洗い物時間を、より豊かに。「サンサンスポンジ®️」が描く、未来への挑戦。
東京都世田谷区に本社を置く株式会社ダイニチ・コーポレーションは、2024年に創業50周年を迎えました。食器洗い用固形洗剤「サンセブン®️ハイアール」や食器洗い用スポンジ「サンサンスポンジ®️」を製造・販売し、創業以来、人々の生活に欠かすことのできない洗い物の分野で商品を展開しています。
「洗い物時間を、より豊かに。」という想いから歩んできた、創業の秘話、お客様とのヒストリーを振り返り、未来に実現したい「夢」について、事業経営に携わる家族4人がご紹介します。
商品開発から創業へ。
手肌にとても優しい食器洗い用固形洗剤誕生。
代表 吉田元之: ダイニチ・コーポレーションは、1973年に大阪府大阪市で先代の吉田雄一が「大日化成株式会社」として創業しました。もともと吉田家は戦後にクリーニング店を営んでおり、創業者も高校卒業後に代用教員の職を経て、クリーニング店の職人として仕事に就きました。この時、ドライクリーニングの溶剤を扱う専門商社が取り扱っていた業務用固形洗剤の高い洗浄力を見て、「これは良いものだ」と直感を得て、数年後に、家庭用の食器用固形洗剤「サンセブン®️ハイアール」を開発します。
サンセブン®️ハイアールは、当時でも非常に珍しい“固形”の形状をした洗剤です。商品は作ったものの販路がなかったので、しかたなく団地で配ったことがありました。当時は、第一次石油ショックの影響で洗剤の供給が不安定だったこともあり、そのうちに、「あの時の洗剤を売って欲しい」と問い合わせが入るようになり、販売数が増えていきました。
商品が広まったのはお客様同士の口コミによるもので、「手肌にとても優しい」というのがその理由でした。サンセブン®️ハイアールは固形であるため、一般的な液体洗剤に必要だったアルコールや防腐剤を使用していなかったのです。ほぼ100%が洗浄成分と洗浄を助ける助剤であることから、少量でしっかり泡が立ち、洗浄力も高く、手肌にもとても優しいという特徴があります。この特徴は、現在も変わっていません。
そして、創業後、固形という形状のサンセブン®️ハイアールに適したスポンジを作ろうと試作したのが「サンサンスポンジ®️」です。スポンジは、簡単にいうと、液体を化学反応で発泡成形させることで、複雑な気泡の構造ができあがります。まだ、ポリウレタンという素材も目新しく、ポリウレタンのメーカーもその用途を模索していたような時期でしたが、しっかりと弾力があり、泡立ちが良く水切れが早い洗浄に最適な気泡の密度を実現したスポンジが完成しました。当初、サービス品として配布していたのですが、こちらもお客様から購入のご希望をいただくようになり、商品化に至りました。
「研究を重ねて進化した」と言いたいところですが、商品化の際にこだわり抜いた製品スペックは、現在も変わっていません。創業者の品質へのこだわりは強く、製造工程が大量生産に向かない商品であったことや、全国で宅配サービスが普及していったこともあり、ひとつひとつ丁寧に手作りを行い、ひとりひとりのお客様を大切にできるメーカー直販の通販を当初より行ってまいりました。そして、2002年に東京に拠点を移してからは、私と妻とパートの方で、すべてのお客様への対応を行なってきました。
「ようやく出会えた!」とお客様に愛される、サンサンスポンジ®️の魅力。
吉田雄哉: サンサンスポンジ®️は現在、オンラインやECサイトという販路により、多くのお客様にお使いいただいています。商品の特徴は、一つを半年以上使い続けることができる耐久性があること。そして、洗剤の泡立ちが良く、水切れが早く、乾燥が早いため、衛生的な使用感があることです。
一般的な食器洗い用スポンジは、油汚れなどがスポンジに残りやすく食品の色移りがあり、短い周期で使い捨てることになる傾向がありますが、こうした部分にストレスを感じていたお客様がサンサンスポンジ®️をお使いになって、「ようやく出会えました」「スポンジ難民が終わりました」といった、お声をたくさんいただいています。
