14 親の初夜の次の日の話 ウソ【息子たちに 広升勲(デジタル版)】

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この話は、わたくしの父が1980年に自費出版で、自分と兄の二人に書いた本です。

五反田で起業し、36で書いた本を読んで育った、息子が奇しくも36歳に、

五反田にオフィスを構えるfreeeの本を書かせていただくという、偶然に五反田つながり 笑

そして、息子にもまた子供ができて、色々なものを伝えていければいいなと思っています。 息子 健生

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ウソ

夜が明けた。

台所で顔を洗っている母ちゃんに、

「後悔していないか?」とたずねた。

「エエ、チットも」母ちゃんはニッコリ笑った。

何か清々しい感じの朝だった。

また二人は、ながーい、キッスをした。

七時半、父さんはアパートを出た。さすがの母ちゃんも、その朝は、はずかしかったのか、部屋から外には出なかった。「じゃまた」小さな声で別れた。

鉄製のアパートの階段を音をたてないように気づかいながらおりた。

二キロほど走って本当にガソリンがきれた。早朝のためガソリンスタンドは開いていなかった。オートバイをおして歩きながら、“ついに彼女と深い関係になったな”と思いつつ、何かしらウキウキオートバイをおした。そして会の本部に八時半までに帰ることはできなかった。

途中で職員の川村さんに電話を入れた。

「どうしたの」彼はきいた。

「ウン、杉並に住んでいる斎藤さんという友だちの家に泊っておそくなったんだ」とウソをついたんだ。


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