「英語は訳すな」の功罪 ー私の場合ー 第1回

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留学の夢はとっくに諦め、英語で仕事していたわけでもないのだけれど、好きになった人がアメリカの人だったため、結婚してアメリカに住むことになった主婦のお話です。「読みたい」と言ってくださる方がいたので、「20年くらい『英語は訳すな』をやってみたらこうなったよ」という一経験談として書いてみようと思います。

渡米前


英語以前


家から1時間ほどかかる小学校に通っていたので、夏休みのラジオ体操に地域の公園に行くと、グループに入れてもらえることもあるけど、やっぱりはじめは1人なので、同じく一人でいる外国から来たばっかりの子と仲良くなることが多く。家に帰って「今日は◇△ちゃんと仲良くなった〜」と言うと、母が「え?今日はどこの国??」という会話がちょくちょくあり、内心母は心配していたのではないかと思う。


私には日本語だけど、家族には外国語で話している同年代の友だちに憧れたのは自然な流れだったかもしれない。

ちなみに、一番最初に興味を持ったのは中国語。でも、「中国語やりたい」とか口にすることもなく、中国語を話している人(特に近所の中華料理屋さん)を興味津々でみつめていただけだった。


英語教室

英語に興味を持ったのは、小学校3年生のときに行ったキャンプ先。

小学校低学年の間、月一回の社会教育団体(YMCA)の野外活動に参加していたのだけど、その年のキャンプにはアメリカからの家族も参加していて。同い年くらいの子もいたから一緒に遊びたかったのだけど、いかんせん一切日本語ができない人と接したことがなかったので、どうしたらいいかわからず、もどかしかったのだけは覚えてる。


この時には、英語クラスなるものの存在もうっすら知っていたので、キャンプから帰ってきてすぐ、両親に「英語やりたい」と言って、同じYMCAの英語クラスに入れてもらった。おそらく自分から行きたいと言った初めての習い事。これがまた地域の学校に行ってなかったせいで、送り迎えなど母親にえらく負担がかかったと思うのだけども、本人は楽しくやっていて、やめる気はさらさらなかったのでした。


留学の夢と現実

飽きっぽい性格のおかげで一時下火になりかけた英語熱も、なぜか小学校6年生のときに再燃し、家族会議の結果、家の近くの英語教室に行かせてもらうことに。幼心にどっかで聞いた「今を逃したら発音とかいろいろ制限がかかる」を信じていて、やたら焦っていたような気がする。


「英語は訳すな」を叩き込まれたのもこの時期。「頭で訳してる時間なんてないでしょ」と言われ、素直に「それもそうやな」と思って、知ってる単語を駆使して何とかコミュニケーション取ろうと頑張ってた。

ただ、いたずらっ子3人が集まったので、その教室では勉強よりも遊んでた思い出の方が多いのだけど、多分ここの時期(中2くらいまで)に学んだことが土台になってるのは確かだと思う。


このときのクラスメートが一人、また一人と留学し、充実した留学生活の話を聞くたびに、残されたわたしは悲しさのあまり「留学できないんだったら、英語なんか見たくない」モードに突入。そこから15年ほど、事実上のブランクが空きます。


ブランク

学校の英語は、今まで習ったことでなんとかこなし、たまに英検やTOEICも受けたりしていたけど、目標を失ってしまって、14歳のときのレベルをキープするのも難しかった(一時期できていたことができなくなるのは、ものすごくもどかしい)。

高校の春休みに行った短期留学では「やっぱり留学したい」という気持ちが強くなったのだけど、「今はできない」という現実にくじけ、興味は手話や韓国語に移っていった。今思うと、本当にあのとき勉強しときゃよかったと思うのだけど、それに気づいたのは、大学の終わりに行ったインターンで「仕事で通用するレベルではないな」と思い知らされてからだった。


多読&多聴

唯一続いていたのは大学の時に出会った、やさしい本をたくさん読む「多読」。この方法は「辞書はひかない」というルールが「英語は訳すな」のポリシーに合致していたし、何より楽しかったので、勉強というより趣味として取り組んでいた。


「辞書をひかずにどうやって?」と思われるかもしれないけれど、要は辞書もいらないくらい簡単な本から始めるということで。それでもたまに知らない単語には出会うんだけど、大事な単語は何度も出会うから、文脈とか挿絵から徐々に「あぁ、こういう意味か」くらいの感覚がつかめてくるから大丈夫。時間がかかるけど、こうやって覚えた単語は忘れない(訳は出て来ないけれども)。


このときはまだ「よし、読むぞ!」と気合いを入れて読む感じだったけど、昔読んでた本の原書を読むのはなんかうれしくて、勢いで読んでた気がする。

学生身分で買える洋書の数は知れていたので、SSS英語学習法研究会さんの図書室には大変お世話になりました。


ーーー

まだ肝心の功罪について書けてないのだけれど、予想以上に長くなってしまったので、渡米後のことは第2回で書きます。

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