夢のような「初体験」

著者: 栢野 克己

私は22歳でまだ童貞だった。が、初体験が雄琴のソープランド。は避けたい。が、18で京都に来て花の大学生活なのに、4年も彼女ができない。学内で見かけた人、白梅町の本屋、同じゼミ、ECC英会話など。マクドナルトやロッテリアのバイトは最初から彼女探しが目的だったが、ダメだった。好きになってアタックし6人程度で全敗。が、あとで考えると仕方ない。

学内と本屋の女性は、遠くから見て惚れた。そして勝手に妄想し、ある日、ラブレターを書いて手渡し、即座に逃げる。しかし、一向に返事がない。数週間後、思い切って本屋のレジに行って告白したが、彼女は真っ赤になって慌て、オレもスグに退散した。文字通り、こっちの一方的な片思いで、相手は私のことを知らない。相手もどうしようもないっすね。

営業で言えば、まさに飛び込み営業でいきなり買えと。それもモノではなく、いきなり私の彼女になって下さい!あり得ないですね。まあ、外見だけの一目惚れは男女ともあるが、私を見て一目惚れ・・はない。ECC英会話スクールでは、おしとやかな18歳に惚れたが、京都大学に盗られた。完敗。

当時の私は人を学歴や偏差値で格付けしてたので、相手が京都大学や同志社というだけで負けた。勝てないと思っていた。京都女子大の女の子とは5人で集団デートし、その後もハガキをもらった。「1週間待ちましたが、故郷へ帰ります」と夏に。明らかに私に好意を抱いてくれ、後から考えると本当にイイ女性だっだが、私は同じクラスの18歳に夢中だった。結局、恋のバトルに敗れたが。

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その後、英語力をもっと磨こうとニューヨークのコロンビア大学へ二ヶ月の短期留学。お金を払えば誰でも学べる英語講座。クラスは約20人で、ヨーロッパやキューバや韓国や日本から。高3の時に英検二級で、多少は英語に自信があった。ところが、本場の授業ではまったくわからない。私は授業中の個人スピーチで「NYは汚い!犯罪も多い!街には危険な不良がうようよいる!オレはNYが嫌いだ!」とキレた。27才の女性講師ジュディも呆れた顔。


そんな険悪な感じで授業に出ていたが、ある日、ジュディから「ケーキを作りすぎたから家に食べに来ない?」と誘われた。部屋には先客が3人ほど。韓国人の男だ。その中のパクとジュディが恋仲のような感じ。ふーん。宴もたけなわの夜11時。「もう帰る」というと、「カツミはまだいていい。パク、あなたは帰ったら?」えっ?なんてストレートな言い方。何度か喧嘩腰な言い合いの後、パクらは怒ったように帰った。「何で怒ったんだろう?」とジュディがつぶやいたが、そりゃ怒るさ。


で、深夜にオレとジュディの2人きり。が、私は「レーガン政権はどうだろうか?」とか、わけのわからん政治経済の話ばかり。しばらくすると、ジュディが寝室に入った。居間にはオレ一人。しばし考えたが、こりゃ行かなと寝室に入る。「横で寝ていい?」「OK」と。が、私は初めてで何をどうすればいいかわからない。相変わらず「what do you think about Regan administration?」などと言ってると、ジュディがベッドからガバっと上半身を起こし、「こんな人は初めて!」と怒って叫んだ。そうか。「ソーリー。私はやり方を知らないんだ」と素直に告白すると、「OK」と。

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何もつけずに営みがはじまったが、腰を前後に動かしながら、「ここはアメリカニューヨーク。相手は英語スクールの女先生でアメリカ人。初体験がアメリカ人で先生?オレはこんなところで何をやってんだ?毎日、学校で会う先生と生徒。明日もあさっても。ヤバイんじゃないの?」と冷静に考えてたからか、初体験だがなかなかイカない。結果として1時間以上も合体のままで、ジュディから「You have something ability!」と言われた。そうなのか。オレは長持ちテクニシャンか。


中イキのあと、少し休んで2回戦。いや、3回戦もやったか。


翌日、学校には2人で行ったが、股が擦れて痛かったのでガニ股だ。笑いながら、こりゃ最高の経験だ。信じられない。それから2週間、ほぼジュディの家に同棲した。毎晩の阿鼻叫喚アニマル。シェアハウスで別部屋に男性が住んでたが、逃げるように出て行った。そりゃそうだ。


さらにある日の朝、一発やってシャワーを浴びた後、なんとジュディの両親が部屋に来た。互いに驚きを隠すように平静を装ったが、バレバレだ。親や先祖はハンガリーとモンゴル系。そう、ジュディの顔は碧眼で金髪系だが、本人も両親も小柄。車はシビックの4ドア。重苦しい雰囲気で朝食を4人で食べたが、私はもしかして結婚も意識していた。もともと、肉体関係=結婚。という価値観があり、まさかの国際結婚か。


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その後も何度もデートを重ね、カーネギー・ホールでバイオリンの天才イツァーク・パールマンの演奏を聴いたり、ソーホーを歩いたり、ボストンのフィッシャーマンズワーフにも行った。が、残りの2週間はあっという間に過ぎ、別れの日が来た。


2人でバスに乗ってケネディ空港に向かう途中、窓からマンハッタンに沈む夕陽を見ていた。すると突然の嗚咽。自分でも驚いた。嗚咽号泣が止まない。この2ヶ月。最初はNYを嫌ったが、いつの間にか大好きに。離れたくない。別れたくない。ジュディのいるNYと。でも、もう帰らないといけない。空港に着いても2人で泣きっぱなし。号泣しながら飛行機に乗ったが、機上で国際結婚を覚悟した。


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