京の冬の旅で人生初のスカウトを受ける! 〜青春の京都学生ガイドクラブ〜

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冬はバスの仕事はオフシーズンなのですが、別の仕事がありました。それは「京の冬の旅」の現地ガイドの仕事です。


「京の冬の旅」は、京都市と京都観光協会が主催で、冬期に観光客を誘致する取り組みとして「非公開文化財特別公開」を行い、それらの文化財を巡る定期観光バスの特別コースを走らせる…というもので、毎年実施されています。


「非公開文化財特別公開」というのは、普段は、観光客が入ることができない寺院をこの時期だけ特別に拝観できるというもののため、コアなお客さまにとっては、なかなか「刺さる」企画です。


この、特別公開される寺院等に詰めて、お客さまが拝観にいらっしゃったらガイドをするというのが、わたしたちの仕事でした。


ご存知の方はご存知でしょうが……。


冬の京都の寒さと言ったら、半端ないです。例えて言うならば、「地面の下に湖が凍って、冷気が地面からたち登ってくる」というイメージです。


そして、寺院といったら、暖房など普通ありません。お客さまに対してガイドしている間はいいのですが、それ以外の時間は、お客さまが来られるまで、ひたすら待たなければなりません。待っている時間の寒さと言ったら…、もう、子どもの頃に克服したはずの、しもやけになりそうでした。(泣)


京の冬の旅では、珍しい寺院にいろいろ行かせていただきましたが、特に覚えているのは、東寺五重塔です。


東寺五重塔は、京都駅の南側に見えますので、ご存知の方も多いでしょう。普段は、中を見ることはできないのですが、京の冬の旅で公開されたことがあり、その時にガイドを担当しました。中の仏像がとても素晴らしく、「仏像好き」のわたしにとっては、たまりませんでしたね。


とはいえ、底冷えのする京都で寒い中仕事をするのですから、楽しみと言えば食事です。


東寺では、お寺のお坊さん用の食堂を利用させていただくことができました。日替わりで具が変わるうどんが定番のメニューだったのですが、もう、今でも思い出します。油揚げと刻んだねぎを乗せただけのうどんでしたが、本当においしかった〜! あの食堂は、今でもあるのでしょうか?


東寺でガイドをしていた時、来られたお客さまでお二人、忘れられない方がいらっしゃいます。


お一人は、元バレーボール日本代表監督の田中幹保さん。大ファンだったので、握手していただきました。もうお一人は、東京でお店をやっている会社の社長さんで、わたしのガイドを聞いていただいた後、名刺を渡され「ウチに就職しなさい」とスカウトされました。(笑)「やった〜、就職先に困ったら、ここに電話しようっと」と仲間に見せて喜んでいましたね。


この他、京の冬の旅では、長楽寺、建仁寺久昌院、大徳寺退蔵庵、梅宮神社等のガイドをさせていただきました。普通の京都観光では、まず行かないようなところばかりであり、1つの場所で何日間も詰めてガイドをするので、本当に細かい「ウンチク」まで覚えました。バスガイドのように大勢のお客さま相手ではなく、一人一人のお客さまとじっくり向き合って話すこともできたので、とても良い経験になりました。


京の冬の旅、今年も開催されますね。京都へ行かれる方は、ぜひ、足をお運びください。

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