母に抱く殺意 第4章

前編: 母に抱く殺意 第3章
後編: 母に抱く殺意 第5章

父の様子は変わらず、何かあるたびに母、姉、私の3人が病院へ呼び出された

姉は、それを面倒に感じ、

「忙しいのよ! いっそのこと殺してくれればいいのに!!」と、キレた

先の見えない介護生活に突入し、苛立っていた

急性期専門病院だったため、症状固定した父は、介護専門の病院へ転院するように主治医から言われた

入院3か月がリミットだった

母と私で病院を探し始めたが、母が勝手に決めてきた

こういう時、妻という立場は、娘よりも強い

転院先は私の家からも近く、リハビリを積極的に行い、社会復帰や良い状態を保つことが専門の病院だった

いつしか、母は全くお金のことを言わなくなっていた

それが私のストレスを減らしていたが、突然、父の生命保険の解約手続きをするからと姉ともども呼び出された

母が「お金がない。」と、姉にぼやいたのだ

父の入院費は、高額療養費の申請で多少なりともお金が戻り、パートでの収入もあり、保険金を受け取らなくても、他にも十分な額を母は受け取っていたはずだった

手続きを急がせる母にまた不信感が募る

生命保険を解約したら、いくら入るのかも説明がなく、一旦、私は、書類を書くことを拒否した

でも、母がうるさく言うので、結局 印鑑登録の書類をつけて、署名捺印をした


その後、その保険金の話を一切しない母に不信感が募り、ネットで色々検索して、「成年後見人制度」を見つけた


裁判所に出向き、受付の人に、成年後見人制度について説明を聞いた

書類一式に記入例もついており、

「難しい言葉を使わなくても大丈夫ですよ」と、不安な気持ちを払しょくしてくれた

手続きは簡単で、費用も安く、すぐに書類を必要書類を揃え始めた

提出書類の中に、主治医の診断書があり、リハビリに積極的な病院で、主治医も気さくだったから軽い気持ちで依頼をした

そして、主治医に呼び出される

「診断書は書けません。身内の争いに、病院を巻き込まないでください!!」強い口調で、先生は言い放った

私はただ茫然として……面談室を後にして、父のそばで泣いてしまった

看護師さんは事情も知らず、慰めてくれた

失意のうちに帰宅して、ネットでその病院の病院長宛てにメールを送った

主治医の対応、身内の争いを避けるため、後見人を選任するための手続きで、主治医の協力が不可欠なこと、お手数をかけることに対してのお詫びなどを書いて。

その翌日、見舞いに行ったら面談室へ呼ばれ、病院長直々に診断書を書くと言ってもらえたけれど、傍にいた主治医は、納得がいかないような無愛想な表情を浮かべていた

(その1カ月くらい後、関連病院へ主治医は昇格して異動)

私が成年後見人の申請をしたことで、母と姉に連絡が行き、二人とも立候補する事態になった…

私が必要書類を揃えていたので、二人は簡単な書類の作成で済んだ

裁判所の書記官の方との面談で、後見人が身内以外の第3者でも構わないですか?と聞かれた

書記官から身内3人が立候補するのは、珍しいケースだと言われ、はっきりと明言はしなかったものの、遠回しに身内で争っていて大変ですね…と私のことを案じてくれた

まだ私が29歳で、対象の父も59歳と若く、だから余計だったのかもしれない

父のケースでどのくらいの時間がかかるか、予想される費用など、私が聞きたかったことを先に説明してくれた

今回のケースみたいに、誰が後見人になっても揉めそうな場合や、身内が遠方に住んでいたり、高齢などの場合、第3者に報酬を払い、弁護士、会計士などが選任される


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母に抱く殺意 第5章

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