「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART5〜

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前回のあらすじ


二週間が経って僕は二度目の説明会へと向かった。


そこには前回と同じく小林先生の姿や同じグループのメンバーの姿があった。


「今回こそはリーダーになろう!」と思っていたが、結局ディスカッションではまたも自分から立候補することはできず、、、


「やっぱり俺ってほんと情けないな、、、」と落ち込むも、小林先生の言葉に勇気付けられて、僕は初めてのインターンシップを迎えるのであった。


業界研究本という聖書


僕はコンサル系のインターンシップに参加しようと決めたので「ならばその業界を学ばなくては!」と思っていた。


そこで説明会の帰りに行きつけの紀伊国屋書店へと向かい、就活コーナーへとまっすぐ向かった。


ずらーーー!と就活関連の本がそこには並んでいて、「自己分析の仕方」「面接の極意!」みたいな本がたくさん置いてあった。


「まるで受験勉強の参考書みたいやな。」


僕は某然と立ちすくんでその光景を見ていた。


他にもスーツ姿のいかにも就活生と言わんばかりの人たちが何やら難しそうな本を立ち読みしていた。


「コンサル系、コンサル系、、、」僕は大量にある本の中からコンサル関係の書籍を探していた。


するとその中にふと目に止まった本があった。


「業界研究本?」


見覚えのある、少し分厚めのシリーズ本がそこには並んでいた。


「あ!これよっちゃんが読んでたシリーズや!」


そう、それは憧れのよっちゃんが読んでいた就活本のシリーズであった。


「よっちゃんこれで勉強しとったんや。しかもコンサル系のシリーズもあるやん!」


僕は憧れていたよっちゃんと同じ本を見つけることが出来て嬉しかった。


インターンシップにも参加して業界研究本も手に出来れば、またもよっちゃんに追いつけるからだ。


しかし!


その喜びも裏の値段をチラリと見た時にしょぼんだ。


「う、、、けっこうええ値段するやん。」


少し分厚めと、無駄にカラーな部分もあったのでやはり値段は上等。


僕はそのままそっと本棚に直したのであった。


「さすがに今は本でそんなに金かけられへんからな~」


バイトのシフトも減らした貧乏学生に1000円を超える金額は痛かった。


だからと言って諦めるわけにもいかないので、僕は大学生という特権を活用して図書館で借りようと決めたのだった。


「学校の図書館なら置いてるやろ!」


3年目にして初めてまともに図書館を利用する。笑


次の日、僕は授業が始まる前、、、ウソです。完全に授業は始まっていたが先に図書館へと向かっていた。


何気に僕の大学の図書館は大きかったので、業界研究本のほかにも様々な就活用の本が置かれていた。


「これやー!」と僕の目には昨日と同じコンサル系の業界研究本を見つけた。


中をパラパラとめくって見たが、何やら難しそうな単語がたくさん並んでいた。


「やっぱ難しいんかな…」


ちょっと不安になるも既に申し込みは完了してるので逃げることは出来ない。


とりあえず僕は受付でその本を借りるとダッシュで、、、いやゆっくりと教室へと向かった。


教室に入ると先生がホワイトボードに図を書きながら講義している真最中だった。


辺りを見回すと窓側の席によっちゃんの姿があった。

そう、この授業はよっちゃんと一緒に受けている授業だ。


「いっしー完全に遅刻やん!」


僕が隣に座るとよっちゃんは笑いながら言った。


「あんな図書館大きかったとは知らんかったわ、おかげで遅刻になりましたわ!」


などと訳のわからないことを言って僕も笑っていた。するとよっちゃんが僕のカバンに入っていた本に気づいた。


「いっしーそれ業界研究本やん!コンサル系の仕事目指すん?」


よっちゃんと同じく業界研究本を持っているのが嬉しく「就活をしてます!」みたいな感じに思えた。


僕はよっちゃんにインターンシップの件や、コンサル系に興味を持ったいきさつを話した。


「なるほどな~、いっしーも頑張ってるんや!そりゃ俺も頑張らなアカンわ!」


「いやいや、よっちゃんのほうがたいがい頑張ってるよ!俺もよっちゃんのおかげでインターンシップの存在知ったしね!」


久しぶりのよっちゃんとの会話は楽しかった。


お互い就活を頑張っている真っ最中。よっちゃんのおかげでいつの間にか就活に対しての不安は消えていた。


「ならまたいっしーが受けたインターンシップがどんなんやったか教えてな。楽しみにしてるわ!」


「おっけー!またどんなんやったか話すわ!」


授業はあっという間に終わり、僕とよっちゃんは途中まで一緒に帰って就活について話していた。


そしてとうとう、僕はインターンシップの日を迎えたのであった。



初めてのインターンシップ


いつの間にか7月に入り、家の前ではミンミンと蝉が鳴いていた。


その日僕はいつもより早起きをしてスーツに着替えた。


そう、待ちに待ったインターンシップの日が来たのだ。


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