「置口空助の発達障害自我強化論」(自我強化=目的意識+フレームワーク思考+対認知機能障害用ITツール群)ようやく自己コントロールが出来るようになった話。③自我強化概論

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自我の強化の3ステップ

対思考空白=自我の強化。

自我の強化に効果があるのは、「思考の言語化」と考えていました。何故なら、出来ないからです。自分という存在が「あやふやだ」との自覚があり、そのためにはどうしたらいいだろうと考えたとき、自分に出来ないことに答えがあると考えたのです。すなわち「思考の言語化」です。最初に取り組むべきはこれ以外にありえない。「思考が独特なこと、スピードと量が少ないこと」、これが「自我が薄い」私の特徴です。「思考の言語化」を実現することがこの特徴を克服した証明になると考えていました。


現在の私は「思考の言語化」は出来ています(オートではなくマニュアル操作的ですが)。ただここまでの道のりは平坦ではなかったですよ。試行錯誤の連続です。正直、失敗して、傷だらけになって、ほんの少し手で掴んだ貴重な経験を元にまた試行錯誤するわけです。今振り返ると、ヤルセナイ気持ちになりますね。愚痴を言っても仕方がないですね(笑)。


第一歩は、「知覚したものの言語化」。当然スピードと量を増やすこと意識する。


第2歩目は「解釈を積み重ねる」。事実は1つですが、解釈は無限です。そこに人それぞれの個性が宿ります。これにより自分という存在が徐々に鮮明になる。

また、常にカオスな私の頭の中が整理される。でもこれだけでは駄目なのです。「思考が独特なこと」これは解消されない。これは生きてきた中で強烈なバイアスがかかり、「思考の奇矯さ」として現れているのであれば、その対応が必要です。


第3歩目、「人生の知恵や哲学に昇華させること」。解釈を積み重ね普遍的真理の境地を目指すのです。「今起きたことは自分や相手とって何を意味しているか」「生きることはどういうことか」等を自分の言葉で語れるようになると「思考が独特なこと」(人に「奇矯」と印象を与えること)は軽減します。昇華する過程で自分の心を磨き歪みが無くなったからだと思います。


<解説>

現在もこの考えです。ただ分かりにくいと思うので補足します。第一歩の「知覚したものの言語化」、これはあくまで知覚能力の向上が前提です。今までの私の知覚能力のままで

「知覚したものの言語化」を深めたって、迷惑を周りに撒き散らすだけですよ。例えば色彩を3色しか理解できない人間が世界の視覚的な綺麗さを周囲にいくら熱弁しても、たわごとでしかないのです。まともに世界を知覚し、認識している人間からは理解を得ることは不可能ですよ。

第2・3歩目の「思考が独特」な部分についてです。もともと私は「知覚の歪み」からくるものと考えています。ですが、「知覚の歪み」だけを改善したとしても、実は「思考が独特」の部分はあまり変わらないのです。なぜなら理由は2つあり、改善した知覚能力を使いこなせず、歪んだ知覚を使う傾向があること。それと知覚と解釈(認識とも言える)は別物であり、歪んだ知覚から歪んだ解釈をする回路のようなものがまずあり、改善した知覚からを使っても歪んだ解釈に繋がりやすいということがあります。いずれにせよ、今までの「癖」を是正するのに大変苦労するということです。




目的意識+フレームワーク思考+対認知機能障害用ITツール群

なにも考えられないのです。人にテーマを与えられたのなら、思考をそのことに合わせることは、精度はともかく可能です。ただテーマがない状態だと無理。何時間も白昼夢に佇んでいるか、あるいは考えられないことの焦燥感がある。

対思考空白=自我の強化、その為には思考するための体系を構築する必要があります。そのためには、目的意識+フレームワーク思考+対認知機能障害用ITツール群と考えています。いずれも思考するための強烈な武器になるものです。


「目的意識」

私にとっては、「発達障害者を幸せにする」という目標になります。そのことが自分の方向を指し示す「北極星」となり、例え周り道をしているように感じるときでも、軌道修正を出来るようになります。また、常に意識することにより、様々なアイディアと思考の源泉となり得ます。自我が常に揺らいでいる私の中に、初めてよって立つ足場といえる物が出来たと言えます。目標があることにより自分の存在が明確になりました。


「フレームワーク思考」

情報の振り分けの思考技術と考えて下さい。これにより状況判断をしたり、優先順位をつけたりするとこが容易になります。ただ元々の用途は実は「認識した情報の振り分けの思考技術」なのです。認知(知覚)能力を向上するための技術ではないし、このことに言及した文章を読んだことはないですが、フレームワーク思考に習熟すると関連する認知(知覚)能力が向上するのです。例えば「道徳」だと目の前の人がどういう自己規範を持っているか認知(知覚)できるようになります。なかなか理解してもらうのは難しいことは分かっています。ですが、このことにより、様々なフレームワークを作ることより、認知(知覚)能力を広げていきました。


「対認知機能障害用ITツール群」

記憶する

理解する

思考する

習得する

言語化する

判断する

概念化する

などの知的能力全般を補完する仕組みです。認知機能障害の部分にIT群を使って補おうとうことです。人より劣る部分は認めるしかないですよ。ただ、今の時代であれば、IT群を使うことで、一般就労が可能になるケースがあるのです。私のことですが(笑)。

特に私は「記憶する」能力に非常にムラがありました。俗にいう「ワーキングメモリの少ない人間」です。生きるうえで強烈なハンディキャップですよ。ですがこの部分をIT群に預けることにより生きるのが楽になりました。そして他の認知機能の能力も向上しました。その経験からいうと、当事者の千差万別な認知機能障害を「対認知機能障害用ITツール群」という発想に立てば補完する仕組みを構築することは可能だろうと思います。全員とはいかないかもしれませんが。


「克服論」では詳しく書くことが出来なかった、対発達障害の専門家を自認する当事者としての、現在の考えです。次章からそれぞれについて説明をします。




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