コロナで苦境に立たされた「ライブハウス」と「カラオケ」がタッグを組む理由。逆境をチャンスに変える、JOYSOUND「みるハコ」の戦略とは
~ACIDMANの無観客配信ライブ「THE STREAM」を、11月11日までの期間限定で「みるハコ」にて配信中~
投影画像:Taka"nekoze_photo"
新型コロナウイルスの感染拡大により、予定されていた多くのライブイベントが中止を余儀なくされるなど、いまだかつてない苦境に立たされている音楽エンタテインメント業界。
そんななか、カラオケJOYSOUNDが展開する新サービス「みるハコ」で、「ライブ」と「カラオケ」という二つのエンタメシーンがタッグを組み、ACIDMANが7月に実施した初の無観客配信ライブ「THE STREAM」の映像に、貴重なインタビューやリハーサル等を収録したスペシャルドキュメンタリーを、9月11日(金)から11月11日(水)までの期間限定で、全国のカラオケルーム(5,000ルーム)に向けて配信する。
カラオケメーカーとしてJOYSOUNDを展開するエクシングと、権利元との交渉やアーティストとの調整など、ライブシーンと「みるハコ」の橋渡し役を担うシブヤテレビジョンの両担当者に、本企画の実施に至った経緯や目的、そして、見所や今後の展望について語ってもらった。
(左)先村 良歩 (右)依田 有華
株式会社エクシング
ビジネスアライアンス室ビジネスアライアンスグループ
音楽ライブや映画、アニメ、ライブ・ビューイングなど、カラオケで「観て楽しむ」コンテンツの配信を行うJOYSOUNDの新サービス「みるハコ」にて、主に、J-POP等の音楽ライブを中心とした案件の企画、提案を担当。
高松 優
株式会社シブヤテレビジョン
イベント制作部局長・執行役員
ライブホール 「Shibuya O-Group」の運営や、渋谷駅前スクランブル交差点をはじめ、大型ビジョン9基を運営。ライブハウスのブッキングなどを経験し、現在は音楽業界や各マネジメントでの経験を活かした企画提案を行う。
密かに広がりをみせる「歌わない」カラオケの楽しみ方
―「みるハコ」がスタートしたきっかけ、また、両社のかかわりについて伺わせてください。
先村:「みるハコ」は、歌うだけでなく、観て楽しめる多彩なジャンルの映像コンテンツを配信することで、カラオケルームに新たなエンタテインメント空間としての価値を創出する新サービスで、2019年6月、最新機種「JOYSOUND MAX GO」の発売と共にスタートを切りました。
当社としても、これまで楽器演奏をはじめとした新しいカラオケルームの活用法を提案してきましたが、アンケートによると、DVDを持ち込んで鑑賞したり、リモートワークを行ったりと、カラオケルームを「歌わない」で利用したことがある方が、なんと42%もいらっしゃいました。(2018年 当社調べ)そういった背景に加え、友達と同じ時を共有するような「コト消費」への需要がますます高まるなか、身近にあるプライベート空間であるカラオケルームを、より自由なカタチで活用頂きたい、という想いから誕生したのが「みるハコ」です。
カラオケのユーザーは、もともと音楽ファンが多いことに加え、カラオケルームには大きなモニターや音響設備が備わっていることから、なかでも音楽ライブの配信に最適だと感じました。そこで、「みるハコ」の構想が立ち上がった2年ほど前、ライブハウスの運営を行うシブヤテレビジョンさんに何かご一緒に企画できないかと提案をさせていただいたのがはじまりです。
ライブハウスのキャパを超越したビジネスモデルの模索。
その先に見えたカラオケの「ハコ」としての価値
高松:ちょうど「みるハコ」のご提案を頂いたタイミングで、私自身も、ライブハウスという箱の中にとどまらない、新たなビジネスモデルの可能性を模索していました。ライブハウスはキャパシティがある以上、年間の売上の上限が見えていますからね。
私が特に面白いと感じたのは「みるハコ」が掲げる、業界初のカラオケルームでのライブ・ビューイングです。私も他の場所でライブ・ビューイングは経験していましたが、周囲に少し気をつかっていたようにも思います。その点、カラオケルームなら家族や友人といった仲間とだけで集まれて、飲食まで楽しめる。すでに、大画面・音響設備が整った個室空間が全国各地に存在しているという土壌が揃っていることは、「ハコ」という観点で大きな強みですよね。
当時、ライブ映像はDVDを販売するためのコンテンツとしての位置づけが強く、業界内には「ライブ配信なんてありえない」と抵抗を示す声もありましたが、私はその可能性に賭けてみたいと思いました。
「みるハコ」としてサービスローンチする前に、2018年9月に「田島貴男&長岡亮介」、2019年10月には「BiSH」のライブ映像配信を行いましたが、なかには、お子様連れでライブを久々に見ることができたという方や、10年振りにライブを見て、またライブハウスに行きたくなった、というような嬉しい声もありました。身近にあるカラオケだからこそ、ライブから足が遠のいていた皆さんにも音楽を届けることができたのですね。
依田:そうですね、カラオケメーカーとしても驚かされたのは、「田島貴男&長岡亮介」の視聴者のうち60%が普段カラオケを利用しない方だというアンケート結果でした。「カラオケ=歌う場所」といった常識を取り払い、観て楽しむという選択肢をご提供することで、カラオケルームの「空間」としての可能性は無限大に広がっていくのだと確信しました。
みるハコは「特定少数」で視聴可能な、「新しい生活様式」に対応した新たなライブ体験のかたち
~正しく理解してほしい、カラオケ店舗の感染対策~
―新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言では、カラオケ店舗は休業を余儀なくされるなど、苦境に立たされました。「みるハコ」もその影響はありましたか?