吉田晴美: 洗剤もサンサンスポンジ®️も、創業すぐの頃から、今も使い続けてくださっているお客様もいます。40年以上です。嬉しいことに、「サンサンスポンジ®を嫁入り道具に持たせてもらった」というお客様のエピソードもあり、たくさんのお客様との間にヒストリーがあります。ネット販売以前では決済方法は郵便振り込みのみでした。その振り込み用紙の通信欄にお客様がお礼のコメントを手書きでご記入くださるのです。驚きました。
「こんな素晴らしい洗剤を作ってくれてありがとう。いつまでも作り続けてください。このサンサンスポンジ®をみんなにプレゼントしました。」などなど、私はいつもこの振込用紙に頭を下げておりました。手を合わせずにはいられないほど、自然と涙が出てきました。私たちはお客様に支えていただいている!弊社の振込用紙の山はかけがえのない宝です。それが昨今ではレビューとして同じようにお客様から実にたくさんのお礼のお言葉をいただいており、こうして弊社商品を信じてご利用くださる皆様のご期待を裏切ることはあってはならない、少しでもお役に立てればと、原点に返り、未来へとそしてこの体験をもっと多くの方々に味わっていただきたいと、世界へとつなげていきたいと強く思うようになってまいりました。
吉田元之: 約10年前にオンライン販売を開始してからは、レビューやSNSなどの口コミでサンサンスポンジ®️を知ってくださり、手にとっていただくお客様も増えていますが、皆様に継続してお使いいただいていると感じています。
「良いスポンジを長く使う」という発想は、スポンジ業界にもお客様にもなかったのではないかと思います。その中でサンサンスポンジ®️は、耐久性があるという特徴があったため、結果的に、「良いスポンジを長く使う」という潜在的で新しいニーズを開拓することができた。私たちは、そのニーズにひたすら応えてきたのだと思っています。
現代の暮らしにフィットする新提案「TEILE(テイレ)」
吉田雄哉: 新たな商品ブランドとして、2023年から「TEILE(テイレ)」を展開しています。数々のプロダクトデザインを手掛ける「TENT」の皆さんと制作したブランドです。食器洗い用固形洗剤を現代の暮らしに合うカタチにアップデートできないかと考えており、思い切って彼らにご連絡したところ、デザインチームの皆さんも、洗い物や家事に対して様々なクエスチョンを持っていたのです。そこで一緒に、食器洗いをより良くするための方法を考えることになりました。
「食器洗いは お手入れだ」というキャッチコピーは、食器洗いを能動的に良い時間にしていこうという想いを言葉にしました。そのための道具として、食器洗いを完結できるように、洗剤、スポンジ、水切り乾燥用マット、マイクロファイバーの布巾を揃えています。
現代のキッチンは全体的に小規模化していて、特に都市部はコンパクトなキッチンも多いことから、ミニマルにスタイリッシュに食器洗いができること、また、旅行やアウトドアシーンでもお使いいただける商品にしたいと考えました。性別に関わらず、男性にも興味を持ってもらえるようなデザインでもあり、これはスポンジメーカーでは非常に珍しいアプローチだと思っています。展覧会でもバイヤーの方に注目していただける商品になっています。
お客様と商品を作り上げる新ブランド「ao(アオ)」
吉田幸祐: 現在、もうひとつ新しい商品ラインを展開しています。それが「ao(アオ)」です。私の好きな言葉に「感恩報謝」という言葉があります。「ささいなことにも恩を感じ、最高の礼を持って報いる」という感謝の語源となった言葉ですが、私たちの会社は、まさにたくさんのお客様の声に支えられてここまで事業を継続してきたことから、常にそのお客様に直接恩返しができる方法はないかと模索しておりました。そこで、お客様と一緒にブランドを作って行こうという、いわゆるプロセスエコノミーの考えに至りました。
