象牙色のフランス旅行 第7話
Oh, c’est … .? Dans une telle place?
(え~っ!? こんなところに?)
さて、赤いワンピースを撃退した翌日は行きの飛行機でちょっかいかけてたコにデートを申し込んであったので、朝からもうウキウキ!!
行く場所はコンコルド広場とルーブル美術館。
といっても僕の目的は「そのコとのデート」なんで、場所はどこでもいいし、意識もそこに集中してるので、芸術とか美術品の鑑賞とかどうでもよくなってる。手とかもつなぎたいけど照れてしまい(というより、それをしたときに怒られそうで怖くて)出来ない。
惚れたモン負けですよね、ホント。
まず、ルーブル美術館。
広場にガラス張りの逆ピラミッドがあって、そこの手前で地下にエスカレーターで降りるとそこが入り口でした。地下から見るとピラミッドがすっげぇキレイ。
広いですね、さすがに回るのに何日もかかる、と言われてるだけのことはある。彼女はもっとゆっくり回りたかったようですが、僕は結構早足で回ってしまう。申し訳ないことしたなぁ。
絵とかよりも彫像とか歴史的な遺品とかの方が見てて面白いんですよね。だからエジプト系の展示物見てたりとか。あ、モナリザはちゃんと見てきました。
ルーブル美術館を出て、近くにあったVirginレコードのお店へ。
ここでも幾つかCDを物色。ドリームテクノのコンピを買う。前日、ホテルで見ていたテレビでCM流していたCDだった。ってことは結構いいのかな?ジャケ買いしただけなんだけど。
と、ここで、同室のツレと偶然遭遇(こいつはホントに・・・)。
何故か一緒にCD見たり、雑誌見て回ったり。
しかし、僕としては
「貴様、それでもツレか?」
と言いたくなる。
今なら「空気を読め、考えるな、感じろ」です。
こっちは
「デート中」
なんだよ、邪魔すんじゃねーっての!!
頼むから俺のこの殺気を感じろ!!
とりあえず、店を出たら、ツレは別の場所へ行く、ということで別れた。
よーし。デート再開。
時間は丁度お昼。
どっかで食べよう、となったが金額が怖くてどの店入ればいいかサッパリ。
とりあえずCafeっぽいとこ入った。ここならそんな高くないだろう。
で、メニュー見て(というより金額のみ見て)注文。
何が来たんだっけなぁ・・・確かフランクフルトとパンだったかなぁ。全然足りない。
しかし、金もないし、メシに時間かけられないからこれでガマン。
カフェを出て、そのままコンコルド広場(だったけ?)を散歩してると、何やら金色に光る像がある・・・もしかして・・・
ジャンヌ・ダルクじゃーーーーーーーーーーーーーん!!
こんな近くにあったんかい!!
昨日の努力やトラブルは何だったんだー!!とショック。
時間と金と体力の浪費だーっ!!
という気持ちもあったけど、諦めてたものが棚ボタで手に入ったような、そんな嬉しい気持ちもあり(愛しの人に会った、そんな感覚でもあります)、ツレの女の子そっちのけで写真撮影。
いやいや、かっこいい。
よくよく考えてみりゃ、「英雄」なわけですから中心街に銅像なり、記念碑なりあってもおかしくないわなぁ。下調べしてない僕が悪いんですけどね。写真撮ったあともボケーっと眺める僕。それぐらいキレイでしたよ。
ある意味今回の卒業旅行で僕が一番見たかった、会いたかった「人」であり、目的でしたから。
そうこうしてるウチにデートは終了。
彼女は別の友人と夕食の約束をしてるのでホテルに戻ることに。ホテルに戻っても夢見心地な僕。
デートも達成、目的も達成しましたからね。気分的には「両手に花状態でデートした」気分です。
昨日までトラブル続きだったけど、いやぁ楽しい。その日も同室のツレと晩飯を食うことに。というよりお互いに金ないし、特に約束してないからそうなるだけなんだけど。
で、さぁ何を食おう?と。
マックは昨日食ったし、出かけるのもめんどくさい。金もないし。と、そこでツレ、「俺、カップラーメンとインスタント味噌汁持ってきてるぞ。お前も食う?」
お前は偉い。
昼間は「空気を読め」なんて思ったけど、申し訳ない、お前はイイヤツだよ。
カップラーメンと味噌汁を旅行カバンから取り出す、う~ん何か久々に見る日本語だ。安心する。
で、お湯はどうすんだ?と聞くと、「どうしよう?」と返ってきた。おいおい。
二人で協議した結果、ホテルの一階にあるレストランでお湯をもらうことに決定。
フロントに行き、レストランでお湯ってもらえるの?と聞いてみるけど上手く伝わらない。
う~んどうしよう?と、そこにタイミングよく、先生登場。先生にレストランでお湯がもらえるのかどうか聞いてみる。
「言えばもらえると思うけど、HotWaterじゃだめだぞ。boiled waterって言わないと熱いお湯出てこないぞ。」なるほど。boil=沸かした、ね。さすが先生。
レストラン行って、シェフを手招きして「boiled water please」と頼んでみると、不思議そうな顔はされたけど、少し待ってたらお湯持ってきてくれた。
しかもちゃんと断熱の大きめの紙コップで。気が利くねー。
それを持って、エレベーターに乗り部屋へ。エレベーターで他の客も不思議そうに僕らを見てる。想像してみてください。湯気出てるコップ持って名古屋弁で騒いでる象牙色のデカイ男とその友人らしき男。明らかに不審人物。
部屋に戻りラーメンと味噌汁にお湯を入れて待つ。
部屋にテーブルはないので、床に直置きで、僕らもどっかとあぐらで座ってラーメンをすする・・・カップラーメンってこんなに美味かったっけ?もう、貪る貪る。
こんな美味いラーメンねぇぞ、と言いながら二人して食ってました。パリにいるのもあと2日。
残り2日をどう乗り切るか、頭はそれでいっぱいです。
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