フィリピン人の彼女と会って5日で婚約して結婚しなかった話 - (13)ニノイアキノ空港2
楽しい時間はあっという間に過ぎた...
お前が言うな!
大丈夫
帰りもマニラまで
彼女に送ってもらう予定で
彼女の飛行機のチケットも
日本で手配していた。
シャワーを浴びてバスルームから出ると
すでに彼女は寝息を立てている。
ベッドの真ん中にうつ伏せで大の字になり
掛け布団の下からつま先だけ顔をだしてる。
かわいいけど、色気もへったくれもない...
明日の今頃は自分の部屋に居るのかと思うと、
一気に現実に引き戻される感じだった。
窓の外が白み始めたころ
彼女をたたき起こして
バスルームに放り込み
荷造りをはじめる。
なんとかホテルをチェックアウトして
ホテル送迎用の車に乗り込み
ダバオの空港に向かう。
朝が早いこともあって
乗っているのは2人だけだった。
帰っちゃうんだね
お互いの手を握って、そこから先は
車を降りるまで無言だった。
日本と違い、フィリピンの空港は
飛行機のチケットをもっていなければ、
建物の中にすら入れない。
こんなやつでも、帰りは頼りになる存在だ。
ダバオ空港の中の売店で
買いそびれたお土産を探す...
ドリアンキャンディー、
ドリアンチョコレート、
ドリアンタルトにドリアンクッキー
10時ごろには、ニノイアキノ空港に着き
あとは、日本行きの飛行機の時間を
待つだけだ。
第2ターミナルの横にあるJolliybeeで
朝ごはんを食べて、出発ロビーの外にある
待合い用のベンチの一番端に腰掛けた。
マニラの空は青くて、
時々、心地良い風が流れる。
夕方だよね?
それから帰るね
出発ロビーの中から、ガラス越しに
こっちを見る彼女に手を振る。
彼女はくるっと私に背を向けて、
手を振りながら、人ごみの中に消えていった...
自分はバッグから上着を取り出し、
2月の成田を後にした。
6日ぶりの自分の部屋。
6畳間のちゃぶ台の上のパソコンは
確かに世界に繋がっていた。
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