男の子は青。女の子は赤。
みんな、
私の着ているものを見て笑ったわ。
でもそれが私の成功の鍵。
みんなと同じ格好をしなかったからよ。
- ココ・シャネル -(1883年~1971年)
フランスの女性ファッションデザイナー。
よく晴れた土曜日。
そう、今日は週末恒例のシューズ洗いの日だ。
一年生になった娘様は、週末になると学校で履くシューズを、小さな手でゴシゴシ洗っていた。

お。仕上げかな?

あれま。
まるで虫さんにパクりんちょされたように、ポッカリ穴が開いていた。
これは、いけませんな。

ー日曜日ー
私は、バタンキューしていた。
しかし、そんなとき母上からお電話リンリンリン。

なんというベストなタイミングなのでしょう。
母上が、母上様になった瞬間だった。
カクカクシカジカで、娘様のシューズ穴パクりんちょなので、シューズを一緒に買いに行ってはくれませんでしょうか?
申し訳。

ありがたやー
ということで、娘様は母上様とお出かけ。
いってらっしゃいませ。
ー夕方ー

シューズは買えたかい?

ルンルン娘様に、キュンキュンな母。
じゃあ、名前書こっかね。
ガサガサ、、、
・・・・!?!?
袋から出てきたのは、青いシューズだった。



穴開いたやつ、明日履いていく。
今日買ったやつは返す。
気付くと娘様は、目に涙をいっぱい浮かべていた。
私は、はっとした。
私は、一瞬にして娘様の好きを否定してしまったのである。

赤がいい。赤にする。
私は、激しく後悔した。
そして続けて、こう言った。
少しママの話を聞いてくれる?

目に涙をいっぱい浮かべて、頷く娘様。
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