スタートアップがリモートワークを導入したら、想像以上にうまく行った話

著者: 森田 昌宏

gamba!では、積極的に在宅のフリーランスの方を採用したり、社員の在宅勤務を推進しています。制度を試行した当初はかなり勇気が必要でしたが、実際にやってみるとたくさんのメリットがあることが分かりました。


1. 世界中から優秀な人材を集められる

例えば、いまgamba!の開発に携わっているエンジニアは、首都圏だけでなく、札幌・仙台・愛知・京都・大阪、そしてニューヨークにもいます。RubyやJavaScriptでの開発経験豊富なきわめて優秀なエンジニアです。普通ではちょっとお目にかかれないような豪華な経歴のみなさんがgamba!の開発チームに参画してくれています。

いままでの、同じオフィスで仕事をする、ということを前提した雇用関係では到底こういったエンジニアを集めるということは不可能だったと思います。いまはクラウドワークスやランサーズというサービスがあるおかげで、比較的簡単に質の高いエンジニアを機動的に集めることができるようになりました。

本当に便利な世の中です。これを最大限活用しない手はないです。


2. 無駄なコストを減らせる

在宅で仕事をする前提であれば、当社のオフィスに机やイスを用意する必要はありません。その分、オフィスのコストは削減できます。特に、gamba!の入居しているオフィスはもういっぱいいっぱいなので、席を増やさなくても稼働を増やせるのはとてもありがたいです。

さらに、クラウドソーシングを活用することで、人材の採用コストは限りなくゼロにできます。社員の募集の場合、人材エージェントを使ったり、募集広告を出すのには大きなコストがかかります。採用した人材の年収の3割を手数料にとられることもザラです。しかも、いつ採用できるかも分かりません。それまでの機会損失や採用活動にかかる稼働もバカにならないです。

クラウドソーシングなら、募集すればすぐに人材が集まるし、コストもかかりません。


3. 仕事のクオリティが高まる

これは実際にリモートワークをやってみて一番驚いたことです。離れた場所で、顔を合わせることなく仕事を進めるには、いろいろな決め事をみんなで守る必要があります。それまでは、隣でちょっと話しかけて聞けば済んだことが、リモートワークではうまく行かなくなります。そもそも、聞かなくて済むようにドキュメントやコメントを整備する、コミュニケーションや仕事の進め方にきちんとルールを決めて、みんなでちゃんとそれらを守る、ということを徹底する必要があります。

それまで属人的だった仕事のやり方が改められることで、成果物の品質は間違いなく高まっていきます。しかも、たくさんのベストプラクティスをもった多様な人材が関わっている分、社内のメンバーだけで考えるよりも、はるかに良い答えが出てきます。

最初は開発チームのみでしたが、最近は事業開発のチームでもリモートワークを取り入れ始めました。打ち合わせや相談が必要な仕事はなるべく一日の早い段階で終わらせ、残りの部分は自宅やカフェ等の落ち着く環境で集中して作業するような体制づくりを進めています。


こういった仕事の進め方をしてみて、改めて日報って便利だなあと感じます。さらに、gamba!にもっとこんな機能があったらいいのに、という気付きもたくさんありました。


実際にやってみると、意外とうまく行くものです。


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