僕が大人になるまで【第1話 初陣】

著者: 遠藤 崇央

胸いっぱいに夢を膨らませ浜松と言う街に足を踏み入れた。


見るからに、頑張って一カ所にギュッと娯楽を詰め込んで

都市っぽく見せています!感がいたたまれない。


ここから2年間こんな所で過ごすのか。。と思うとなんだか憂鬱になる。


「自ら楽しくしなければ、つまらん2年で終わるぞ。」

そう自分に言い聞かせ、僕の浜松生活が始まった。


まず、僕にはやらないといけないことがあった。

それは「プレOボーイのランキングの信憑性を確かめることだ」

これをしなければ、浜松に来た意味がない。


部屋の片付けが終わったその晩、僕は一人街に繰り出した。


内心、少しドキドキしていた。

「ランキングが本当だったとしたら嬉しいけど、一人でどうしよう。。」


若干「ランキングは外れててくれ!」と思う気持ちも目覚めなかったわけじゃない。

孤独とは己を気弱にさせる。


しかし、調べに調べた 通称 浜松のナンパストリートにさしかかった時、現実を目の当たりにした。


一人くらい夜道を歩く女の子。そこに1台の黒い車が止まる。

どうやら何か話しをしているようだ。


僕はしばらく様子を見ている。


女の子が「え〜」と言っている


僕はしばらく様子を見ている。


女の子が「え〜」と言っている


僕はしばらく様子を見ている。


なんと、女の子が車に乗っていった!


僕は逃げだした!!!



・・・・噂は本当だったか!さすがプレOボーイ!

僕の中で嬉しさと緊張が同時に走った。


噂は本当だとしても、僕だけで行けるか?

心の中で自問自答が始まった。

「ココに来たのは何の為だ?」

「初日に結果を出さないとは何事だ!」

「ここで結果出せたら、浜松生活初日から楽だぞ!」


よし!いくぞ!

そう心に決め、先ほどのナンパストーリートに戻っていた。


     ・

     ・

     ・


かれこれ1時間が経過。

チキンの僕はなかなか声をかけれずにいた。

「次で最後にしよう。」そのループを何度もした。

性欲と羞恥心のぶつかり合い。


「もう次で本当にラストだ!」そう決めて女の子を待った。


その時、前から美形な女の子が現れた。


意を決して、僕は近づいていった。


女の子と目が合った。


距離にしてあと2m


僕もずっと女の子を見ている。


あと1m。


声をかけようと息を吸い込んだ。そして。





素通りした。



・・・・「やっぱり浜松は車を持ってないとナンパできないんだよ!」


自分にそう言い聞かせ、その場を去った。

ただのチキンが自己正当化の為に出た言い訳。


なんともあっけない結末。

今思い出しても恥ずかしい。。。



「とりあえず仲間と車だ!明日の学校の

入学式でこの2つを手に入れよう。

今日のは失敗じゃない!調査だ!」


心の中で言い訳がたくさん出てくる。

こうして、初陣は惨敗に終わった。


天使と悪魔が混在する街 浜松


初日に悪魔の洗礼を受けた僕は

天使と出会う為に次の日から気持ちを新たに

仲間と車を手に入れる決意をするのであった。


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