助産師である私の素晴らしき大難産 ③
産後2日目、昨日乳がまったく飲めなかったせいで、けっこうしっかりと体重が減ったみのみ。
黄疸で治療になったら絶対に嫌なので、直接乳をやる以外に、搾乳と砂糖水も追加して飲ませる。
乳の分泌は良好。でも搾ってみたらやっと10ccとれる程度。
日中は2時間くらいで起こしながら、直母+搾乳+砂糖水をガッツリ飲ませる。
ウンチもシッコもよく出るのでたぶん大丈夫だろうなと思う。
そういえば吸引分娩で一番心配していた頭のたんこぶ、1日目でもう吸引の跡はわからないくらいになっていた。
みのみ、オムツ以外おとなしくほとんど泣かない。
夜になって、また搾乳を飲ませていたら、鼻から出るくらい盛大に吐いてしまったので、そこから自律授乳に切り替える。もう特に時間も気にせず、欲しがったら欲しがっただけやる。
自分的にも余裕が出てきて、妊娠中にセミナーで習った「おひな巻き」というのをやってみる余裕もある。
超おとなしいので、私はシャワーあびてフェイスパックしながらIPPONグランプリを見る余裕すらある。ほんとに産後2日目?
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そしておとなしく全く手間がかからず、乳飲みも上手なみのみを見ていて、突如納得したのです。
私の難産の意味。
やっぱりみのみが全部決めていたんだ。
産後これだけ育てやすいみのみを見て、骨盤ケアはやっぱり意味があったんだと感じる。
渡辺信子先生の本に書いてあった通り、みのみめちゃくちゃ育てやすい。
あれだけ大量出血したのに、顔色が悪いだけでめまいとかほとんど症状が出ない元気な私。体力をしっかりつけていたのは無駄ではなかった。
むしろ漢方飲んだり体調整えていたから、この程度で済んだんだ。
どんなに早く会いたいとお願いしようと、予定日8日遅れでやってきたみのみ。お腹の中できっとしっかり練習して出てきてくれたんだね。充分に育ってから出てきてくれた。
通常無痛にすると、薬の影響で薬を追加したあとに赤ちゃんの心拍数が下がる(心拍数が下がる=赤ちゃんにストレスがかかっているサイン)ことが多いけど、みのみは無痛にした後も心拍は変わらず元気だった。
子宮口全開したあとはさすがに下がっていて、出産直前には酸素ボンベも使った(心拍数低下に対する処置)けど、回復は良かった。急いで出さなければいけないような切羽詰まった吸引ではなかった。
臍帯巻絡(首にへその緒が巻いていた)もあったけど、経過中変に心音が下がることはなかった。
夜担当の看護師さんからは、「いっそカイザー(帝王切開)のほうがよかったんじゃない?」なんて言われたが、カイザーの適応になるような状況はなかったと思う。
みのみはずっと元気だったし、最後の吸引も十分降りてきてくれていたので、1,2回吸引かけただけですぐに産まれてきた。
なぜこんなに難産だったか。
それは私が助産師だから。
まさに出産前行った池上明先生の講演で、助産師さんが「自分は難産だったけど、色んな出産を手伝う助産師として、子供がそれを体験させてくれたと思う」と言っていた話の通り。
私は無痛分娩ってなんか正直嫌いだったんだよね。だって自然じゃないもの。経過中も気を張ってみないといけないし、管理も大変で神経を使うし。
でも今回自分がやってみて、どれだけ助かったか。あのひどい痛みをあのまま我慢していたらとても産めなかったと思う。
先生が、「優木さんはちゃんと頑張れる人だってみんなわかってるんだから、その人がこれだけ痛がってるんだから、いいんだよ」と声をかけてくれたことにとても救われた。
今回、嫌だと思っていたことフルコースで体験したけれど、結局は自分でも必要性を納得した上ですべてお願いしたので、心になにかわだかまりが残ることは一切なかった。むしろたくさんの励ましと手助けがなければ、この職場でなければ、私は産めなかったと思う。
助産院に憧れていた私、もし助産院で産んでいたら、弛緩出血でほんとに死んでたかもしれない。
難産フルコースを体験して、私が今まで持っていた出産に対する思い込みや執着はすべて吹き飛んだ。
そうして思い返せば、トラウマになるかと思ったあのひどい痛みも、みのみからのメッセージだったと思うと、一つ一つの波が愛おしく感じる。坂本フジヱさんが「陣痛は赤ちゃんの声」と書いていた意味がすごくよくわかる。
私をあの講演会に導いたところから、全部もうみのみが決めていたんだね。
池川先生!すごいです。ほんとにちゃんと絆できてました。
難産だったことで、職場の人たちみんながすごく優しくて、ぶっちゃけ妊娠中ろくに口もきいてもらえなかった人も大変だったね、と言ってくれる。
産後、身体は全然つらくないのに恐縮しちゃうくらい。
なんか気遣って優しくしてもらえるのでむしろ難産で良かった~ラッキー♪と思えるくらい。
わーすごいやすごいや。
スーパーベイビーみのみ。世界で一番かわいい私の娘。
体験をくれてありがとう。
私は自分の難産をみんなに自慢したいくらい。
本当に素晴らしき大難産でした。
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