サンサンスポンジ®️は、その機能性を評価いただき、ギフト用途で利用される方も多くいらっしゃいます。そこで、「良いものを贈りたい」という気持ちに応えられるよう、ギフトをひとつのテーマにしました。エレガントなデザインを基調として、天然精油100%を使用した香る食器洗い用固形洗剤、奈良県に伝わる伝統技術で作られた蚊帳地の布巾、岐阜県の刷毛職人が作るキッチンブラシなど、古き良き道具の文化も取り入れています。
「ao」はハワイ語で「日の出」「夜明け」といった意味を持ち、お客様の億劫な家事を照らす存在でありたいと考えています。そして、「ao」のロゴデザインは、1500人のお客様へのアンケートから誕生しました。まだ、はじまったばかりのブランドです。これから少しずつ、成長させていきたいと思っています。
いつも4人でジャッジする。家族経営という特別な時間。
吉田晴美: 主人の前職は素材メーカーの東レでした。12年間の勤務の後、家業に入ったのは大阪に工場があった頃です。私も子どもたちが幼稚園に入ると、子育てをしながら、昼の空いた時間に作業場で配送などを手伝うようになりました。主人の実家で仕事を手伝うようになると器用であった義父のひらめきと実行力はすばらしく、また、義母の家業を支えながらの朗らかさ明るさなどを知りました。家業の商売のイロハとして勉強になることばかりで多くのことを学ばせていただきました。
子供たちが成長し、長男が中学生になると東京に拠点を移動しました。その後は主人と一緒に、より深く仕事に関わっていきました。そして徐々に、主人の素材への妥協しない強いこだわりや想いは前職時代に培われたものであることを知るようになりました。当時の日常はとにかく、毎日の仕事を終わらせなければいけないという事に追われていましたが、朝の時間が勝負!と考え、毎日4時起きを実行し家事と育児そして仕事を両立しました。4時起きは今でも続いてます(笑)。
吉田雄哉: 幼い頃から、「家業のことは考えないで欲しい」と言われて育ったため、家業を継ぐという選択はもうとうなく、希望であった放送会社に就職し、忙しくて10年ほど、まともに家族と会わない時期もありました。そんな中、改めて自分の未来や展望について思考していた頃、父の病気がわかったんです。私自身も子どもが生まれた時期でもあり、生きる事について考えさせられました。「家族の縁をつないでいくというのは、自分のやりたいことよりもっと本質的なことで、これは理屈ではない」と。そこで会社を退職し、2021年から家業を手伝うことにしました。
吉田幸祐: 私は兄よりひと足早く、2020年にダイニチ・コーポレーションに入社したのですが、やはり父の病気が大きなきっかけではありました。当時、私は銀行に勤めていて、様々な業種の企業と折衝するという経験をさせてもらっていたのですが、自分は大きな企業の小さな歯車にしかなれていない無力感もありました。しかし、家業に入ってみると、自分が昔から親しみのある商品を胸を張って売ることができるという、全く違う感覚でした。スタートから、身の入り方、モチベーションが違う。充実感があって、疲れも苦にならなかったですね。そしてオンライン販売というのはお客様の反応もすぐにわかるので、やりがいがあると感じました。同時に自分の一挙手一投足が売上に直結することもあり、責任の重さを感じております。
吉田元之: 私にとっては、全く想像もしない展開です。こうして彼らと一緒に仕事をすることになるというのは。でも、とてもありがたいことでした。今では、各々の社会人経験が生きて役割も分担でき、夫婦二人ではできなかったことにもチャレンジできるようになりました。
吉田雄哉: カスタマーサポートは母の担当です。元キャビンアテンダントでもあるので、ホスピタリティが高いですから。お客様のレビューでも、対応の速さや丁寧さを評価いただいている部分も大きいです。
吉田晴美: 今の私たちには真ん中にビジネスがあって、お互いを尊重しながら、助け合いながら、それぞれが学んできたことを、バランスをとりながら「自ずと得意分野を活かして」仕事ができています。彼らの毎日の仕事への姿勢を見ていても、すごく前向きで、プラス、愛情があるなと感じています。
