書籍化に釣られストーリーを書いたことから始まった夢へのストーリー

7ヶ月程前にこのSTORYS.JPをはじめた。

Facebook内で久しぶりに再会した友達が働いているということで興味本位に登録をしてみたのがキッカケ。僕自身、気持ちや思い出を文章にするのは好きだったのであまり仕組みもわかっていなかったがとにかく投稿をしてみた。

するとSTORYS.JPのトップページにある“話題のストーリー”というSTORS.JPスタッフによるオススメ記事に抜粋された。「はじめたから」とその友達に連絡をしたわけではないが、本名で登録してあるので気づいてくれたのだろう。そのへん上手くやってくれるあたり“持つべきものは友”だ。


STORYS.JPでたくさん記事が読まれて、シェアしてもらい、話題になると出版業界の方々に名前を知ってもらえ、行く末は“書籍化”なんてこともあるということを知った。

僕は『夢をかなえるゾウ』の著者 水野敬也さん の本を読んで感銘を受け、生活そのものを見直したこともある程影響を受け尊敬をしている。もちろん一読者として。

文書を書くことが好きとは言え、それを仕事にするなんて。ましてや本を出したいなんて思ったこともなかったが、友達のツテで“話題のストーリー”に選ばれ、出版業界の方々に名前が売れ、“書籍化”という可能性が手の届くところにある。

と一度走り出した妄想にブレーキなんてあるわけがなく、僕は自分の文章の書籍化を夢に掲げた。

そして、友達が働いていたのが“STORES.jp”だったと間違いに気づいたのは2週間後の話だった。




今まで書いていたブログとは少し違った感触で、自分を素直に出すことはできるが言い回しを誇張することに臆病にもなった。“実話じゃないといけないツール”という勝手なイメージに縛られて窮屈に感じることもあったが“書籍化”という漠然かつ膨大な目標に向かいSTORYS.JPで自分のストーリーを残していた。

友達が働いていたのは全く違う会社だったというまさかの勘違いで頼みの綱を失ってしまったが、なぜか投稿するほとんどが“話題のストーリー”に選抜されていた。

もしかしたら...ハマってんじゃね?(気に入られてるんじゃないかという意味)』


普段は根っからのネガティブ思想である。履歴書に書いても問題ないぐらいのネガティブ界の黒帯。

しかし、そんな僕もさすがに調子に乗った。

出版社をリサーチすることもあった。著者という職業について調べることもあった。印税収入についても、映画化についても。調べて参考になったページは全てブックマークフォルダに収集しておいた。今では一つ残らず灰と化している。

世の中そんなに上手くいくわけがない。気づいた瞬間に元のネガティブ界へと返り咲き、浮かれていたあの頃の自分を背負い投げしてやりたい衝動と同時に足を刈られた(駆られた)。


我に返った頃、TwitterにDM(ダイレクトメッセージ)が届いた。

差出人はSTORYS.JPの代表の大塚さんだ。

よかったら一度ランチご一緒しませんか?

時は来た、それだけだ。



大阪在住の僕は連絡をいただいて、数日後になぜかタイミング良くインフルエンザを患ってしまい東京へ向かっていた。インフルエンザの専門医がいると聞いたような聞いてないような。

熱はない、しんどさもダルさもない、吐き気も腹痛も残念ながら驚く程にない。恐らく心のインフルエンザだ。小さい頃からマラソン大会の前夜によく患っていたやつだった。

東京駅は平日も人が多い。足早にどこかへ向かう人たちをかき分け、のんびりと皇居の周りを散歩した後に約束の場所へと向かった。


気がつけばランチをつっつく僕の前にはSTORYS.JPの大塚さんがいた。

緊張で出会った瞬間からのことは覚えていない。

だって、この数分後には僕の書籍が生まれる話がはじまっているのかもしれない。もうお腹はパンパンに膨れ上がっていて、分娩室で構えている。あとは書籍という名の子供を生み出すだけだ。舞い上がる気持ちと緊張とが混じり合いラマーズ法で息を整えるしかなかった。

頭が見えてきた!もう後少し!後少し!そこで大塚さんは言った。


インターンに興味があるの?


い・ん・た・あ・ん?

ふいに両手を合わせてしまいそうだがそれよりも僕の頭にはなぜかダンディ坂野かしか出て来なかった。それも交えて全てに置いて?マークが脳内を飛び交って焦った。ヒーヒーフーヒーヒーフー。


そういえば大塚さんからメッセージが来る数日前にSTORYS.JPがTwitterでインターン募集をしていた時に僕が「気になる!」とコメントを残していたのだった。

だから大塚さんはインターンについての説明の為にわざわざ忙しい中、時間を割いてランチを設けてくれたのだ。

僕はインターン興味があります!Web業界で執筆することに興味があります!素晴らしいサービスを作りたいと思います!!とにかく遠回りだろうと書籍化に向けて全力ですれるだけのゴマをすった。いや、すりこぎすらも擦り減っていたのではないだろうか。