依田:昨年スタートした「みるハコ」を今年、さらに多くの皆さんに楽しんでいただこうと企画の準備をしていた矢先に、新型コロナウイルスの影響でそれらを中止・延期せざるを得なくなり、私自身も非常に悔しい思いをしました。
緊急事態宣言の解除後には、全国でカラオケ店舗が営業を再開しましたが、まだまだカラオケに行くことに自体に、漠然とした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
先日、一般社団法人全国カラオケ事業者協会から「カラオケボックス」の安全性を検証する映像が公開されましたが、実はカラオケルームは、防音や構造上、窓やドアを開けて換気ができないため、建築基準法で厳しい換気性能が求められております。例えばJOYSOUND直営店では全室、およそ6~9分毎に室内の空気が入れ替わる、換気が良好な空間なのです。
また、業界団体のガイドラインに則って、従業員のマスク着用やマイク・リモコンなどの除菌、ソーシャルディスタンスサインの設置や、入室人数の制限など、さまざまな感染対策が全国のカラオケ店舗で実施されています。
皆さんにより安心してカラオケをご利用いただけるよう、そして、少しでも多くのアーティストの皆さんに「みるハコ」を通じて音楽を発信していただけるよう、こうした取り組みをわかりやすくお伝えし続けることが、いま必要なことであると感じています。
先村:「みるハコ」は、身近なカラオケボックスで、大音量・高音質のライブ・ビューイングを、「特定少数」で視聴いただける「新しい生活様式」に対応した新しいライブ体験のかたちであることを、皆さんに広く知ってもらいたいです。
ライブ・ビューイングの対象なる店舗も47都道府県を網羅し、全国で5,000ルームを突破しました。今年は非常に残念なことに、フェスやライブイベントの中止が相次いでいますが、自宅ではない場所で思いっきりライブを楽しみたいという声と、ミュージシャン・ライブハウス等を繋げる「架橋」のような役割を「みるハコ」が担っていけたらと考えています。
ほかの配信とは一味違う、カラオケでライブを観る「体感」。ACIDMANのライブで是非味わってほしい
―配信ライブが急速に普及するなかで、「みるハコ」にはどういった魅力がありますか?
高松:このコロナ禍でライブ配信が活発となり、配信サービスの新規参入も相次いでいますが、一般的なライブ配信はスマートフォンや自宅のパソコンなどで手軽に楽しめる一方、ライブ本来の「迫力」や「臨場感」が伝わりきらないという課題もあり、それに物足りなさを感じるファンも多いと耳にします。
それを解消してくれるのが、まさに「みるハコ」だと考えています。カラオケの大画面、大音量で味わうライブには、「観る」以上の「体感」があります。それでいて、近場にあるカラオケルームで楽しめるという気軽さも持ち合わせていますしね。
―「みるハコ」では、ACIDMANが7月に実施した初の無観客配信ライブ「THE STREAM」を、11月11日(水)までの期間限定で配信中です。今回の配信に至った経緯や、見所を伺えますか。
高松:当初予定されていた『灰色の街』リリース記念プレミアム・ワンマンツアーが新型コロナウイルスの影響で公演中止となり、初の無観客ライブとして配信が行われた“ THE STREAM ”ですが、ライブパフォーマンスはもちろんのこと、映像や音響などの演出にも力が注がれており、これはなんとしても、「みるハコ」で「体感」してもらいたいと感じました。
先村:そうですね、2時間以上にわたるライブ映像は、相当見応えがあると思います。すでに、ライブ配信をご覧になった方にも「みるハコ」だからこそ体感いただけるライブの臨場感を、改めて味わっていただきたいですね。さらに、今回は未公開となるインタビュー映像をはじめ、リハーサルや設営の様子など、舞台裏を収録した20分以上に及ぶ特典映像を収録しています。これはいま、ここでしか観られない貴重な映像となっていますので、この機会をお見逃しなく、しっかりと目に焼き付けていただきたいと思います。
▽ACIDMAN “THE STREAM” みるハコ特設ページ:
https://miruhaco.jp/archives/item/805232/
―最後に、今後の展望を伺えますか?
先村:新型コロナウイルスの感染拡大は予想もしなかったことですが、音楽エンタテインメント業界全体が苦境に立たされた今だからこそ、「みるハコ」が果たせることがあると考えます。そして、「みるハコ」には、この逆境をチャンスに変えるチカラがあると確信しています。カラオケとライブを繋ぐことで、音楽を思い切り楽しみたい人にライブの臨場感や迫力を気軽に楽しんでいただける、新しいカラオケルームの在り方を確立していきたいです。「みるハコ」を通じて、このコロナ禍で失われかけていたライブの興奮や、歓びをお届けし続けることで、少しずつ日常を取り戻すきっかけを作るお手伝いが出来ればと思っています。
高松:「観る」というコンテンツには、音楽ライブに限らず、無限の可能性があり、まだまだチャレンジできることがありそうです。「みるハコ」でも、さまざまなフェスやライブの配信を行っていますが、カラオケ店の店員さんがフェスのTシャツを着たり、限定グッズやフードを提供できたりなどすると、より雰囲気が盛り上がりそうです。
まだ技術的にはまだ難しいですが、将来的には、アーティストとカラオケルームで観ている人の映像が繋がっているというような、双方向のやり取りができると面白いかもしれませんね。
新型コロナウイルスにより、「アーティスト」「ライブ」「カラオケ」の3者がそれぞれ厳しい状況に置かれていますが、こんなときこそ、今までにないアイデアで工夫を凝らしながら、手を取り合って新しい世界を創り上げていけたらと思います。
▽「みるハコ」でのライブ企画のご相談は
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