友達家族~親が子供になる~ 第五夜 

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兄弟って何故か同じようにケガをする

お兄ちゃんは一度言いだしたら頑固なところがありました。


ひとつ違いの兄弟なんだからまだまだ甘えたい時期だろうに、
何故だか、下にちい兄ちゃんにいつも甘えるのを譲り始めた時がありました。

それまでは私の足の両方に1人ずつ乗ってきて、重たい~!
なんて悲鳴をあげてたのですが、ひとりで私に背中を向けてブロックや折り紙で遊ぶようになりました。

いわゆる第一次反抗期のイヤイヤ期ってやつです。


手先がとっても器用な様で、いろんな物を使って遊んでいました。
折り紙はもちろん、鍋のフタを独楽にしたり、洗濯バサミも彼にかかればブロックの様になりました。

彼は作るのが好きなので、その才能は認めていましたが、忙しい時に限って言う事を聞いてくれず、遊びだして困っていました。


そんなある日…
みんなで外に出かけた帰り、そろそろ夕食の準備を始めたかった私は、お兄ちゃんに家に帰る様に言ったのですが、言う事を聞かずにだだをこねていました。

怒った私はベビーカーに乗る、ちい兄ちゃんと先に帰ろうとプリプリ怒りながら家の方へと歩き始めました。

最初はちゃんと後ろから着いて来てるかな?
なんて心配してたのですが、それでも頑なに来ない兄ちゃんを置いて早く歩き始めてたら…

『バコーン』

と凄い音がしたんです、その直後に火が付いたように泣き出した子供の声…
私は慌てて元来た道を戻ってお兄ちゃんの元に行くと顔面が流血していました。

綺麗なタオルが無かった為に駅の売店でタオルを買おうとしたら売っていなくて、
どうしようかと迷っていたら売店の方に救急車を呼ばれて病院へ

その時なぜか私よりも売店の方がものすごく慌てちゃって…
私はなんだかとっても冷静に受け答えしてた気がします。


思ったよりも出血はありましたが、傷は小さく済んだようで、ホッとしました。

そんな事があったのもつかの間、
やっと働き始めようと面接の約束の日に、そこの会社は子供を面接に連れてきていいというので、
お兄ちゃんは保育園に預けて、下の子だけを連れて行ったら…その面接の最中、隣に座ってたソファーから落ちて、頭を流血

慌てた担当者さんが車で病院に連れて行ってくれました。

お兄ちゃんの傷が治ってきてホッとしてたところだったのに次は下の子って…
別に兄弟そろって同じところを怪我しなくてもいいのに。

男の子を育てるって難しいなぁ、そう感じ始めてた時だったので、この事をきっかけにますます子育てに自信が持てなくなってきていました。


そんな騒ぎがあったから仕事もダメかと思ってたのに、会社に採用された私は翌日から社会に出て働くことになりました。


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友達家族~親が子供になる~ 第六夜

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