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14/12/22

フィリピン人の彼女と会って5日で婚約して結婚しなかった話 - (10)ボスキャラ登場

Image by Olia Gozha

お揃いの指輪にそんな意味も

含まれていたことに、気づかなかった...

会社の同僚「お前、フィリピンから帰ってきたら、結婚してたりしてなw」

休みを取るときに冗談半分で言われた

仲間の言葉を思い出した。

「今日は野郎ども来ないんだね?」

「みんな今日は家でおとなしくしてるって」

「さすがに3日連続は、奴らもキツイか・・・」


そっか、滞在期間も、もう半分過ぎたのか...


初日はどうなるか不安だったけど

ここには、もう自分の居場所があった。

居場所のある安心感からなのか

彼女も、彼女の家族も、ここに住む人たちも

この場所も、少しづつ好きになっていた。

「ねっ、明日さお父さん、お母さんと4人でご飯食べに行こうよ」

「4人で?」

「お母さんどこにも連れて行ってあげてないから」

「そうだね、いいんじゃない」

「やったぁ~じゃ~、明日は焼肉ね♪」

そんな話をしながら

3日目の夜は、少し静かな晩メシを食べた。

ブリキの板を型抜きしただけの

フォークとスプーンは

おかずを刺すたび、冷えたご飯を

崩すたびに先が曲がる。

ナイフを使うような料理が

テーブルに並ぶことは無い。

でも、ちょっとした出来事に、

泣いて、笑って

一緒にご飯を食べる家族が居る...


自分が滞在している間、彼女が帰る家は、

自分が泊まるホテルになっていた...

自分が滞在しているホテルは

マルコポーロダバオ。

ダバオの中で3本指に入るぐらい、

値段の高いホテル。

ダバオでは真ん中のランクのホテルから

満室になり、値段の高いホテルは

空室が多い。

自分が予定を立てたときは、

ここしか部屋が取れなかった。

彼女は、バスタブ付きのお湯が出る

シャワーが気に入ったみたいだ。


ホテルの入り口のボディチェックの時に、

毎晩遅い時間に戻る自分達の顔を覚えていた

ドアマンが「婚約者?」と訪ねてきた。

指輪の件もあったせいで、

ちょっとドキッとした。

「なぜそう思うの?」

ドアマン「毎日同じ女の子と戻ってくる日本人は少ないね。」

ドアマン「もし、日本人と結婚してる女の子だったら靴を履いているよ。」

ドアマン「ビーサン履いてて、いつも一緒の女の子なら、それは婚約者か恋人だろ?」

お~、にーちゃんスルドイね~

「恋人だよ」

ホテル代、1人分の料金しか払ってないけど

いいよね?(^-^;


翌朝、彼女と一緒にホテルを出た。

お父さんとお母さんを迎えに行くには、

まだまだ時間がある。

今日は、少し観光気分を味わおうと

Jones Beach Resortという名前の

海岸に行った。

ここは、管理されたビーチで、

入るためには入場料(100円ぐらい)を払う。

曇り空でオフシーズンだったこともあり、

入場者は2人だけ。


灰色の空、黒い砂浜...

日本の海と変わらなかった...


「そろそろ迎えに行こうか?」

「あっ、途中で買い物していい?家にお米がないの・・・」

「わかった」

みんな、いっぱい食べてたもんね。

途中のローカルマーケットに

立ち寄り、お米を買う。

「じゃこれ、2つね!」

彼女が指さしたお米は、50Kg 2袋...

「あなた持ってね」

「おいおい」

「ジョークだよふふふ」

「あほ~」

マーケットの店員さんに

店の外まで運んでもらった。

そして、お米を運ぶために乗った

タクシーを待たせて

お父さんとお母さんを乗せ

ダバオの中心街に向かう。


焼肉屋さんは、飲食店が並ぶ

フードコートの一角にあった。

思ってたよりも、まともで店の中もきれい。

左側に焼き網とその上に煙を吸いだす

煙突が付いたテーブルが6つほど並び、

右側はカウンター席。

「前に1回だけ来たことあるんだ~」

「いい所知ってるじゃん」

「でも、メニューは解らないからあなた頼んでね」

定番メニューを4、5品頼んで

焼けたお肉をお父さんとお母さんの

お皿に乗せ、どうぞ!と合図する。


お母さんは割り箸と格闘、

父さんは、おっ⁉上手いじゃん。

ちゃんとお肉を挟んで食べている。

つーか、お父さん

割り箸割ってないし...

フォークとスブーンを借りた・・・


頼んだお肉をあらかた食べ終わった頃、

お母さんが、何か話しかけてきた。

「何て言ってるの?」

「あのね、このあと会ってほしい人がいるんだって」

「会ってほしい人?」

「うちの親戚の中で一番えらいおじさん」

「その人に会わせて二人のこと許可してもらうって」

「あははっ、あはははは~」

「いいよね?」

なんかあると思ってたけど、

いきなりそれかぁ~、気が重い...

しぶしぶ、彼女の家に戻ると

一番エライおじさんが、

既にリビングの椅子に腰掛けて

ビールを飲んで待っていた。


うわぁ~、見るからに態度でかいよ、

このおっさん。

エライおっさん「さて、あんたかい?俺に会わせたいって奴は」

昨日まで居心地のよかったリビングが

一気に面接会場へと変わった。

「酒、もっと飲んでおけば良かったかな・・・」



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