なぜ僕が「クリエイティブに学ぶ、新しい学習塾」をつくるのか 原体験編(2) 新聞に載っちゃったことで・・・
小中高生が、クリエイティブに学ぶ、新しい学習塾 a.school(エイスクール) をつくろう。
僕がそう思って行動し始めたのはなぜか?
その原体験を皆さんにお伝えし、皆さん自身が学びの環境をデザインする際に参考にしてもらおう、というシリーズの第二弾。前回は、僕が小学生の時に、荒れ狂う僕の中に潜む才能を見いだし、僕という存在を認めてくれた塾の先生の話でした。
今回は、僕が中高生の時に出会い、今となっては一番僕の人生に影響を与えたかもしれない、もう一人の先生のお話です。その時は、今こんな仕事をやるなんて露程も思っていませんでしたが、その先生がやっていた授業と近いことをやっていることにとても驚いています。
それは誰か?
実は、皆さん、ご存知のこの人!
そう、マスター・ヨーダ。
・・・ではなく(残念ながら、僕は地球生まれです。フォースも使えません笑)、
楊田先生という、中高の時の政治経済の先生です(あだ名がヨーダ先生でした)。
ヨーダ先生は、僕が中学2年生の時に、新任で赴任してきた若い先生で、僕たちととても距離の近い先生でした。先生というよりは、いいお兄ちゃん、という感じでとても話しかけやすかったですし、授業もとても楽しい雰囲気で行われていました。ちょっとオカマっぽい話し方をしたりと、変なところもありましたが、そういう凸凹も含めて、親しみやすかったですね。
もちろん、親しみやすいだけではなく、授業がとても刺激的で面白かったんです。事前に家で教科書を学んできて、授業では議論や発表などを行う、今で言う「反転授業(知識習得は家で行い、授業では議論や発展的な課題に取り組む形の授業)」っぽいことをやっていたんだと思います。手を挙げて発言した回数がダイレクトに点数に繋がるという授業でした。ただ聞くだけの授業と違って、参加しながら学ぶ、というのが圧倒的な違いでしたね。
その先生の授業の中で、今となっても強烈に覚えている授業が2つあります。今回は、その2つの授業を紹介させて頂きます。
1つめは、
「新聞載ったら10点」
という授業(もはや授業ではないですね笑)。
これは、ヨーダ先生の何気ない一言から始まりました。
(また、なんか変なこと言い出したよ・・・)
これ、たぶん半分冗談だったんだと思います笑(真相は不明)。でも、ここに1人、本気で10点を狙っている男がいました。それが、僕。
「よし、これで10点取ったら、僕でも学年1位を狙えるんじゃないか。テストだけだと勝てないけど、これなら行ける!」
そこで、新聞のあらゆる記事を読みあさり、見つけました。
青年の主張コーナー!
「よし、これだ!!!ありきたりなやつはダメだな、中学生が言ったらビックリするようなことを書いてやろう!どんなテーマがいいかなぁ・・・(ムニャムニャ)」
と、1人で色々と作戦を立て、学校から帰ったら宿題より前にこっちの準備に取り組み、なんとか書き上げて、新聞に投稿しました。
そして、数日経ち・・・
ドキドキ・・・
なんと、本当に掲載されてしまいました!
これがその時の記事です。
今見ると、恥ずかしすぎますが、
大人を偉そうにディスった記事。
「まず、大人は、自分の足もとを見るべきです」
はい、仰る通りです。
少年時代の僕に頭が下がるばかりですが笑、
この新聞をヨーダ先生に意気揚々と報告しに職員室に行ったところ、
という予想通りの結果になりました笑
でも、僕はちゃんと10点を貰えたので満足しましたし、実は思わぬ効果があったんですね。
それは、
新聞を読むようになったこと。
様々な時事問題に興味を持つようになったこと。
これ、新聞は大事だから読め、って真面目に言われても読まなかったと思うんですよね。
真剣に10点取るために、というか、本気の遊びとして、新聞を隈無く調べたからこそ、いつの間にか新聞に、そして、色んな世の中の事柄に自然に興味を持つようになっていました。大人になった今も、新聞やニュースは比較的よく見ます。
これは、してやられたなぁ、という感じですね。どこまで意図していたかはわかりませんが。
最近、子どもが自発的に楽しく学ぶためには「ゲーミフィケーション(学びのゲーム化)」が大事、などという声も聞きますが、ヨーダ先生は15年前からやってましたね。僕も今a.school(エイスクール)で実践に取り入れています。
ちなみに、余談ですが、1つの新聞社に投稿してダメだったら次は内容改善して他の新聞社に出す、ということまで用意周到に考えていました。こういう自分の戦略的な行動も面白かったですねー、普通のテストだとそこまで燃えないのに笑
さてさて、ちょっと長くなってしまったので、ヨーダ先生のもう一つの授業は、また次回に。
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