、2019年4月に株式会社mogを設立しました。
社名の「mog」は、「ママ、お仕事がんばって!」の頭文字から取っています。ママが出勤するときに、家族みんなが「ママ、お仕事がんばって!」と笑顔で送り出してくれる、そういう家庭を増やしたいという思いからつけた社名です。ママ本人も仕事を目いっぱい楽しんで「お母さん、今こういう仕事にチャレンジしてて、すっごく面白いんだ」と、罪悪感なく家族に伝えられる。挑戦したい自分の気持ちに素直になれる。そんな生き方ができたらすてきだなと思っています。
「やっぱり仕事が好き」というママたちに、活躍の場を提供したい
現在、mogで取り組んでいる事業は、ママリブラをはじめ以下の3つです。
- ママリブラ
家庭との両立はもちろん、仕事も楽しみたいと考える、意欲もスキルも高い「プロフェッショナルママ」専門の転職サービスです。2020年10月にリニューアル。人材紹介と求人広告を提供します。https://www.mamalibra.jp/
- mog place
ワーキングママ向けに、イベントや育休中インターンを提供。自身のキャリアを見つめ直すワークショップをはじめ、教育や育児、マネー、ライフなど、幅広いテーマでイベントを開催しています。育休中のママ向けには、勤務先とは異なる会社で業務経験が積める育休中インターンをご紹介しています。https://www.mog-career.co.jp/program/index.html
- ママステラPRO
企業向けの受託事業として、採用やマーケティングを支援。採用代行や不動産業界などのtoCプロモーションプロモーション施策の企画、オウンドメディアの運用などを引き受けています。通勤の難しいママたちがフルリモートで進めるプロジェクトもあり、将来的には在宅勤務を希望するママたちの雇用創出の場になればと考えています。
このうち、2020年10月にリニューアルするママリブラはmogの事業の柱でもあります。ここ数年でママに特化した転職サービスは増えていますが、どちらかと言うと「はたらきやすさ」を重視した求人やサービスが多い印象です。しかしママリブラには「家庭を大事にしたいから仕事をセーブしたい」という方はほとんどいません。「やっぱり私は仕事が好き」というママばかり。
「復職後、サポート的な業務ばかりでスキルが身につかない」「時短だから評価できないと上司に言われた」など、いわゆる“マミートラック”に悩むママや、「やりがいのある仕事がしたい」「仕事を通して自己実現したい」「成果をきちんと評価してくれる環境で目いっぱいはたらきたい」というママの希望をかなえる転職をサポートしています。
コロナ禍でも光る、ワーキングママの強み
一方、企業側は、ワーキングママというと「突発対応は依頼できない」「残業ができないと業務が制限される」「前例がないので管理職は任せにくい」など、まだまだマイナスなイメージを持たれることが多いのは事実です。「時短勤務ですが、優秀な人がいます」と営業に回っても、時短というだけで採用を敬遠されることも。しかし、フルタイムで勤務できないというだけで優秀な人材を見過ごしてしまうのは、やっぱりすごくもったいないと思うんです。
ママリブラのご登録者の平均年齢は30代半ばで、10年以上の経験とスキルのある即戦力人材です。専門性の高さはもちろん、急な子どもの発熱などいつ何があるか分からない状況だからこそ先取りして仕事を進めたり、万一のときに誰でも代理対応できるようマニュアルを用意したり、オフィスにいられる時間が短い分、密なコミュニケーションを取るなど、限られた時間で成果を出すために工夫しながら仕事をしてきた方ばかり。ママリブラをご利用いただいている企業からは、スキルの高さに加えて、「ていねいなやり取りでコミュニケーションも円滑」「指示を出さなくても自分で考えて仕事を進めてくれる」など、評価の声をいただいています。
このようなワーキングママの仕事の進め方は、テレワークが普及してきた今、そしてこれから、ますます必要になってくるスキルだと思います。人材業界はコロナ禍にあって逆風と言われていますが、経済が回復して雇用が再開されれば、テレワークの普及はワーキングママの転職において追い風になるでしょう。
また、積極的にワーキングママを採用している企業は「企業として成長し続けるためには、似たような考えの人が集まった画一的な組織ではなく、人材の多様性を活かしたモザイクな組織でなければ」という危機感を持っています。設立からまだ1年、社員4人の小さな会社ですが、大手上場企業から新進気鋭のIT企業までお取引させていただいており、テレワークなど柔軟な制度で、時間的制約のあるワーキングママがスキルを活かして主体的にはたらける場を提供されています。最近は特に、カスタマーサクセスやwebマーケティングといった企画・営業系の職種で即戦力人材としてのニーズが高まっており、多くの優秀なワーキングママが各業界で活躍しています。
ママたちと、人生を通してつながり続けるサービスへ
今後、ワーキングママのキャリア支援事業を続けていくにあたって重要なのは、「社会性と経済性のバランス」だと考えています。ママのキャリア形成という社会課題に向き合いながらも、きちんと収益を上げて事業を継続させていくことが大前提。そのために私たちの思いに賛同してくださる企業とのつながりをさらに増やし、ワーキングママ向けの求人を増やしていく。それによって企業とワーキングママの出会いの数を増やしていけるよう、スピード感をもって支援していきたいです。
またmog全体としては、単なる転職支援の会社にはしたくないと思っています。転職するときだけの「点」のつながりではなく、ワーキングママの人生に「線」や「面」でかかわる会社として成長していきたい。人材サービスというより“人生サービス”ですね。たとえば、妊娠・出産やお子さんの進学などのライフイベントでキャリアを見直したいと思ったときに「mogに相談しよう」と思い出してもらえたり、仕事と育児の両立に悩んだときに相談してもらえたり、ワーキングママの仲間をつくる場として利用してもらうなど、多くのワーキングママが気軽に集える場所になることが理想です。これからも、仕事を通して社会とつながっていきたいというワーキングママの背中を押せる存在であり続けたいと思っています。
株式会社mog 代表取締役社長 稲田明恵(いなだ・あきえ)
東京学芸大学 教育学部 国際教育課程 2004年卒
新卒で株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)へ入社。人材紹介の法人営業を経験後、特例子会社や障がい者雇用支援「dodaチャレンジ」など、20代で事業責任者として新規事業の立ち上げを経験。その後、社内異動により、人事マネジャーとして人事労務の運用、研修・採用領域を担当。2015年12月、第1子の出産を機に、ワーキングママが抱える悩み・不安を解消したいと「ママボラン」を構想し、業界初のボランティアマッチング事業を展開。19年4月、株式会社mogを設立、代表取締役社長に。特技は利き酒、趣味はアートギャラリー巡り。4歳女児の母
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