吉田雄哉: 事業については4人で話し合って、ジャッジするようにしています。自営業は一つひとつの決断が重く、しかも、ひとつの選択が正しいかがわかるのは先のことになります。このかたちがいつまで続くかはわかりませんが、今は良い意味で責任を分散できているんです。
サンサンスポンジ®️を世界へ。創業50年を機に、未来に向けた挑戦のはじまり。
吉田雄哉: この仕事は、「夢」を持つことができると思っています。サンサンスポンジ®️を良いと感じてくださるお客様がいるということは、同じように感じる人がもっと大勢いるはずです。その可能性を広げるために、今年2月にニューヨークの展示会に出展し、アメリカの4都市の販売店でもサンサンスポンジ®️を取り扱っていただくことになりました。これからは海外展開も増やしていきたいと考えています。
50周年の今年は「お風呂洗い用スポンジ」の発売を開始しており、さらに、日本を訪れる外国の方々にも日本製のサンサンスポンジ®️の良さを知っていただくために、インバウンド需要に向けて富士山をモチーフにした商品の発売を予定しています。創業から作り続けてきた、食器洗い用固形洗剤のリニューアルにも取り掛かっています。未来に向けて、ひとつひとつ形にしていきます。
吉田元之: ここまでの事業から感じていることは、食器洗いという行為がなくならないかぎり、そこに何らかの課題があるということです。ストレスを感じない食器洗いとは、汚れがよく落ちる、手肌にとてもやさしいというのは大きなことで、私たちはそのニーズに対して商品の品質を全うしてきたと思っています。この課題とニーズは世界中にあると考えています。
そして、お客様が感じてくださった「今まで知らなかった良いスポンジがある」という発見の喜びが、他のお客様への口コミという共感につながっていく。そういうシンプルなことだと思っています。
吉田晴美: 衣食住のなかで、食べることは一番楽しみのある重要なことです。食べた後にはかならず、洗い物をする時間があって、この二つは切り離せないものですよね。食べる時間も洗い物の時間も、最後に全部良かったねと終われるものにできることが大切だと考えています。
吉田雄哉: 時間を作りたいという考えもよく話し合っています。食器洗いも、その時間をより良くしたいというのが私たちのゴールです。日常の、食器洗いの、ありふれた時間を、より豊かに快適にすることができたら、小さな幸せや当たり前が幸せであることに気づいていく。1日が、少しずつ幸せになっていくのではないかと考えています。ですから、良い商品によって生まれるより良い時間を、多くの人に広げていきたいです。
吉田元之: 食器洗いの時間を、より豊かにするというのはどういうことでしょうか。例えば、家の中で、家族同士がコミュニケーションを取るのは、当たり前のようで当たり前ではないですよね。それぞれが別のことをしていることも当然あります。この家族を、「家事」で繋げることができたらどうでしょう? 一緒に家事をするためのスポンジが、コミュニケーションツールにもなるのではないかと思っているんです。そして、コミュニケーションを取る時間が増えることで、みんなの次の豊かさに繋がっていくのではないかと考えています。今は食器洗いの分野にフォーカスしていますが、人の生活のあらゆる局面を想定して、今後の事業を進めていきたいと考えています。
■ダイニチ・コーポレーションについて
ダイニチ・コーポレーションは、1973年、先代の吉田雄一が創立した「大日化成株式会社」を前身として、50年にわたって食器洗い用固形洗剤やキッチン雑貨を作ってきた会社です。その後、息子である元之が経営を引き継ぎ、その息子も加わって、「暮らしを、知的に素敵に快適に」をモットーに親子3代にわたる家族経営で商品を提供しています。
ブランド
▪️Sunsun Sponge(サンサンスポンジ)
洗い物に費やす時間に“ときめき”を
▪️ao(アオ)
人と地球に寄り添う、肌にも環境にも優しいキッチンブランド
▪️TEILE(テイレ)
食器洗いを「お手入れ」に
ミニマルに、日常生活や旅先で
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