15万部の著者が教える「偏差値40から52までの人のための勉強法」

「偏差値40から52くらい。受験まで時間があまりないけど、欲をいえば偏差値60以上、せめて偏差値55くらいにしたい」


もし、あなたが、このように考えているのなら、この記事を読むことをお勧めします。

なぜなら、つぎのようなことを起こした、わたしが、その「秘訣」をここで公開しますから。


・偏差値をもとにAクラス、Bクラス、Cクラスとクラス分けして、わたしはBクラスを担当(偏差値40から52くらい)

半年後、Aクラス(偏差値55以上)の平均偏差値をぶち抜く

もともと数学の素質があった子どもは偏差値60を超える

※)Aクラスを担当していた講師は、わたしも学生のころに教わっていたベテランの教師で、ずっと生徒の成績をガンガンにあげてきました。つまり、Aクラスの授業を担当した先生に力量がなかったためではありません。


どのようにして、このようなことを起こしたのでしょうか。

たとえるなら、わたしは生徒に、るろうに剣心の「斉藤一」になるための訓練をしたのです。

どういうことでしょうか。


■斉藤一とは「突き」だけを修練した男


るろうに剣心というマンガを読んだことのない人のために、斉藤一とはどういう人物なのか簡単に説明します。


さまざまな剣術がありますが、斉藤一は「突き」だけを、ひたすら修練して、単なる突きを「必殺技」までに昇華させました。

だから、斉藤一から「突き」をとりあげると、おそらく、ふつうの男に成り下がることでしょう。

しかし、そのお陰で、つまり「突き」で最強の人たちと互角以上の戦いができるようになったのです。


そうです。

「偏差値40から52までの人の勉強法」とは、端的にいうと、斉藤一のように「ある、ひとつのこと」に絞り、それをひたすら修練させる勉強法なのです。


そのようにすることで、わたしはベテラン教師が担当する「上」のクラスの平均偏差値をぶち抜いたのです。


みなさんも、もし「偏差値40から52くらい。受験まで時間があまりないけど、欲をいえば偏差値60以上、せめて偏差値55くらいにしたい」と思っているのなら、あることに勉強を絞ればいいのです。

では、具体的に何に絞ればいいのでしょうか。


■人は誰しもケアレスミスや凡ミスをする


たとえば、つぎの試験問題の試験を受けたとしましょう。


・1問5点の配点で、20問。

・すべて簡単な問題。


このような問題だと、みんな100点をとって、平均点は100点になりそうなものですが、実は、この試験をうける人の数が多くなればなるほど平均点は100点よりも下回ります。

なぜなら、人はかならず「ケアレスミス」「凡ミス」をする生き物なので、誰かがケアレスミスや凡ミスをして平均点を引き下げるためです。


また、試験会場では、非常に強い緊張を強いられます。

そのような状況下では、ますます、ケアレスミス、凡ミスをする人の数は多くなります。


それに試験範囲が広範囲に及べば、凡ミスの確率も増大するものなので、入試では凡ミス、ケアレスミスのオンパレードです。


だから、たとえ簡単な問題であったとしても平均100点になることは、滅多にないのです。


もうここで鋭い人なら気がついたかもしれません。

そうです。

「偏差値40から52までの人の勉強法」とは、「ケアレスミス、凡ミスをなくすこと」に受験勉強の時間のたいはんを費やすというものです。

もっというなら、応用問題を解けるようにするための労力はほぼゼロにしてしまい、「受験生なら解ける問題」を、ケアレスミスや凡ミスすることなく確実に解くことに時間をかけて、ひらすら修練するのです。


■切り捨てて大丈夫なの?


「応用問題を切り捨てる」


こういえば、かならず「切り捨てて大丈夫?」と心配になる人がいます。

大丈夫です。

わたしがそうして偏差値をあげてきたのですから。

「でも……」と思う人に大丈夫な根拠を示します。


■偏差値、合格ラインの理屈


(1)難しい問題(配点10点)

(2)簡単な問題(配点5点)

(3)簡単な問題(配点5点)


偏差値、合格ラインのイメージを把握してほしいので、かなり話をシンプルに、かつ大雑把にいうと――。

※正確ではありません。


Aタイプ:(1)(2)(3)すべて正解すれば、偏差値60以上になるイメージ。合格ラインよりも遥かに上。

Bタイプ:(3)はケアレスミスもしくは凡ミスしてしまい、正解したのは(2)だけの人は偏差値50を切るイメージ。不合格。

Cタイプ:(2)(3)を解けた人、もしくは(1)だけを正解した人は、偏差値55くらいになるイメージ。合格ラインぎりぎり。


これらのうち、Aは難しいので、Cを目指すべきだというのはわかると思います。

Cのうち、前者と後者とでは、つぎのことから、前者の(2)(3)を正解したひとになることのほうががいいのはわかるのではないでしょうか。


(1)を解けるようになるには時間がかかりますし、また緊張を強いられる試験会場で、かならず解けるとは限りません。

(2)(3)を解けるようになるにはそれほど時間は必要はありませんし、修練すれば確実に解けるようになります。


試験問題のうち、多くの人が解けそうな問題をミスなく正解するだけで、偏差値50以上になる、合格ラインぎりぎりなるという理屈ですね。

大雑把にイメージできたでしょうか。

話を進めます。


■人はどんどん忘れていく上に、試験範囲が広範囲に及ぶ


「中学2年生で動名詞を勉強したのに、中学3年生になれば、すっかり忘れてしまっていた」

「中学1年生で文字と式の勉強を学んだのに、中学3年生になればすっかり忘れてしまっていた」


このようなことがあれば「オレの記憶力大丈夫かな……」と心配になる人もいるかもしれませんが、実は、これらのことは、あなただけに起きているのではありません。

「ふつうに」おきることです。

「忘却曲線」というものがありますから。

※忘却曲線の話を端的にいえば「人はどんどん忘れていく生き物」ということです。


また、受験の試験範囲は広範囲に及ぶため、この「忘れてしまうこと」が頻発します。

だから、試験では、(試験が終わったあとに解き方を教えると)「あ!そうだった!わかっていたのに!!!!!」という「凡ミス」が起きやすいのです。


これで、人が凡ミスするところをなくすだけ、先ほどの話だと、Cタイプ(前者)になるだけで、偏差値50を超える、合格ラインぎりぎりになるのは、なんとなく理解していただいたのではないでしょうか。


