天と地の間を生きて*現実とスピリチュアルというふたつの世界を生きていく苦しみと喜び【5】最終回
先生は、自分は、今もその声と一緒に生きている。
だから、君のことがわかるんだよと言った。
私は、とてもショックだった。
もう、声を聞きたくない。
だけど、きっと声が聴こえ続けるということなんだと理解した。
どうしよう・・・と考えてる私のことが、全部わかっているように、先生は言った。
「見えないものを見て、聞こえないものを聴くことは、
君にあたえられたギフトなんだ。
これからは、その世界としっかりつながって生きていきなさい。
苦しいこともあるかもしれないけれど、君のもらったギフトが、
君やたくさんの人を幸せにする時がきっとくるから。」
この時の、先生の言葉は、それからの、私をずっと支えてくれた。
それからも、いろんなことがありすぎたけれど、
この先生の言葉があったから、乗り越えてこれたんだと思う。
そして、今でも、先生の言葉が、しっかりと私を支えてくれている。
私は、この時から、
はじめて自分を感じることができるようになったと思う。
それまでの私は、
周りの音や光や匂いに、あまりにも敏感で、
そして、周りのことが必要以上に気になった。
人にも、敏感だったと思う。
人の思いや、エナジーを感じすぎて、とても疲れていた。
そんな私だったけど、
周りのことで不安や恐怖を感じることが、だんだん少なくなっていって、
自分の存在を感じられるようになった。
その頃から、私の音楽は、以前とは、別のものになっていった。
私は、先生に「ギフト」だと言われた感覚を、全開にして音楽に向かった。
すると、今までにない、世界を感じることができたし、
その中で、喜びとともに自分を表現することができるようになった。
本当に自由な心で、演奏出来ていたと思う。
発声に苦しんでいた時、
本番のステージの上で、私の声を良く聴いているもう一人の私を感じて、
その聴いている私の耳が、聴きとっている感じに吸い込まれて、
とても自然に、難なく声をだすことができたこと・・・。
ピアノを弾いている時には、
ものすごく広く大きなエナジーに包まれていることを、実感して感動したこと・・・。
喜びの体験は、数えられないくらい沢山あった。
そして、その魂が喜ぶ体験が、
幼いころの底なし沼のような
恐怖と不安の体験を開放していくようにも感じられた。
それほど、恐怖と不安を感じることが、少なくなっていったということだ。
あの先生が言ったように、本当に自分を救ってくれる感覚へと変わっていったのだ。
私は、私自身が、変容していく喜びを感じることができた。
これは、天からのギフトであり、
生きてるいることの証でもあった。
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