友人と呑みに行って ~その1-2~
【吉祥寺酒 ある公園編】
~~~前回までのあらすじ~~~
突如、吉祥寺に飛来した、ミルミル星人のニューサンキン攻撃により、
ヤクルト製品でしか栄養を取れなくなったひゆき。
ニューサンキンをかわしたかに見えたSさんにもわずかながらに、
飲んでしまい、語尾にジョアと付けてしまう病気に。
特効薬のソフールを回収しないと
僕たちの企みをミルミル星人たちが、許してくれるはずもなく、
攻撃を受ける二人。
ひゆきたちはソフールを手に入れることが出来るのか。
後半が始まります。
はい、もちろん嘘です(笑)
~~~~~本当の話はこちらから~~~~~
人が温かい1件目の酒場を抜ける少しだけ歩くと、
そこそこ有名な公園に辿り着く。
この公園内で親に撮ってもらった写真の記憶から、
僕の人生が始まっている。
4歳という記憶から始まるのが、早いのか遅いのかは分からないが、
僕は来る度に懐かしさが溢れて来る。
近年、人気があり過ぎる吉祥寺という街の影響からか、
人が押し寄せてくるので、平日しかほとんど歩かないが、
たまに深夜に歩きたくなる。
動物園から聞こえる鳥の鳴き声が時折聞こえる、
公園の外れの綺麗になってしまった片隅で、
僕はよく缶ビールかチューハイを片手に呑むのが好きだ。
相手はだいたい、1でも登場しているSさんで、
今回も相手をしてもらった。
ぶらりと歩道を二人で歩く。
整備が行き届いているのも、全国的にファンの多い、
アニメ映画の美術館が近くにあるからだろう。
観光地でありながらも、独自の自然や雰囲気を保っている。
この道を通るたびに、
散歩という曲を歌いながら、歯の生えそろった大きなネズミのような
妖精のぬいぐるみを探す。
夜だとうっすらとだけ見えるだが、この日は発見できなかった。
Sさんとの会話に集中しろという意味だろう。
あのオカリナは吹いてみたい。
会話と一人で繰り返す妄想を繰り返しながら、
Sさんとコンビニに向かう。
僕たち二人のホットステーション。
ハイボールとチューハイを買い、Sさん家近くのベンチに座る。
まあ、いつもいろんな話をし過ぎてどれがどの場面だが、
思い出すのは一苦労。
この日は、Sさんの子供の話だった気がする。
すっかり父親の顔になっていて、
純粋にすごいなと本人の前でも言った。
自分の受け継がれた遺伝子を持った人間がいるという、
生命の神秘を一人で感動して、うんうん頷いていたと思う。
砂時計のように、ゆっくりと進む時間の中で、
さきいかをつまみながら、缶チューハイをごく。
会話の内容は覚えていないが、老人になっても、
時折飲み交わしたいと感じる夜更け。
Sさんを送り、空を見上げて星を確認して、帰路に。
次の日に残らないようにスポーツドリンクを飲みながら、
歩いて帰るとなんとなく、いつもよりも早く着くような気がした。
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