無限に時間があれば話は別ですが、受験という限られた時間の中では、また偏差値を55くらいにするためには、応用問題まで手を出す必要はないのです。

では、具体的にわたしはどうしてきたのでしょうか。


■具体策は応用に割く時間を圧縮して小テストの繰り返し


授業では「基本」を教えたあと「応用」も教えるものですが、わたしは応用の時間を圧縮して、基本に時間をまわしました。

※完全に応用問題を解説する時間をなくさないのは、数学の素質のある子どもの成績を伸ばすためでした。


具体的には、応用問題を解説せずに「浮いた時間」を使って、たとえば「2x=4」「3x=6」のように、式は同じでも数値だけを変えた、小テストのプリントをたくさんつくって、授業の前に小テストをして解説したのです。

それは、たとえば「正負の数」を教え終わって、つぎの単元である「文字と式」になったとしても同じ。

小テストには「正負の数」を入れていました。

それは、みんなが全問正解するまで。

みんなが全問正解したとしても、人はかならず忘れるものなので、大分、時間がたってから昔の単元の問題も入れました。


こうやって、生徒の凡ミス、ケアレスミスをなくしていったのです。

ここまで繰り返し勉強させられれば、いざ試験会場にいったときも、ミスしにくくなります。

いわば、斉藤一が「突き」だけを修練してきて、強敵と渡り合ってきたのと同様、基本を確実に解けるようにしてきたことでライバルと対等以上に渡り合えるようにしたのです。


ちなみに、数値を変えただけでの問題なので、2回もすれば、みんな満点になるだろうと思われるかもしれませんが、現実はちがいます。

同じ間違いを繰り返す生徒もいれば(解説すると「あっ!」という顔をします)、やはりケアレスミスをする生徒もいました。

やはり繰り返しが重要です。



■入試問題、模試から逆算する


中学3年にもなると、「2x=4」であれば、ほとんどの人はケアレスミス、凡ミスさえしません。

このような問題を繰り返し解かせても合格できませんので、「簡単な問題で誰もミスしない」と「ほとんどの人が解けるけど、ケアレスミスや凡ミスする人も多い」の間の「ライン」を知る必要があります。


そのために、入試問題、模試を解くことが大切です。

また、特に模試は、何問解けば偏差値はいくらになるのかの目安がわかるものもあるので、その目安を元に、「どの問題を解けばいいのか」を考えます。


大体、設問でいえば、問1、問2、問3となるごとに問題の難易度があがっていくので、問1だけを確実に解けるようにすると偏差値50以上になるイメージですけどね。


■高校生は独学できる


この勉強法は、中学生にはすこし難しいと思います。

先生、親などが、「どのレベルの問題を確実に解ければいいのか」を見極めたうえで、示してあげる必要があると思います。

しかし、高校生になれば話は別です。

志望大学の過去問を買ってきて、合格ラインの偏差値から逆算して「このレベルの問題は解けるべき」「このレベルの問題は解けないだろう」と自分で逆算するといいでしょう。

そして、そのレベルの問題をミスがなくなるまで、何度もしつこく解くのです。


■先生へ~素質がある子どもは勝手に解く


「誰でも解ける問題ばかり解けても、偏差値55ほどが関の山ではないのか」


そう思ったかもしれませんし、わたしもその通りだと思います。

ただ、素質がある子どもは、応用問題に割く時間をすくなくしても、言い方は乱暴になりますが、勝手に勉強していきます。

※)もちろん、前に書いたように「やる気」をあげておく必要はあると思いますが。


わざわざ多大な時間を割く必要はないと思います。


ちなみに、ふつうの先生は「一度教えたことができないのは生徒が悪い」「宿題を出す」などのように生徒の責にしているので、わたしのように指導すれば、生徒は偏差値を55くらいになるわけです。


■当たり前のことを当たり前にできるようにすること


受験生なら当たり前にできることを、当たり前にできるようになること。

それこそが、「偏差値40から52までの人の勉強法」です。


受験では時間が限られているため、特に苦手と思う科目でこの手法を使うといいですよ。

時間は限られていますから。


ちなみに、難易度が高い資格試験を一発合格する人たちの勉強法も、これと似ているようです。


■苦手な人に向けて本を出しています!


このような講師時代の経験を生かして「苦手」な人に向けて本を出しています。


・英語は大嫌い。英語アレルギーがある人

→可愛いイラスト・デザインの本がいいのなら『基本にカエル英語の本』(スリーエーネットワーク)がおすすめです。講義風の本がいいのなら『もう一度中学英語』(日本実業出版社)がおすすめです。


・中学のときは英語はそこまで苦手ではなかったけど、復習したほうがよさそう

→『ゼロから始める!大人のための中学英語』『たった10語で話せる!大人のための中学英語』(高橋書店)のシリーズがおすすめです。


・数学は大嫌い!税抜き価格、3割引とかも計算できない!

→『0(ゼロ)からやりなおす中学数学の計算問題』(総合科学出版)がおすすめです。


本でしか伝えることができませんが、本を通じて、みなさまの人生にすこしでも役立つことができれば幸いです。


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