フィリピン人の彼女と会って5日で婚約して結婚しなかった話 - (15)婚約者の次は?

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別れを決断することが、

正しい判断であることを

確かめるための再会だった。


本当はマニラで結婚式をして

ダバオで披露宴をする予定だったので、

マニラ:4泊

ダバオ:10泊

マニラ:3泊

のスケジュール。


前半のマニラ4泊は、手続きをお願いしていた

エージェンシーの様子を見に行ったり、

彼女に会うべきか、会わずに帰るべきかを

考えながら過ごしていた。

そして、会って話をしようと決めた。


ダバオでは、1泊1250ペソ(2500円ぐらい)の

スコールで毎日停電しちゃう安いホテル。

でも、彼女の家からトライシクルで10分の場所にある。

彼女と別れることを決意した経緯は

ここでは書かないつもり。

(ごめんなさい...要望があったら書くかも...)

ただ、結婚の予定をキャンセルすることが

何を意味しているのかは、想像のとおり。


久しぶりに会うファミリーは、

1年2ヶ月前の別れが昨日のことだったように

あの時と同じ笑顔で暖かく迎えてくれた。

もちろん、野郎どもも。


結婚の予定をキャンセルしたこと、

彼女とうまくいっていないこと、

おそらく、みんなが知っていたと思う。


このときの彼女は、家族とも仲たがいを

していて、近くの友達の家に居候していた。

彼女の家に家族みんなが

集まること自体、久しぶりのようだった。

自分が居ないところで、

彼女は家族と何かを話している。

その声のトーンは明らかに口喧嘩みたい。


聞こえてくる会話をさえぎるように

野郎どもが話しかけてきて

一緒に酒を飲もうと誘う。

前回、初めて会って仲良くなった時の

フレンドリーな関係というより

みんな少し気を使って接してくる感じ。

そのやさしさが、逆にツライ...


別れることを決意していたとはいえ、

自分がここに居る10日間のあいだに

何かが変わることを期待する部分もあった。

もし、やり直すことができるなら、

自分が帰るときのために用意した

彼女の分のマニラ行きのチケットを

渡そうと思っていた。


ホテルの部屋で彼女と二人きりになって

少し話をした。

ふたりは結婚しないのか?

自分がどうして結婚式をキャンセルしたのか

今の気持ちを正直に彼女にぶつけた。

そう...

彼女は、ひとつため息をついて、

自分をじっと見つめていた。

今でも、あの時の彼女の悲しげな目を

忘れることはない。


自分がダバオに居る間は、

嫌でも彼女も自分の家に行くことになる。

初めのギクシャクした家族の雰囲気も

滞在期間の半ばを過ぎたあたりから

少しずつ、笑い声が戻ってきていた。


そして、滞在最後の夜...

明日でさよならだね
ほんとに
さよならなの?

彼女の家からホテルに戻るための

トライシクルに乗り、

ライトに照らされて流れる景色と

風の匂いと星空を心に焼きつけた。

もうここに来ることは無いかもしれない。


翌朝、彼女と一緒にダバオ空港に向かう。

チケットがなければ、

空港内に入ることはできない。

昨日、彼女のいとこがダバオ空港で

ガードマンをしている知り合いに頼んで

中に入れてもらえるように話をつけていた。

お金とコネがあれば、ある程度の余白を

得る事ができるのも、フィリピンの文化だ。


結局、マニラ行きのチケットを

彼女に渡すことはなかった...

そして、婚約者の次は、

友達という呼び方もある事を知った。


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