実録 訪問販売会社潜入記 浄水器を売りつけろ! 6 月の給料の額と社内の雰囲気ってどうなの?

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月の給料の額

完全歩合制です。

基本給が15 万、

そこから1 台、浄水器( 生成機)を売る度に5 万円が追加されます。

大体、平均して一人月3~ 4 台販売販売するので、

平均月収は30 万弱となります。


この会社には、面白い決まりがありました。

それは業務時間外は他の社員と接してはならない

というものです。

ようするに、仕事中以外では他の社員とは口も聞くな! ということ。

理由は、会社の愚痴を言い合われては困るからとか・・・・。

また、社員同士は、○ ○ さんではなく、○ ○ 社員と呼ばなければなりません。

たとえば、森さんの場合は、森社員と呼びます。



とある1 日の風景

朝はかなり早いです。

7 時に出社します。( ちなみに勤務開始は8 時から)

歩合制なので早出しても残業代なんてありません。


なぜこんなに早く出勤するかというと、事務所の掃除をする為です。毎日です。

事務所に入ると、ハイテンションな音楽が流れています。

そして、社員の皆様もみんなハイテンションです。

「おはようございます! 」

これは朝から怒鳴り声に近い声で言わなければいけません。

声が小さいとやり直しです。

事務所に入ると、早速掃除が始まります。

この掃除、やることは小学校や中学校の掃除と一緒なんですが、

唯一違う点があります。


それは・・・・・・

声を出しながら掃除するのです。

それもしょうもねー掛け声を。 大声で。

他の階のテナントの人たちは、さぞやうるさかったことでしょう。

その掛け声というのは、社員それぞれが今日の目標を大声で発声。

その他社員が復唱するというもの。

たとえば、

「今日は絶対1 本うるぞー! 」

復唱

そして他の人が

「今日は絶対1 本うるぞー! 」

復唱

という感じで30 分以上  掛け声掃除を行います。

そして掃除が終わるとハイテンションミーティングです。

班長が大声で、今日の売り上げ台数目標と週間目標を発表します。

とにかく皆、大声です。

怒声に近い声。

班長は毎日怒鳴り過ぎたのか、声が枯れてしまっています。

その後、パートのおばちゃん達が出社してきます。

8 時10 分前には、社訓を大声で全社員パート含むで読み上げます。

これまた全て怒声です。

しかし、馬鹿正直に朝から怒鳴るのは愚の骨頂です。

やる気を出す為かもしれませんが、訪問販売の大きな武器のひとつは「声」です。

(と勝手に私が思っているだけ)