その後も話は盛り上がり、STORYS.JPユーザー目線からの意見を伝えたり、新しい試みに対する意見の交換などもしてくださった。初対面にも関わらず快くいろんな話をしてくださり楽しい時間を過ごした。本当に優しくて良い方だなと思った。

そう思うと自分が書籍化に目が眩んでいることやゴマをすり倒したことに罪悪感を覚えた。

でも一番の罪悪感を感じているのは、そもそも“インターン”が何かもわからずに「気になる!」とコメントしてしまっていたことだった。




大塚さんとお話をさせていただいた後、STORYS.JPのオフィスにお邪魔しスタッフさんとお話をさせていただきました。STORYS.JPの運営に対する熱い思いを聞き、僕はなんてがめつい人間なんだろうかと自分を卑下し、反省をした。

書籍化なんてそんな簡単なことではない、誰もが夢を抱いているだろう。それを夢見て今も一生懸命執筆している人もいるだろう。僕みたいな数回文章を書いただけの愚民が簡単に掴めるような夢ではないのだ。


我に返り東京という大きいようで狭い空を眺め、僕は誓った。

コツコツと経験と実績を積み重ねて、いつか胸を張って書籍を作れるように頑張ろう。


格言のように言っているが完全に当たり前のことを自分の心に刻み込み、僕は東京をあとにした。



経験と実績とはどのようにして積み重ねるものなのか。インターンすらわからない僕はとりあえず毎日のようにブログを更新し続けた。

自分の文章がどんな方々から需要があるのか、ウケが良いのか、書きたいことなどを明確にするようにいろんな文章構成や言い回しを使ってひたすら書いていた。ブログのアクセス数や読者が増えてくると執筆のお仕事がもらえるなんて事もどこかの記事で読んだことがある。

あとはどこでスカウトがチェックしているのかもわからないので僕は毎日欠かさずスキンケアとスッピンにジャージで出かけないことを心がけた。


ブログで文章を書くのが好きとはいえ、やはり読んでくれる人や反応がないと書く為のモチベーションが上がらない。そうすればもっとたくさんの人に読んでもらえるのだろうか。

いろんな人のブログを読んで研究を積み重ね、良いところは盗み、誰もやっていないような隙間を探しては書き、SNSで宣伝をした。読んでもらう為ならなんでもした。時には身体を許すこともあった。顔中にニベアを塗りたくった記事を書いたり...。


書籍化に向けてネコよりもまっしぐらな中、メールが届いた。ブログを開設して6ヶ月目のこと。


ブログを拝見させていただきました。ぜひ弊社のWebメディアで執筆していただけませんでしょうか。


つ!ついに来た!!!!!!!!

念願の執筆依頼。本当に来るものなんですね。

突然連絡が来るとは聞いていたものの、本当に自分の所にも依頼がくるなんて。

しかも名の知れた有名な会社だったのですごく嬉しかった。恐らく受信から10秒も経たない内に返事をしていた。その夜は赤飯、いや、カルカンでお祝いをした。


試行錯誤しながらブログを書いている中で何度か“Twitter”や“はてなブックマーク”で話題になり、Webメディアに転載や紹介をしてもらえた事があり、そこから知ってくださり担当の方が更新する度にチェックして読んでくれるようになったとのこと。

報われたのだ。スッピンにジャージ、キティちゃんのサンダルでドン・キホーテに行かない努力が報われたのだ。




ここまで僕は文章を読んでお分かりの通り、基本的にくだらないことしか書かない。

役立つことも理論的なことも書かない。それはより詳しい専門家に任せればいい。

平凡な日常の中で思ったこと、感じたこと、一般人の目線ならではのあるあるから共感や小さな笑いや勇気を提供できたらなと思って書いている。そんな文章に執筆料を払ってまで依頼してくださるとういことに喜びを感じた。


そして今が8ヶ月目で、ありがたいことにいくつかのメディアでお仕事として文書を書かせてもらっています。


元は自分の記録の為に文章を書いていただけだったのに、勘違いで書籍化という夢を掲げ、そこで出会ったSTORYS.JPに背中を押され、他人に向けて文章を書くことの楽しさを知り、書くことの難しさを知りながらお仕事をさせていただき、本格的に書籍化という夢に向かって一生懸命になれています。

今はまだ記事を書くことだけ生活できる程は稼げていないので、執筆を仕事のメインにすることが近い目標としています。


僕は大きな会社を立ち上げたり、世界中を飛び回ったり、社会に影響を与えることはできないけど、夢見るたくさんの人たちにとって励みとなるようなストーリーを。走り出したばっかりの小さなストーリーですがゴールテープくぐるまで綴っていきたいと思っています。


そして、ここでストーリーを書いたことからはじまったストーリーがいつか書籍化され、たくさんの人の手に届き、次は夢を与えられるような人になりたいと夢をみています。




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