フィリピン人の彼女と会って5日で婚約して結婚しなかった話 - (12)立ちションの夜
日本に帰る飛行機は明日の早朝。
実質的に、今日が最後の1日。
ゆうべの事は、とりあえず様子を見よう...
来年結婚すると言っちゃったとしても
まだ、来年の話だ。
どうなるかなんて、解らない。
それに、もしかしたら、
本当に結婚するかも知れない。
買いたいな
ホテルの横に道を挟んで
小さなお土産屋さんが
軒を連ねた場所がある。
いつも日本円をペソに
両替えしていた所だ。
ダバオの街自体は大きいが
田舎町でノンビリしている。
彼女の家から遠くない場所に
アポ山と言う自然豊かな
アクティビティもあるらしいが、
そんなに観光地というわけでもない。
ん~、お土産、お土産...
アジアンテイストな小物や
キーホルダーは売ってるけど
フィリピン行ってきました的なものは、
これといって無いなぁ。
そう言われて、食べ物のお土産
コーナーを見れば、あるわあるわ
ドリアンキャンディー、
ドリアンチョコレート、
ドリアンタルトにドリアンクッキー
なんかパッケージもフィリピンぽくて
いーじゃんこれ。
とりあえず試食用に少し買ってみて
美味しかったら、これにしよう!と
キャンディとチョコを買ってホテルに戻る。
どれどれ…ドリアンチョコ
ほ~、なんとも表現のしがたいマズさだ...
ウケ狙いで、変なお土産買ってくる
会社の同僚も居るけど
これは、間違いなく罰ゲーム級だ。
食べた後にドリアンの匂いがずーっと残る...
...お土産は、また考えよう。
そういえば、2人だけで、
ゆっくりする時間は、ほとんど無かった。
どうだった?
通りの人でよかった
日本人なのに威張ってないし
ずっと一緒にご飯食べてくれて
嬉しかっただって
あいつ等、そんなこと言ってたのか...
話してたけど、本当にいいの?
まだ5日だよ?
心配はないの?
2人一緒に居たのは
1年半でしょ
確かに、彼女の言う通りかも知れない。
ただ、明日になれば
また、2人は
離れてしまうでしょう?
今度、いつ会えるのかな?
大丈夫
そう言って、彼女は
首から下げた指輪にキスをした。
そこまで、想っててくれるなら
本気で考えよう。そう思った。
彼女の家で晩御飯を食べるのも、
今日が最後か...
いつものように、マーケットで
晩御飯のおかずを買って
彼女の家に帰ると、すでに奴らが居た。
2人の婚約祝いだろ?
1年間の猶予が無くなっていた(汗
そう言って見せてくれたのは
ドリアンだった...
新鮮なやつなら
臭くないんだよ
今晩寝られないぐらい
元気になっちゃうぞ
これなら、いけるかも?
人生初のフレッシュなドリアンは...
やっぱり、ダメだった。(^-^;
匂いも、味も行けなくはないんだけど
食べた後に、ぶるぶるっって
体が震える様な感覚になるのよ。
もうひとつ食ってないもの
食わせてやるよ!
そう言って、エディが豆腐売りみたいな
自転車のおじちゃんを呼び止めた。
それは、バロット。
聞いたことはあったけど、
こっちは、注文の仕方からしてダメだった...
「何日目にする?」って、育ち具合で
頼むんだもんなぁ~。
フィリピンとダバオの2大名物は、
好きになれなかった...
買うするか?
前に行った、近所のスーパーへ
みんなで歩いて買い出しに行く。
おしっこ漏れそう!
通りの横を流れる、小さな川に目線をやる。
漏れそう!
結局、男4人肩を並べて立ちション...
大人になってから、並んで立ちションなんて
したことなかったなぁ~
何気なく見上げた空は、
手が届きそうな星空。
おれ、明日帰っちゃうんだ...
そろそろホテルに戻るよ
身体は無理すんなよ
彼女の家族、野郎ども全員とハグして
別れのあいさつをした。
5日前、
日本人の客として迎え入れてくれたみんな。
今は、ファミリーとして送り出してくれる。
また来るよ...
ホテルの入り口には、
いつものドアマンが立っていた。
幸せだねぇ~
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