もう恋なんてしないなんて、言わないけどやっている【第4話】
ロールプレイング恋愛
ひびきのネットはSNSのような交流スペースだったが、それだけではなくそこにいる人はときメモメモリアル2の舞台でもあるひびきの高校の生徒という役割を持って活動していた。
いわゆる、ナリキリチャットのような場所である。
それまではネットもあまりイジっていなかった僕にとって、この出会いとナリキリチャットという存在はまた新鮮で新しかった。
なぜならば、僕は僕自信がそれほど好きではなく、また何かを演じることが好きだった。
それが声優を目指したりした理由でもあったりしたのだ。
話を戻し、「ひびきのネット」は男子高校でのリアルな自分とは違う「もう一人の自分」として高校生活を送れる貴重な場所となっていった。
アクセスしたら、そこには僕の名前ではない別の存在として多くの友人に囲まれ、部活をはじめてもいた。
この「ひびきのネット」との出会いから、SRCというゲームを知ることになったり、放送局の記事を書いたりと今の仕事に繋がるイロイロな知識を得ることができたのは収穫である。
しかし、それ以上の収穫としてネットで生まれてはじめての彼女ができたのである。
毎日、同じ時間にあって何気ない話をしていてから、なんとなく一緒にいて癒やされていたからと言った理由で付き合い出したのもいい思い出だ。
1年近く付き合ったものの、高校を卒業するくらいには自然消滅で別れてしまったように思う。
記憶がアヤフヤになってきているが、ネットで彼女を作るのは気が楽だった。
お互いに自由な時間を持ちながらも、特定時間にあって話せればそれでよかった
また、出会った場所が場所だったこともあり近い趣味で話があったことも大きいように思う。
ここから、オンラインでキャラクターをロール・プレイする遊びに没頭しはじめるのだった。
……続く
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