その声が、班長のように枯れていてはどうしようもありません。

枯れている声は聞いていても不快です。

ましてや訪問販売、平均2 時間は訪問先でしゃべり続けなければいけません。

それなのに、声が枯れていてはちょっとって感じです。

なので、私は朝の掃除から口パクです。

社訓も口パク。

馬鹿正直に、大声を張り上げている新人程、 あまり売れないのです。

ハイテンション過ぎて、空回りしている感じ。

同行したことはありませんが、 客先でもあのハイテンションならまず売れないでしょう。

だって怖いですよ

あんなハイテンションが訪問してきたら・・・・。

さて、社訓の読み上げが終わると、営業が出陣します。


事務所にはロッキーのテーマが大音量で流れ出します。

そして、所長から一人づつ、

朝一番で向かう客先の住所がかかれた資料を貰います。

「○ ○ 社員! 」 所長

「はい! ! 」 大声

「がんばってこい! 」 所長

「はい! いってまいります! ! ! 」 大声

周りは大歓声で見送る。

営業全員これやります。


という感じで、朝は事務所を出発します。

事務所を出たら、社用車の駐車場へ行き、車に乗り換えます。

車は軽自動車

極限まで内装を省いた一番レベルの低い車です。

私の車は、以前辞めた人が乗っていたようで、擦り傷はあるし、ところどころ凹んでいたりします。

まあ、動けばいいので関係ないですが。

しかし、一番びっくりしたのは初日です。

信号待ちのとき、ふと天井を見上げたら、赤いボールペンで落書きが・・・・・

「死にたい」

おい~

勘弁してくれ~

即効で黒マジックで塗りつぶしました。

以前この車を使っていた人はまったく売れなかったのでしょう・・・・。

そんな車に乗りつつ、営業開始です。

営業といっても、飛び込みではありません。

既に行き先は決まっています。

大体、事務所から車で30 分から1 時間くらいの場所が営業先となります。

この朝の午前中の1 発目のアポが一番売れる可能性の高い客なので、ここに全力投球します。

朝1 本目に決めてしまえば、午後の2 本のアポは適当に出来るので、 とにかくココに集中します。

さて、訪問する客先の家の近くに到着したら、車を停めれる場所を探します。

当然、路上駐車です。コインパーキングには入れません。

経費は支給されない為です。

その為、レッカーや駐禁で切符を切られない為に、あらゆる策を講じます。

まず、後部座席にはダンボールをある程度積んでおき、配達業者を装う。

そして、

「現在配達中! すぐに移動しますのでしばらくお待ちください。連絡先090~ 」

と記載した紙をフロントガラスの内側に置いておきます。

これで捕まったことは一度もありません。

パトカーに移動しなさいと注意されたことはありますが、 移動して他の場所に置けばお咎め無しでした。 無事、車を駐車したら、事務所に連絡を入れます。

「○ ○ 様宅前に到着致しました! 」 → 怒鳴り声

「了解しました! ○ ○ 社員、がんばってきてください! ! ! 」 →

超怒鳴り声

「はい! ! ! 」 → 怒鳴り声

そしてこの儀式が終わったら、訪問先に突入します。

平均滞在時間は約2 時間

なので、大体午前1 件、午後2 件~ 3 件が基本です。

当然、門前払いの可能性もあり、 その場合は訪問後、10 分もかからずに退却となります。



退却後は再度事務所に連絡し、新しい訪問先に向かうことになります。

また、営業はうそは絶対につけない仕組みになっていて、訪問後、事務所に退却の電話を入れたあと、事務所の幹部が訪問先にアフターの電話を入れます。

その際に、滞在時間をチェックするのです。

私の場合、1 件目、2 件目以外はまったく売る気がないので、

3 件目、4 件目は訪問した後、サンプルを渡してすぐに退却していました。

そして、その際に、

「すいません、事務所から連絡がくると思いますが、2 時間程度お話

して行かれましたと伝えて貰えますか? 」

とお願いし、サンプルを余計に渡しておきます。

これでOK

そして、時間まで車で昼寝をするわけです。


出勤日

この会社は月~ 土が出勤日です。

週休6 日制なわけです。

人(営業マン)にもよりますが、土曜は絶対売れないという人と、土曜は売れるという人がいます。

私は土曜は売れない派です。


まず、土曜は基本的に、旦那がいることが多い。

事務所の幹部共は、 旦那がいたほうが、一緒に説得出来るから逆に売りやすい

といいますが、 実際、旦那がいる場合、家に入れない場合のほうが多いです。

だってそうでしょう?

もし、自分が休みの日に家でダラダラしているのに、 見知らぬ業者が家に入ってきたらどう思いますか? ウザイの一言でしょう。

さらに、土曜は確実に子供がいます。

そう、小学校や中学校は休みだったり、午前中で終わりだったりするので、

子供が家にいる場合が多いのです。

そうすると、奥さんは私の話につきっきりにはなれず、 子供の世話をしつつ、私の話を聞くことになります。 これじゃあまったくお話になりません。

しかも、土曜は旦那や子供のために、昼食を作らなければならない為、いつもの平日なら午前中が勝負なのですが、 少し遅い朝食の準備をしていたり、昼食の準備をしていたりする。

まったく台所が使えない場合が多々あります。

これらの理由を踏まえ、土曜はやる気がおきませんでした。


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