親父のメール

著者: 田島 美紀
私は今発展途上の国に留学をしています。先日、現地特有の病気に掛かり、一時は死を覚悟しました。
もしかしたら最期かもしれないと思い父にメールを送りました。その時の物です。
---
田島美紀様

親父です。
親父は心配されなくても大丈夫です。
美紀の3倍生きております。
疲れたらたっぷり睡眠とっています。
甘いものは控えて、アロエ食べて健康管理です。

自分の好きな事だけやるわけにはいきません。
「この世はいやなことばかり、どうせやるなら喜んでやろう」
の精神で世の中に貢献することは必要です。

美紀も今のうちにしっかりといろんな勉強して心身を磨いて下さい。
日本人は「ぜいたく」になり過ぎました。
ハングリー精神がもっと必要です。

病気等しないよう自分の健康管理は自分でできるようお願いします。
明日、あさっては大阪市内へ世界経済の勉強と社長の話を聞きに行って来ます。

ではまた。


-----Original Message----- From: Miki Tajima
Sent: Friday, March 20, 2015 7:34 PM
To: 親父
Subject: オヤジへ

いつもありがとうございます。
お父さん疲れた時は、ちゃんと休んで下さい。
ホンマはお父さんの好きなことやって欲しいです。

娘より 

----
私は父のことをよくは思っていませんでした。たまに家に帰ってきても家族と何も喋らずにもくもくと飯を食べては自室に篭ります。そんな父を見てか、母はパートの時間をワザと父と被るようにして、二人とも家で会わないようにしていました。兄は大学で上京し、残る私も、そんな家庭が嫌で、安い留学を探してきて家族に相談したくらいにです。家族は血が繋がっただけの一番近い他人だと思っていました。
しかし、この時ばかりは父に感謝しました。父は今も昔も変わらず私の唯一の父なのだと再認識させられました。他の人にこんなことを言われたことはありません。ましてや家族でもなければ。
こんな短な場所に人生の立派な先輩がいたことに初めて気がつきました。

 

著者の田島 美紀さんに人生相談を申込む