フィリピン人の彼女と会って5日で婚約して結婚しなかった話 - (8)彼女への誕生日プレゼント
ホテルの部屋で目が覚めたのは昼過ぎだった。
う~、まだ酒くさい。
おれ、本当にフィリピンに来たんだな〜
ネットで知り合って間もない頃
彼女が日本に居た時の話をした。
6年前、彼女が日本で働いていた時
彼女には、日本人の恋人が居た。
でも、ビザの期限が切れるために
彼氏に「必ず会いに来て!」と約束し
泣く泣くフィリピンに帰ってきた。
しかし、1年が過ぎ、2年が過ぎても
彼氏がフィリピンに来ることは
無かったそうだ...
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日本語を忘れないように
チャットをしていたのは
まだ、その約束を信じているから
なのかも知れないと思った。
そんな、思いをしているのに
日本に居る自分に告白するなんて...
フィリピンに行こうと決心したのは、
彼女が信じていることが
ちゃんと在るんだと言うことを
見せてあげたかった。
彼女に会うことの目的は、それだけだった。
正直に言えば、彼女と恋人の関係に
なるかどうかは、あまり重要ではなかった。
自分が日本に帰った後、
彼女のこれからの生活において、
ひとつの自信に繋がれば、
それだけで十分だった。
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彼女が頭にタオルを巻いて
バスルームから出てきた。
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確か、ホテルに戻るタクシーに、
一緒に乗ったところまでは覚えてる。
昨日はいろんなことがあったし、
遅くまで飲んでたからなぁ。
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ベット広いし、
家よりこっちがいい
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まっ、確かに...
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彼女の誕生日が2週間後だったので、
何かプレゼントを探そうと思った。
でも、ナイショにしておいた。
ホテルの近くのJolliybeeで、
(フィリピンのマクドナルドみたいな店)
遅い昼メシを食べて、NCCCモールという
ダバオでは、まぁまぁ大きい
ショッピングモールに来た。
さすがにモールだけあって
食べ物から電化製品まで
何でも売っている。
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おっと!ナイスタイミング⁉
彼女が欲しいものを、
さり気なくリサーチ開始だ!
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たどり着いたのは靴売り場。靴か...
靴といっても、フィリピンの靴売り場は
8割がビーサンかサンダルだw
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彼女は5人兄妹の長女。
兄妹の面倒をみたり、家族のために働いて、
家の生活を助けなければならない立場なのだ。
ならば、
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昨日、彼女が使っているPCを見せてもらった。
埃をかぶって今にも煙が出そうな、
型の古いデスクトップ。
ネットはUSBのWI-FIチューナーが
刺さっていた。
こんなところでも電波が届くことに驚いたが
Webカメラの映像が
ちょいちょい止まっていたのは
パソコン自体が古くて
明らかにスペック不足。
手ごろな値段のノートPCでもあれば
ふんぱつしちゃおうかなと思っていた。
でも、値段を見てビックリ!?
電化製品の値段は、
ほとんど日本と変わらない...
これじゃ、地元フィリピンでも
裕福な家の人でなければ手が出ない。
ましてや、5泊6日の旅行者のお小遣いで
買えるはずもない。
その後も収穫はなく、
彼女の家に向かうことにした。
作戦練り直しだな...
夕べは真っ暗でよく見えなかった
彼女の家の周り、ほぉ~、
こんな感じだったんだね。
さすがに観光客は来ないなw
昨日は少し怖かったけど、なんだか懐かしい。
それは、自分が子供のころに見た
日本の昭和の風景。
子供たちが遊ぶ声が響き、
隣近所は全員顔見知り。
悪さをすれば怒られる、
おっかない大人が居る。
困っている人がいれば、みんなで助け合う。
何不自由なく日本で暮らしている自分。
でも、ほんとに幸せなのは
どっち?・・・
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誕生日プレゼントね。
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はずかしい...
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直したいんだ。
彼女の予想外の答えに、
ちょっと面食らった。
ネットでのやり取りをしていた時に
何度か彼女に仕送りをしたことがある。
側から見れば、それは騙されているとか、
貢いでいるとか、そんな風に
見えるかもしれない。
でも、それは違う。
自分で何とかしようと
精一杯もがいて、それでもどうにもならず
カメラ越しの私に向かって
子供のように声を上げて泣くしかなかった
彼女の姿を見たとき、
彼女が背負っている責任の大きさと、
責任感の強さを知ってしまったから。
彼女の27歳の誕生日プレゼント
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